こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『血圧はどこまで下げたら良いのか?』という話です。
先日、New England Journal of Medicine誌に、高血圧患者さんに対して血圧を厳格に下げたほうがいいのか?標準降圧でよいのか?に関する研究報告がなされましたので、シェアさせていただきます。
対象者は約9000人。収縮期血圧目標120mmHg未満の厳格降圧群(4,678例)と、140mmHg未満の標準降圧群(4,683例)に分けて調べています。
約3.3年の追跡期間で、心筋梗塞や脳卒中、心不全、心臓血管死としてんのイベント数を調べました。
結果は、イベントの発生は標準降圧群で2.40%/年、厳格降圧群で1.77%/年と20%以上心血管イベントが厳格降圧群で低く、同様に全死亡率も厳格降圧群で20%以上の低下が見られました。
ただ、厳格降圧群が全てにおいてよかったわけではありません。
低血圧、電解質異常、急性腎障害/腎不全、失神などの重篤な有害事象が、厳格降圧群で有意に高頻度だったのです。
確かに血圧を厳格に下げると、死亡率は減りそうです。しかしながら一定の割合で血圧が下がりすぎる人もいる、腎機能が悪くなる人もいるなど厳格降圧は決して完全なものではないということです。
また、血圧管理は基礎疾患によって大きく目標値も変わってきます。
糖尿病や腎臓病、大動脈解離後など、条件次第では厳格な降圧が必須という方もいらっしゃいます。
また年齢によっても目標血圧値を考慮する必要があるかもしれません。
降圧剤を飲んでいらっしゃる方はぜひ主治医の先生と相談し、適正血圧を目指してくださいね
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、不健康な食事と翌日の体調についてのお話です。
みなさんは、夜遅くについ不健康な食事をしてしまうことはないですか?
今回、興味深い研究報告があったのでシェアしますね
対象は97人。この方たちが、前日夜に食べ過ぎた、寝る前にジャンクフード食べてしまったなど、不健康な食事をした翌日の体調との関連について調べています。
その結果、不健康な食事をした翌日には体調不良を抱えている人が多い事が判明しました。
体調不良とは、頭痛や腹痛、下痢などがあったそうです。
また、感情面として翌日には罪悪感などのマイナス感情を抱きやすいことも判明しています。
今回の研究で、なぜ前日の不健康な食事が翌日の体調に影響を及ぼすのか?までは不明確なままです。
しかし、食べすぎに伴う消化不良や、深夜までおきていることでの睡眠不足が体調不良を引き起こしている可能性はありそうです。
一方で不健康な食事とマイナス感情との関連はもう少し複雑です。
言い換えると、不健康な食事がマイナス感情を引き起こしたのか?マイナス感情を持っている人が不健康な食事に走りやすいのか?どちらが原因でどちらが結果なのか?がはっきりしないからです。
ただ、不健康な食事は間違いなく生活習慣病や動脈硬化の原因となり、結果的に心筋梗塞や脳卒中の危険性を高めてしまう可能性があります。
どちらにしても不健康な食事を極力へらす努力はしたほうが良さそうです。
そして、もし昼間に体調が悪いと思ったら、前日の食事を振り返ってみるのも大切ですね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。船橋市の内科、循環器科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は『閉塞性動脈硬化症と運動療法の効果』についてお話します。
閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気はご存知ですか?この病気の多くは下肢の血管の狭窄、閉塞で様々な症状がでる病気です。
例えば、心臓の血管が詰まって心筋梗塞、脳の血管が詰まって脳梗塞という病気はご存知のかたも多いと思います。一方で下肢の血管が詰まって閉塞性動脈硬化症という病気になるということは知らない方も多数いらっしゃるようです。
糖尿病などで、下肢が壊疽を起こしていしまい、下肢切断というケースがありますが、これなどは糖尿病を原因として下肢閉塞性動脈硬化症を起こした結果、招いた病状です。
このように、下肢血管の狭窄や閉塞はしっかりと予防、治療、そして日頃の健康管理が欠かせません。
日頃の健康管理で最も重要なのが下肢を使うこと、すなわち運動です。
では、実際にどの程度の運動をするとよいのでしょうか?
