タグ:生活習慣病

余暇での座りすぎは病気を招く

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『余暇での座りすぎは病気を招く』です。

休みの日、何時間座りっぱなしですか?

健康に運動がいいことはみなさんご存知だと思いますが、いざ仕事が休みの日になると、溜まった疲れをとろうとついついぼーっとしてだらだらと過ごしてしまった経験はないでしょうか?

休みの日くらい、体を動かさなくてもいいじゃないか、と考えるのも当然だと思いますが、最近余暇の日に座りすぎるのは病気のリスクを高めるという論文が、Ameircan Journal of Epidmiologyに掲載されました。

『Prolonged Leisure Time Spent Sitting in Relation to Cause-Specific Mortality in a Large US Cohort』

座りすぎは危険

この論文は対象患者さん、約12万人を平均21年追跡調査したとても大規模な研究論文です。

この論文によると、余暇の日に6時間以上座っている人と、3時間未満しか座っていない人を比較したところ、全死亡率(あらゆる病気で命を落とす確率)、心臓血管死(心筋梗塞や脳卒中)、がん、糖尿病、慢性腎臓病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、パーキンソン病、アルツハイマー、自殺、などなど。

なんと、ありとあらゆる病気が座りすぎと関連していたのです!

prolonged leisure-time sitting (≥6 vs. <3 hours per day) was associated with higher risk of mortality from all causes, cardiovascular disease (including coronary heart disease and stroke-specific mortality), cancer, diabetes, kidney disease, suicide, chronic obstructive pulmonary disease, pneumonitis due to solids and liquids, liver, peptic ulcer and other digestive disease, Parkinson disease, Alzheimer disease, nervous disorders, and musculoskeletal disorders.

とにかく動きましょうということ

改めて運動の必要性、動かないでいることの危険性を教えてくれた研究でした。

皆さんも、余暇の日でも、すきま時間に体を動かしてリフレッシュしましょうね

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

管理栄養士が当院の仲間に加わりました

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

栄養管理の大切さ

健康を維持するうえで、薬も大事、運動も大事。でも、何よりも欠かせない最も大事なこと、それは日々の栄養管理です。

それは皆さんも御存じのこととおもいます。

当院でも、もっともっと来院される患者さんへの栄養に対する指導ができないかと感じていました。

そこで、ようやく、当院にとても心強い仲間、『管理栄養士』が加わることが決定しました。

塩分や糖分、脂質、そしてカロリーなどはどうすればいい?などよくわからないかた。

糖尿病などの生活習慣病の栄養指導を希望される場合。

心臓病の人の再発予防のための食事管理。

また、健康診断で軽度異常を言われたけれども、食事療法で何とかしたい。

もしくは、肥満に対する減量指導。

など、多くのかたにお役に立てればと考えています。

もちろん、当院受診されたことがない方でも、心配なかたは喜んでご相談にのらせていただきます。

日々の食事、栄養は健康の基礎の基礎。

あなたも一度プロの話を聞いてみませんか?

すぎおかクリニックの考え

すぎおかクリニックでは、循環器内科や糖尿病、心臓病、糖尿病、生活習慣病の発症、再発予防に特に力を入れています。

病気の管理、運動の管理、薬の管理、検査の管理、そして栄養の管理。このすべてを網羅して始めて健康管理と言えると思います。

今後も、患者さんにもっともっと必要とされ、喜ばれるクリニックになれるよう、日々精進して参ります。

 

 

アルコールと心臓血管病の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『アルコールと心臓血管病の関係』についてです。

アルコールはどこまでが安全なのか?

アルコール消費量はいったいどこまでが安全なのでしょうか?このことに関しては今までもいろいろな情報が流れていました。

最近の研究では、アルコールは少ないほど良い、という結果が増えていましたが、それを示唆する研究データが世界の一流誌、Lancet誌に発表されました。

『Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies 』

イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが約60万人を対象に調査。追跡期間は約7~8年。この間のアルコール摂取量と病気の関連性について報告しています。

アルコールは週100グラムまで

研究結果は、安全といえるアルコール量は週100グラム以下、ということでした。

これを超えるアルコール消費をしていた方は、脳卒中のリスクが14%上昇。高血圧のリスクが24%上昇。心不全リスクは9%上昇。大動脈瘤のリスクは15%高まっていました。

さらに、研究チームはイギリスにおいて推奨アルコール消費量(週112グラム以上)を消費すると、寿命が1.6年短くなると推計しています。

100グラムのアルコールってどの程度?

