こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
先日、テレビ東京の『主治医が見つかる診療所』に出演してきました~~
テーマは、最高の疲労回復法。
疲れがたまりやすいこの時期、どんな食べ物や生活の仕方をするのが良いのか?そんな話を元宝ジェンヌの遼河はるひさんとお話してきました。
最高の疲労回復法は、先日僕が書かせていただいた書籍の内容をもとに話をしています。
疲労回復の方法は、食べものの内容、運動方法、睡眠、休息、一日の過ごし方など多岐にわたります。
書籍にはそんな日常で簡単に役立つ内容を載せています。
興味のある方は是非一度お読み下さればとても嬉しいです!
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『超加工食品とがんのリスク』についてです。
あるフランスの研究で、超加工食品の摂取とがんのリスクを高めることがわかりました。
2018年2月にイギリスの有名誌 BMJ誌に論文発表されました。
タイトルは、
『Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Santé prospective cohort』
超加工食品という言葉(Ultra-processed Foods)は、あまり聞いたことがないかもしれません。この論文では、超加工食品のことをこう定義しています。
『砂糖や塩、油脂が高割合で含まれ、保存料などが添加されており、きっちり包装されて日持ちの良い食品』
NOVA分類に従って超加工食品は分類されており、具体的には
『大量生産され包装されたパン、スナック、菓子やデザート、炭酸飲料や加糖飲料、ミートボールやチキンナゲット、保存料を添加した肉加工品、即席ラーメンや即席スープ、冷凍食品、常温保存できる調理済み食品、家庭で調理する時は加えない添加物(水素添加油脂、加工でんぷん、たん白質加水分解物など)や砂糖や油脂を非常に多く含む食品』
となっています。
この研究に登録された人数はなんと104980人。10万人をこえる方が登録されました。この研究のボリュームのすごさがわかります。
この研究は約5年間の追跡調査が行われ、その間のがんの発生率を調べたものです。
超加工食品を日常的に摂取していた人のうち、最も多く摂取されていた超加工食品は、砂糖を多く含む食品(26%)、続いてソーダ類などの飲料(20%)でした。
研究の結果です。超加工食品を10%多く摂ることによって、全癌の発症リスクが1.12倍、乳癌の発症リスクが1.11倍になっていました。ということは超加工食品を20%、30%とより多くとり続けると、がんの発症リスクが加速度的に上がってしまうということなのです。
そしてこのリスク上昇は年齢や性別、喫煙に関係なく見られたということでした。
超加工食品で、なぜがんがおこりやすいか?ということです。これは、加熱や精製などの過程でビタミンやミネラル、食物繊維が低下し、発がん性物質が生成されてしまう可能性が危惧されることや、食品を包む包装物質にも発がん性のリスクがあるのではないか?という意見、そして動物実験や細胞レベルの実験で発がん性が証明された添加物などが食品にいまだに含まれていると考えられているため、などいわれているようです。
超加工食品を全くなくすことは現代社会において相当難しいことと思われます。我々ができることは、普段の食生活を安易に超加工食品に頼りすぎないこと、非精製食品やオーガニック食品にも目を向けてみること、不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質などをしっかり摂ること、でしょうか。
現代社会で不足がちなビタミンやミネラル、抗酸化物質をサプリメントで摂るという方法も必要なのではないでしょうか?いや、むしろ必須かもしれません。
もちろん、すぎおかクリニックのスタッフは皆高品質サプリメントも使いながら、健康管理をしっかり行っています。
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは、『狭心症 血管が痙攣する』です。
狭心症という病気は、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が動脈硬化などが原因で狭くなってしまい、心臓の筋肉に十分な栄養を送れない状態です。
狭心症は、心臓への栄養が不十分なので、心臓への負担が強くなった時に胸の痛みを感じます。
たとえば、ちょっとした運動や歩行、重いものを持った時など。
こういった軽い労作で起こる狭心症のことを労作性狭心症と呼びます。
労作性狭心症の原因が、動脈硬化で冠動脈(心臓の血管)にプラークが蓄積、その結果、血管の通り道が狭くなり、心臓の栄養状態が悪くなる。
一方で、こんなタイプの狭心症があります。