特に一度閉塞性動脈硬化症を発症した場合、そして下肢血管に狭窄が残っている場合など、その後の運動、いわゆる運動療法はとても重要です。
今回、閉塞性動脈硬化症を起こしたかたがどの程度運動すると効果的なのか?についての論文が発表されたのでその点についてお話します。
305例を対象に行われました。
グループは3つに分けられ解析されました。
(1)在宅で行う低強度(虚血性下肢症状を誘発しないペース)の歩行運動群
(2)在宅で行う高強度(中等症~重症の虚血性下肢症状を誘発するペース)の歩行運動群
(3)運動なし(対照群、65例)をそれぞれ12ヵ月間実施
簡単にいうと、グループ1は、対して下肢に負荷がかからない運動、グループ2は下肢が痛くなるほど負荷がかかるグループと考えてください。
6分間歩行距離を計測して、運動の評価を行いました。
そして、12ヶ月経過を観察したところ、高強度の運動負荷であるグループ2の人たちのみが、歩行距離が伸びたのです。
この研究から考えられることは、運動をする場合、やはりある程度の負荷をかけないと、十分効果が得られないどころか全く効果がないということになりかねない。つまり頑張りが報われないということです。
例えば、普段ウォーキングをしている人も、のーんびりとゆっくり歩くのか?それとも速いスピードで頑張って歩くのか?これだけでも効果が変わってくる可能性がるということですね。
運動、頑張りましょう
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『糖尿病における心臓血管自律神経障害』についてお話します。
糖尿病が本当に多くの合併症を起こすことは有名です。心筋梗塞や脳卒中などの大血管障害とは別に、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症が糖尿病の3大合併症と言われています。
腎症が悪くなると透析になることがおきたり、網膜症が悪くなると失明の危険性がでてきたりします。一方で神経症はしびれや感覚鈍化などを引き起こし、痛みを感じづらくなります。その影響で特に足先などに感染した場合にそこに気づかず、下肢の壊疽、切断に至るケースもでてきます。
そして糖尿病性神経障害には自律神経障害もあり、もちろん心臓血管系の自律神経障害もあります。
心臓血管系自律神経障害の症状としては最初全く症状がなく、ただ心拍変動の変化によってのみしか判定できません。
そしてこの障害が進むと様々な症状が出現してきます。
心血管系の症状としては、起立性低血圧、無症候性の心臓発作(心臓発作を起こしても症状がでないために気づきづらい)、安静時の頻脈、失神が含まれます。
心臓血管系以外の自律神経障害は、消化管系、泌尿器系などあり、たとえば胃不全麻痺がおこると嘔吐、大量の食事ができない、下痢といった症状が出やすくなります。
今回、糖尿病や血圧を厳格にコントロールすることで、心血管自律神経障害リスクを低減できる、とした研究が報告されました。この研究はACCOR試験とよばれる大規模臨床研究の事後解析で得られた結果です。追跡平均期間は約5年。糖尿病の数字を表すHBA1c値(ヘモグロビンA1c)が6%未満を目標とした厳格治療を受けた群は、7~7.9%を目標とした群と比較し心血管自律神経障害の発症率が17%も低かったということです。
また、血圧に関しては120mmHg未満を目標とした群では140mmHg未満を目標とした群と比べ心血管自律神経障害の発症率は22%低いと言う結果でした。
もともとのACCORD試験では、厳格な血糖コントロールが患者さんの予後を改善させるのか?ということに対して調査された研究でした。しかしながらこの研究では厳格な血糖コントロールが死亡率をあげてしまったという衝撃的な結果を導くことになりました。
したがって、心血管系自律神経障害を良くする目的で闇雲に全糖尿病患者さんに対して厳格な血糖コントロールを目指すことは間違いです。今後、どの様な患者さんに対して厳格な血糖コントロールをすることが一番効果的で安全なのか、が今後の研究課題と言えると思います。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は『緑茶と心筋梗塞・脳卒中』についてお話します。
まずは心筋梗塞について簡単に復習をしてみましょう。心筋梗塞や狭心症という病気は、心臓に栄養を送っている血管、冠動脈が狭窄ないしは閉塞してしまい、十分な栄養が心筋に到達しない状態を指します。
特に、心筋梗塞の場合は冠動脈の突然の閉塞に伴い、心臓の筋肉が壊死してしまうことがあり、それがもとで不整脈は心原性ショック、心不全、そしてそれが致死的になることもあります。ですから如何に心筋梗塞を起こさないか、そして運悪く一度発症したとしても、どうしたら心筋梗塞の再発を防げるのか?そのために普段どんな生活を送るべきなのか?がとても重要になってきます。
心筋梗塞の殆どは動脈硬化、動脈硬化が起こる原因の殆どは生活習慣の問題です。高血圧やコレステロール、血糖、肥満、アルコール、喫煙、に対する注意はもちろんのこと、動脈硬化を抑制する可能性のある食材に目を向けることも大切です。
もちろん体に良いものは摂るけれども、体に悪いものも遠慮なく摂っていては意味がないですけど。