例えばビール(5%のアルコール)で計算すると、ビール500mlだと、アルコールは約25グラム

ワインボトル一本(14%のアルコール)だと約アルコールは105グラムとすでに100g超え!

思ったより、1週間に飲んでもよいアルコール量は限られているようです。

研究からわかること

安全なアルコール消費量、推奨されるアルコール消費量は国によってばらつきがあるようです。そしてこのデータがそのまま日本人に当てはまるわけではありません。

そして個人差もあります。いずれにしても過度のアルコールは心臓血管病の発症、たとえば脳卒中や心臓病、狭心症、心筋梗塞、大動脈疾患などに注意が必要だと言えそうですね。

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

息切れと呼吸器の病気

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『息切れと呼吸器の病気』です。

息切れで考えられる病気

息切れという症状はとてもよくみられる症状の一つです。すぎおかクリニックにも、息切れという症状で来院される方が大勢いらっしゃいます。

息切が出るときに、いったいどんな病気を疑う必要があるのでしょうか?

実は、息切れから始まる病気は本当にたくさんあります。心不全や狭心症、不整脈などの心臓血管病によるもの。貧血や甲状腺機能異常や肝臓腎臓など内臓の異常によるもの。ストレスなどに伴う心因性のもの。体力低下によるもの。そして、気管や肺が原因でおこる、呼吸器疾患によるもの、など多岐にわたります。

ここでは、呼吸器疾患いわゆる肺の病気についてお話しします。

息切れと肺の病気

肺の病気で息切れがおきた場合、まず考えられるのが気管支喘息です。そしてもう一つが慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる病気です。この二つは判別が難しい部分もあるのですが、肺活量や1秒率と呼ばれる肺の柔らかさを調べる呼吸機能検査をすることで、診断が可能です。

息切が出現してくると、往々にして年のせい、加齢によるものだ、体力が低下したからだ、と思い込んで検査をしないまま、という方が多くいらっしゃいます。高齢者に多いCOPDは、治療によって息切が減少したり、生活の質(ADL)が改善するケースが非常に多いです。

また、COPDのあるかたは、虚血性心疾患など心臓病のリスクも高くなるといわれています。

COPDの場合、普段の生活管理もとても大切で、特に禁煙が絶対的な要素となってきます。

とにかく、気になったらかかりつけの内科医への早めの相談、受診が必要だということですね。

当院でもCOPDでタバコがやめられないような方に、禁煙外来をお勧めしています。ぜひご利用ください。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

肥満は心臓病を悪くするのか?

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。

今日のテーマは『肥満は心臓病を悪くするのか?』です。

メタボリック症候群

メタボリック症候群、聞いたことありますよね?男性だと腹囲85cm以上、女性だと腹囲90cm以上で動脈硬化のリスクを持っている人のグループをこう呼びます。

肥満=害、と世間では思われがちですが、最近そうとも言えない研究発表が続々と出てきているのです。

今日はその中で、肥満の度合いと心臓血管病のリスクを比較した論文を紹介したいと思います。

心臓手術後の肥満の度合いと死亡率の関係

日本心臓病学会の学会誌 Journal of Cardiologyに2016年に発表された日本人グループの研究です。

『Overweight, but not obesity, paradox on mortality following coronary artery bypass grafting.』

というタイトルです。

冠動脈バイパス術(CABG)という、狭心症や心筋梗塞の方に行う手術を施行した人79140人を対象に術後の死亡率を比較した研究です。

これによると、オーバーウェイトの体重(過体重)の人は、正常体重の人と比べ、短期の死亡率が15%減少、中長期の死亡率が10%減少したというのです。一方、obesity(肥満)状態まで体重が上がった人には死亡率減少効果が認められなかったとか。

BMI(bodt mass index)と呼ばれる、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数があります。

体格指数(BMI)=体重÷身長÷身長で計算します。

WHO(世界保健機構)が定めた基準によると、BMIが18.5以上24.99以下が正常、25以上29.9以下がオーバーウェイト(過体重)、30以上が肥満となります。

この論文からいえること

狭心症や心筋梗塞などで手術を受けた後、いったいどういった生活習慣をおくればいいのか、知りたいところだと思います。

この論文は、心臓手術後の肥満は良くないけれども、過度に体重を落とすと逆効果になりえる、ということを示唆しています。

ただ、この論文はあくまでも肥満、オーバーウェイトの面からのみ検討しています。肥満に加えて糖尿病や脂質異常があったらどうなるか?心臓の動きによる違いは?不整脈の影響は?運動や食生活の影響は?などまだまだ詳細な検討が必要になってくると思います。

ただ、やみくもにやせを目指す必要はなさそうだと言えますね。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

 

 

 

 

たんぱく質の正しい摂り方

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『タンパク質の正しい摂り方』についてです。

たんぱく質は何から摂るべきか?