昼間はどんなに動き回っても胸は全く痛くないのに、あるとき安静にしていた時に急に胸の痛みが出現するタイプ。
特に、朝方就寝中に胸が痛くて目が覚めるパターンが多いのですが、こういった症状の中に、
『冠攣縮性狭心症』という病気が隠れていることがあります。
このタイプの狭心症は、冠動脈に物理的な狭窄が全くないにもかかわらず、突然冠動脈が痙攣し、心臓への血流が遮断され、胸が痛くなったり、圧迫感や違和感を感じます。
しかし、数分すると自然と冠動脈の痙攣がとれ、「あれ?さっきの痛みは何だったんだろう?」という風に感じる方が多いです。
冠攣縮性狭心症は、診断するのがなかなか厄介です。というのも、症状が出ていないときは心臓の血管に狭窄が全くない、すなわち正常なのでたいていの検査では異常とでてこないのです。この病気、発作時のみしか心電図などで異常ととらえられないのです。
ですから、運動負荷心電図や心エコーなどをおこなっても診断しきれないことが多いです。
その場合、24時間心電図(ホルター心電図)といって1日中携帯用心電図を装着しながら生活していただき、その間にもし痙攣発作が出れば、その証拠を記録できる、という検査を行います。しかし、この検査も24時間以内に発作が出なかったらやはり診断できません。
では、どうすればこの病気と診断がつくのでしょうか?実は、一番大事なのは医師と患者さんの間で行われる『問診』です。
問診は、病気をさぐるうえでとても大切なことです。患者さんの症状はいつ、どんなタイミングでどれくらいの時間おきるのか?症状はどんな感じ?場所は?など細かくお聞きすることでこの病気の予測がつきます。
この病気は心臓の血管の痙攣なので、治療は痙攣をとること。すなわち心臓の血管を広げる薬を使う、ということにつきます。
いわゆる『ニトログリセリン』という薬です。
この病気が疑われる場合、発作止め用のニトログリセリンを携帯していただき、この薬が効くか試す必要があります。
つまり、診断しながら同時に治療する、『診断的治療』ということを行います。
この病気をほおっておくと、徐々に悪化し、症状の持続時間が長くなり、最後には全く痙攣が取れないほどの強い発作に見舞われることになります。そして、心筋梗塞に移行してしまうことも・・・。
冠攣縮性狭心症の多くは、実はタバコやストレスが大きな原因となります。動脈硬化の原因となる高血圧や脂質異常、糖尿病に気を付けるのはもちろんですが、普段の生活の中でストレスをためすぎていないか?タバコを吸い過ぎていないか?など自らの生活を振り返ってみてくださいね。
冠攣縮性狭心症は、ある意味診断が難しい病気の一つです。循環器専門医でのご相談をお勧めいたします。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『緑茶と心臓病』です。
われわれ日本人は、日常的に緑茶を口にしています。その緑茶、いろいろな体に良い効果がある、と言われています。しかし、本当のところどうなんでしょうか?しかも、緑茶が心臓発作の予防に良いとしたら??
2015年に日本からこんな研究発表がなされました。
『Association of green tea consumption with mortality due to all causes and major causes of death in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study (JPHC Study)』
これは、日本人を対象に研究された日本人の研究者たちによる発表です。
この研究は約9万人の日本人を対象に約18年追跡調査された研究です。これによると、1日一杯以下お茶を飲む人に比べ、1日5杯以上お茶をお飲む人は、心臓血管死の割合が13%も減少していたと言うのです。
そして女性に限るとその傾向はさらに強くなり、1日5杯以上お茶を飲んでいた人たちの心臓血管死の割合は17%減少していたということです。
これは、ただ単に日常的に緑茶を飲んでいたか、飲んでいなかったか?たったそれだけでこんなに心臓病を起こして命を落とす危険が変わってくるということなのです。
そしてこの傾向は1日一杯のお茶を飲むより二杯飲んだほうが、さらに三~四杯飲んだほうが心臓血管死が減る、つまり飲めば飲むほど効果が得られたという報告でした。
では、めちゃくちゃ大量に毎日のんだらどうなるの?という疑問もおこりそうですが、この研究では6杯以上に関する報告まではなされていません。
まず、僕らは1日5杯の緑茶を目標にしてみるということがよいのかもしれませんね。
私たちの健康は、すべては日常生活での取り組み方が基本になります。糖尿病や高血圧になったらすぐに薬を飲んで安心するのではなく、どんな食事をすればよいのか?適切な運動はきちんとやっているか?睡眠不足は大丈夫か?ストレスが溜まっていないか?お酒やたばこはどうなのか?
こういったことからしっかり取り組めば、薬に頼った生活から離れることはいくらでも可能だと思います。
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは『禁煙後の体重増加と心臓病』です。
カラダによくないからと、一念発起して禁煙した。でも、気づいたら最近体重が増えてきたような・・・。
禁煙に成功された方の中で、食べ物がおいしくなってきたという言葉を言われる方がいらっしゃいます。
タバコをやめたことで味覚がよみがえったのでしょうか?それはそれでとても良いことなのですが、いかんせん食欲が増してしまい、結果的に体重オーバー。
また、タバコを我慢する代わりに何かを常に口にしているうちにそれが習慣になってしまうケースも。
「先生、逆にタバコ吸ってた方がよかったんじゃないでしょうか?」
というように不安を口にする方さえもいらっしゃいます。
では、タバコを吸い続けていることと、禁煙したけれども体重が増えてしまった場合と、どちらが良いのでしょうか?
2018年8月のNew England Journal of Medicine誌に掲載された最新論文についてお話します。
『Smoking Cessation, Weight Change, Type 2 Diabetes, and Mortality』というタイトルで、
日本語では、『禁煙、体重変化、糖尿病、そして死亡率』となります。
この論文によると、最近禁煙に成功した人(禁煙後2年~6年)の糖尿病リスクは現在喫煙している人に比べて1.22倍高かったそうです。そしてそのリスクは禁煙後5~7年をピークに徐々に減少するとも書かれています。
一方で、禁煙者と喫煙者の心臓血管病による死亡リスクを比較した場合、禁煙後体重が増えていなければリスクは69%も減少、5キロまでの体重増加だと死亡リスクは47%減少、10キロまでの体重増加だと死亡リスクは25%減少、10キロ以上の体重増加でも死亡リスクは33%減少していました。
結論として、禁煙後の大幅な体重増加に伴って一時的に糖尿病にかかる人が増えたが、心臓血管死亡率を低下させるという禁煙の最大のメリットは、体重増加に関わらずしっかりと残っていたということでした。
太りだしたから、禁煙やめよう、というのは再喫煙の理由にはならない、ということですね。
喫煙そのものは、狭心症や心筋梗塞をはじめとする心臓病だけでなく、脳梗塞などの脳血管疾患、肺がんや肺気腫、COPDなどの呼吸器疾患など様々な病気の要因となります。
タバコ、やめましょうね。
当院では、タバコをやめたいと思ってはみたものの、現実なかなかやめられない方のために禁煙外来を行っています。
タバコを止めよう!と決断したもけど、どうしてもやめきれない、そんな人は、是非当院の禁煙外来までご相談ください
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは、『ゼロカロリー飲料と糖尿病』です。
今や、巷にゼロカロリー飲料があふれかえっていますよね。
砂糖による血糖値上昇、カロリー過多に困っている多くの人がこのカロリーゼロ飲料に飛びつきました。
でも、このカロリ―ゼロ飲料、カロリーゼロのくせして相当甘いですよね?これはなぜなのでしょうか?