私たちがタンパク質から栄養を摂る場合、大きくその栄養源は2つに分かれます。

一つは動物由来のたんぱく質、もうひとつが植物由来のタンパク質です。

今日は、2016年にJAMAという医学雑誌に掲載された論文の内容をもとに話をしていきますね。

動物性たんぱく質 vs 植物性たんぱく質

『Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality』

というタイトルで、2種類のたんぱく質の摂取と死亡率について比較検討した研究で、131342人を対象に行ったものです。

この研究からの結論の一つは、肉食中心の食生活を送っていても、植物性蛋白質中心の食生活をおくっていても、いずれのグループにおいても死亡率には影響を与えませんでした。

しかし、不健康な生活習慣をおくっているグル―プに限っては死亡率を上げるというデータがでました。

肉食生活と不健康な生活習慣の結果として・・・

この研究での不健康な生活習慣とは、タバコ、多量の飲酒、肥満、運動不足を指しています。

そういうアンヘルシーライフを送っている方に限っては、動物性たんぱく質由来の食生活を続けていると心臓血管病を原因とする死亡率の増加が認められたのです。一方植物性たんぱく質由来の食生活のグループにはそういう傾向はみられませんでした。

この研究からいえること

動物性たんぱく質が悪い、と声を上げるのは早計です。なぜなら生活習慣が乱れている人の場合、動物性たんぱく質の摂取源を、たとえば揚げ物などの酸化した油を使ったものや製品の加工過程が不明な加工肉を口にしたりなどしていることも予想され、動物性たんぱく質以外の不健康なものを多く食べていることが容易に想像がつくからです。

そして、もう一つ大事なことは、普段の生活習慣をきちんと行っていればどちらを食べても影響はないということ。ですから、私たちはまず日々の生活習慣に問題がないか、生活習慣病をもっていないか、そんなことを見直すということが何よりも大切なのかもしれません。

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

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健康は、健康な朝から始まる

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『健康な朝』です。

健康的な生活をはじめたいなら・・

健康になりたい、普段の生活に健康習慣を取り入れたい、でも何から始めたらいいかわからない。

その結果、毎日のちょっとしたどたばたに追われ、いつもと変わらない生活を余儀なくされているかたは多いと思います。

どんな食事法をとったらいいんだろう?

運動は一日どれくらいするべきなのだろう?

そんなかたにまず、健康意識を高めるために始めて頂きたいこと。

それは、「朝を変える」ということです。

健康な朝とは・・・

今日は、健康な朝を過ごすためのとても簡単なお勧めの方法をいくつかご紹介しますね。

1 いつもよりほんの少しだけ早起きする

朝は黄金の時間、力の時間、と言われています。10分だけでもいつもより早くおきてみる、10分余裕のある朝を過ごす。それだけで朝の過剰な交感神経の緊張を緩めてくれます。

2 朝起きてすぐにSNSやテレビなどを見ない

多くの人がスマホやテレビなどに日常を奪われています。朝起きたとたんに枕元のスマホをいじりだす。すぐにテレビのスイッチを入れる。フェイスブックなどに夢中になり、気が付いたら平気で何十分も経っていた。皆さんもそんな経験があるはずです。あえて目の届かない場所にスマホを置き、テレビの電源をオフにし、ゆっくり過ごすことを心がけるのは脳を落ち着かせることにもつながります。

3 朝の太陽を浴びる

人間は、太古のころより太陽とともに生きてきました。太陽が上がるとコルチゾールというホルモンが分泌され、朝を感じる。夜になるとメラトニンというホルモンが分泌され、眠りの準備をする。

そんなホルモンバランスを整えるための最も大事なこと、最初に行っていただきたいこと、それが朝の太陽を浴び、体に朝を感じさせるということです。

4 深呼吸をしてみる

朝起きた時に、十分な酸素を全身に巡らせるのはとても大切なことです。そしてとても簡単なことです。朝のボーっとした頭に酸素を送り込んで充実した一日の始まりとしましょう

5 自分を勇気づける言葉、ほめる言葉、前向きにする言葉(マントラ)を口にする

人間の脳は、油断すると大半がネガティブな事柄を考えてしまっているといわれています。一日の始まりをネガティブな考えで始めるか、ポジティブな脳で始めるか。そしてポジティブな脳をつくるには、自らを前に進めてくれる言葉を自分に投げかけることがとても良いといわれています。

病気を予防するということ

病気を予防するのは単に薬を飲んで血圧を下げたり、糖尿をよくしたりということではありません。薬はあくまでもあなたの体をよくする手伝いをしているにすぎません。

病気にならない体をつくるために、小さな日常を変えることからはじめましょう。

それが結局は生活習慣病の予防になり、心筋梗塞の予防になり、脳卒中の予防になると思います。

 

 

お酒の飲みすぎと認知症

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『お酒の飲みすぎと認知症』です。

アルコールの飲みすぎは認知症を招くのか?

一流の医学誌、Lancetにフランスの研究チームがなんと約3000万人!!を対象に行った調査があります。

『Contribution of alcohol use disorders to the burden of dementia in France 2008–13: a nationwide retrospective cohort study』

この論文によると、アルコールを過度にとりすぎると認知症の発症リスクが高くなったとのこと。そして早期発症型認知症の発症リスクにアルコール過量摂取が強く関わっていたというのです!

アルコールで認知症リスクが3倍以上に跳ね上がる

この研究結果では、アルコール使用で認知症発症リスクが男性で3.4倍、女性で3.3倍に上昇しているのがみられました。

また、65才以前に発症した早期認知症の発生は認知症全体の5.2%いたのですが、早期認知症の半数以上がお酒の飲みすぎと関連していたというのです。

飲みすぎとはどの程度を指すのでしょうか?

この研究では、アルコールの飲みすぎが認知症発症に強く関わっているのがはっきりしました。

では、どの程度が飲みすぎ、大量飲酒と言えるのでしょうか?

WHO(世界保健機関)は1日当たりのアルコール量を男性で60g、女性で40g以上を大量飲酒としています。

ワインでグラス一杯でアルコール10g以上です。つまり、女性だとグラス4杯のワインを飲み続けることは好ましくない、ということです。

高血圧や喫煙など、生活習慣の乱れも動脈硬化をおこし、認知症の原因になるとも言われています。

認知症予防のために、アルコール制限だけでなく、生活習慣の乱れを防ぐこともとても大事なことですね。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

バーベキューが糖尿病を招く

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『バーべキューが糖尿病を招く』です。

糖尿病予防に大事な食事法

糖尿病の予防の基本に、食事法があるのはみなさんご存知のこと思います。

甘いものの食べ過ぎや飲みすぎ、カロリー過多などが糖尿病をひきおこすことは当たり前の事実です。

また、糖質の摂りすぎが糖尿病をおこすとのことで、糖質を控えめにしてタンパク質ならいいだろう、と肉を気にせず食べている方も多くいらっしゃるかもしれません。

今日、ご紹介する内容は、習慣的に肉を食べているかたが、その料理法で糖尿病の発症リスクが変わる、というものです。

肉の調理法を間違えると糖尿病になりやすくなる

著明な糖尿病に関する医学雑誌の一つ、2018年のDiabetes Care誌に載ったある論文があります。

『Meat Cooking Methods and Risk of Type 2 Diabetes: Results From Three Prospective Cohort Studies』

というタイトルで、『肉の調理法と2型糖尿病のリスク』という意味です。

この研究では、習慣的に肉料理を食べている7895人を対象にした研究です。

これによると、グリルやバーベキューなどの直火で高温で調理した肉料理を月15回以上行う人と、月4回以下しか行わない人の糖尿病発症リスクを比較したところ、月15回以上、つまり2日に1度、高温調理の肉料理を食べる人が、20%も糖尿病発症リスクが上がったというのです。

この研究では、牛肉などの赤身肉、鶏肉の高温料理が糖尿病発症リスクを上げ、魚の高温調理は当てはまりませんでした。

バーベキューや焼き肉調理がおいしいからと言って、食べすぎはやはりよくないということですね。

今回の研究では、特に肉料理のみに糖尿発症リスクが関係していたということです。

肉料理に偏った生活をしている方は、魚料理を積極的に口にする習慣も必要かもしれません。

糖尿病のリスク

糖尿病は、ただ単に糖尿病になることが危険というわけではありません。糖尿病の怖いところはその合併症です。このブログでも何度も書いていますが、糖尿病の最大リスクの一つは動脈硬化です。動脈硬化が引きおこす心筋梗塞や脳卒中は前触れなく突然やってきます。

そうならないための糖尿病予防、そうならないための肉の調理法への考慮、ということですね