これは砂糖の代わりに人工甘味料が使われているからです。
この、人工甘味料、カロリーが限りなくゼロに近いので、表記上はカロリーゼロと記載できます。
よくカロリーゼロ飲料に使われている人工甘味料が、『アスパルテーム』です。
アスパルテームは、甘みが砂糖の約200倍と言われています。
人工甘味料は砂糖ではないので血糖値を上昇させません。しかし、最近になって、この人工甘味料の良くない部分がクローズアップされるようになってきているのです。
人工甘味料は、メタボ(肥満)や糖尿病の患者さんにとって、その予防や改善に役立つと期待されていました。しかし、そうではないらしいのです。
それを示した衝撃的な論文が2014年、世界の超一流医学誌natureに論文発表されたのです。
そのタイトルがこちら
『Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota.』
人工甘味料が、腸内細菌そう(腸内フローラ)を変えてしまい、耐糖能異常(血糖値の異常)を引き起こす、という内容です。
耐糖能異常を引き起こすと、血糖を下げるインスリンの働きもうまくいかなくなり、結果として肥満や糖尿病を招く可能性があるのです。
また、『人工甘味料は血糖を上げないので、脳が血糖を上げようとして、食べ過ぎを起こしてしまう』という指摘もあります。
あくまで個人的な所感ですが、ゼロカロリー飲料は、特に糖尿病を有している患者さんが好んで飲んでいるような気もします。砂糖に依存していた生活を変えるためにゼロカロリ―ならいいだろうと考えているのかもしれません。
ゼロカロリー飲料は、まだまだ決して安全とは言えません。砂糖に注意するのはもちろんですが、どうしても甘いものが食べたい場合は人工甘味料ではなく、天然の甘味料を選んで見るのも一つの手かもしれませんね。
糖尿病は、動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病のリスクを高めます。そういった意味からも、ゼロカロリーへの注意は欠かせません。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『睡眠不足が心臓病のリスクをあげる』です。
2017年にアメリカ心臓協会(AHA)からある研究発表がなされました。これによると、メタボリック症候群や高血圧などの心臓発作の危険因子を持っている人が睡眠不足の状態を続けると、心臓発作や脳卒中で死亡率が倍増するという内容でした。
1344人のかたを対象になされた研究で、参加者の39%がメタボの持ち主でした。
16年の追跡調査の結果、メタボで平均睡眠時間が6時間以下のかたは、そうでない方に比べ、心臓発作や脳卒中に伴う死亡率が2.1倍でした。
メタボの方は、そうでない方に比べ、心臓発作など全ての原因を含めた全死亡率は1.99倍。メタボの方で、睡眠を6時間以上とっていた場合の全死亡率は、メタボでない方の1.49倍でした。
まず、メタボがあるだけで心臓発作や脳卒中をおこし、死亡率が高くなってしまうという事実。
そして、メタボに睡眠不足が重なると更に命を落とす危険性が高まるということです。
睡眠不足が心筋梗塞などの心臓病、脳卒中などの動脈硬化、血管のつまり、血栓形成などのリスクをあげます。このことは普段から生活習慣の中にしっかりと睡眠時間を確保する必要がある、ということにほかなりません。
メタボによる肥満は、睡眠時間の問題だけではなく、睡眠の質まで下げてしまいがちです。
特に、睡眠中に呼吸が止まってしまうような睡眠時無呼吸症候群を合併しやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群は、夜間の血圧をあげ、自律神経を緊張させ、結果的に心筋梗塞などの心臓発作の率を高めてしまいます。
もし、就寝中に呼吸が止まる、などご家族のかたなどから指摘された場合、是非一度検査をすることが必要です。
当院でも睡眠ポリグラフィー検査と呼ばれる睡眠時無呼吸の検査を随時行っています。
以前のブログでも、「睡眠時無呼吸症候群外来」という記事で睡眠時無呼吸症候群について書いていますので、参考にしてみてください。
無呼吸が気になるかた、夜眠ったにもかかわらず、昼間に眠気が取れないなどの症状があるかたはお気軽にご相談くださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、糖尿病と心筋梗塞の関係についてのお話です。
心筋梗塞や脳卒中、狭心症、閉塞性動脈硬化症など血管が詰まってしまう病気の原因のほとんどは動脈硬化と言われています。
動脈硬化、とは血管にプラークと呼ばれる塊がこびりついて血管が硬くなり、もろくなる現象です。
そして、動脈硬化が進み、プラークが酸化しやすい状態になると、ますますプラークは増加していき、そのうち血管の壁に傷がつきやすくなります。その傷を修復しようと血小板と呼ばれる細胞類が血栓という蓋をつくって傷を修復、その血栓が血管内にあふれると血管自体が詰まってしまう。これが動脈硬化に由来する心筋梗塞や脳梗塞、血栓症のメカニズムです。(めっちゃ簡単に話しています・・・)
そしてこの過程と糖尿病には深いかかわりがあるのです。
糖尿病になるだけで、心筋梗塞や脳卒中のリスクは2倍から4倍にまで跳ね上がるといわれています。
その理由は、動脈硬化のプラーク(正確にはリポ蛋白と呼びます)の酸化が糖尿病で進みやすいからなのです。
また、糖尿病のかたは、他の動脈硬化危険因子を合併していることも多いです。たとえば、肥満や脂質異常症、高コレステロール、高中性脂肪などがそうです。
そういった生活習慣の乱れがますます動脈硬化を加速させ、心筋梗塞の発症率を高めてしまいます。
お分かりのことと思いますが、やはり糖尿病や生活習慣病の原因となる、乱れた生活習慣を正すこと、がなによりも大切になってきます。
まだ私の糖尿は軽いから、と漫然に過ごさずに、早期からの血糖管理に気を付けることです。そして、血圧や脂質のコントロールにも目を配り、食事療法、運動療法も必要です。療法というといかにも難しそうですが、単に体に悪そうなものを食べすぎない、面倒だからと言って体を動かさないことを避ける。
これだけで糖尿病や生活習慣病を避け、心筋梗塞や脳卒中のリスクを激減できるのです。
心筋梗塞や脳卒中は突然やってきます。それは何の前触れもなしに。
そのためには普段からの動脈硬化管理、血管管理もとても大切です。
糖尿病の数字だけに一喜一憂するのではなく、自分の動脈硬化の状態、血管の硬さの状態、プラーク量の状況、心臓機能の状況、これらのきめ細かい管理を忘れてはいけません。
やるべきことは、糖尿病の数字管理(ヘモグロビンエーワンシー HBA1c)、合併症管理(腎臓の数字や目の状態)、心臓の状態(運動負荷心電図や心臓エコー)、動脈硬化の状態(頸動脈エコーやCAVI検査)。
そして、食事指導と運動指導。
当院では循環器専門医や糖尿病療養指導ナースの指導のもと、糖尿病の動脈硬化合併症に関して徹底的な管理を行っています。船橋市をはじめとして習志野市、鎌ヶ谷市、市川市、千葉市、また県外からも多くの方に御来院頂いています。
自分の動脈硬化の状況を把握したい、心配だ、などあれば、是非一度ご相談くださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『メタボと心筋梗塞』です。
メタボとは、メタボリック症候群の略です。メタボリック症候群とは、内臓脂肪が多く肥満気味、それに加えて高血圧や脂質異常症などを合併している人たちのことを指します。
メタボリック症候群には診断基準というものがあります。
まずは必須項目として、腹部の肥満があり、男性腹囲85cm以上、女性腹囲90cm以上が対照になります。
続いて血圧が130/80mmHg以上、空腹時血糖110mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満の2項目以上があてはまることが条件となります。
メタボリック症候群になると、動脈硬化が大幅に進行するといわれています。その理由は内臓肥満のもと、脂肪細胞にあります。内臓肥満をひきおこすと、肥満細胞からTNF-αと呼ばれる悪玉因子が分泌されます。これがインスリン抵抗性を引き上げ、糖尿病リスクを格段に引き上げます。これが糖尿病や動脈硬化のもとになるのです。
そのために狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなります。そのほか、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病のリスクも上がります。
それらを回避するために何よりも生活習慣のコントロールが大切になります。適切な体重管理、適度な運動や正しい食習慣、タバコやアルコールの制限、十分な睡眠、ストレス回避などが非常に大事になってきます。
メタボを放置し続けることによって、動脈硬化のリスク、糖尿病のリスク、心筋梗塞のリスクがどんどん上がっていきます。大きな発作、心筋梗塞などをおこしてからもっとやせておけば良かったと思っても時すでに遅し。早め早めの予防に心掛けましょうね。
メタボの人が動脈硬化を起こしているかどうかは、頸動脈エコーという首の血管を検査したり、CAVIという両手両足の血圧を同時に測る検査などで推測できます。気になる方は、是非一度すぎおかクリニックへご相談くださいね。