今回、日本の研究者たちが脳卒中や心筋梗塞御の再発に緑茶が有効という研究報告をされました。
この解析はJACC研究のデータを用いて行われました。1988~1990年に参加登録された40~79歳の4万6,213人を約18.5年追跡しています。
その結果、緑茶の摂取量は、脳卒中または心筋梗塞の既往のある方では、緑茶の摂取頻度が死亡率と逆相関することが判明しました。具体的には、脳卒中既往者では緑茶を飲まない群に比較し、1日に3~4杯飲む群の死亡が56%に減少、5~6杯飲む群では52%、7杯以上飲む群では38%(同0.20~0.71)でした。心筋梗塞既往のある方も同様で、1日に7杯以上飲む群は死亡リスクが47%に減少していました。一方、脳卒中や心筋梗塞の既往のない人では、緑茶摂取量と死亡リスクに有意な関連は認められませんでした。
緑茶に含まれているフラボノイドがこの様な結果をもたらしたのかもしれませんが、詳細までは不明です。
緑茶を多く飲む人と、そうでない習慣の人たちでは生活のリズムに大きな違いがある可能性も否定できません。
ただ、この結果を踏まえ、少なくとも普段の生活習慣に緑茶を積極的に取り入れてみることは悪いことではなさそうです。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は『GI値と心臓病』の関係について、です。
GI値はグリセミック・インデックスの略で、食後の血糖値の上昇度合い、糖分の吸収度合いを数字化したものです。
グルコースを100とし、、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています。
低GI食品を積極的に摂取することで、肥満の抑制や糖尿病の予防につながると言われており、多くの食品メーカーも低GI値の商品を作り出しています。
糖尿病を起こす、肥満を続ける、そういった生活習慣病が動脈硬化を惹起し、心筋梗塞や脳卒中などの引き金になる可能性は高いと思われます。
ただ、GI値と心臓病や心臓血管死などに関連があるのかどうか?この点に関しては科学的なエビデンス、証明されていることが少なく、不明な点がたくさんありました。
今回、カナダ・トロント大学のDavid J.A. Jenkins氏らがGI値の高い食品と心臓血管病の関係について大規模な研究報告をしました。
対象者は20カ国の35~70歳の13万7,851人で、追跡期間の中央値は9.5年でした。
7つに分類された炭水化物食品(豆類、でんぷん質食品、野菜、果物、果実飲料、乳製品、砂糖入り飲料)に基づいて、GI値を調査しています。
その結果、GI値が最も高かったグループと最も低かったグループ比較したところ、心臓血管病の既往があった場合、GI値が高いと心臓血管病のリスクは1.51倍、心臓血管病の既往がない場合、リスクは1.21倍でした。
ということは、高いGI値食品を食べ続けると心臓血管病を起こしたことがない人でもリスクが20%増加、既往がある人はなんと50%以上もリスクが増えるという結果なのです。
今回の研究では、同じ糖質でも内容をかなり考えることで将来の病気のリスクがかなり変わるということです。ただやみくもに全ての糖質を否定する意見もあるようですが、上手な炭水化物の選び方が心臓血管病の危険性を減らしてくれるとも言えます。つまり、日常的に高GI食品を食べていたひとは、低GI食品を食べるように意識するだけで、心臓血管病の危険性を減らせることも予想できます。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『性別と夜間心停止』の話です。
突然の心停止、とても恐ろしいことですが、誰にでも起こりうるものです。
病院外で心停止をおこすと、生存率は10%程度ともいわれており、どんなひとが起こしやすいのか?どう予防していけばよいのか?このことをかんがえるのはとても大切です。
心停止の多くは心筋梗塞と言われています。
ですから、まずは心筋梗塞を起こさないように予防するということが前提です。
御存知の通り、心筋梗塞は心臓の血管である冠動脈が動脈硬化を起こし、突然閉塞してしまうことがその原因と言われています。
では、動脈硬化を起こす原因は、何でしょう?
それはまさに生活習慣の乱れ、でしたよね。
高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満や運動不足、喫煙などが挙げられます。
まずやること、それは心筋梗塞をおこさないために生活習慣を見直すということです。
また、心停止に関しては心筋梗塞だけではなく致死性の不整脈が突然起こることもあり、
どの原因で心停止を起こしたのかはなかなか判別が難しいところもあります。
今回、心停止に関して女性に多いという驚くべき論文が報告されました。
今日は、その論文をご紹介したいと思います。
米シダーズ・サイナイ医療センター心臓研究所のSumeet Chugh氏らによって「Heart Rhythm」に報告、掲載されました。
今回、4216例の心停止例を調べ、その中の918例が夜間(午後10時から翌朝6時)に出現していました。
結果としては、女性の性別であることで夜間心停止のリスクは1.3倍、鎮痛剤や鎮静剤など傾眠や呼吸抑制に関わる薬剤の使用でリスクは1.2倍、慢性閉塞性肺疾患/喘息の存在で1.4倍のリスク増加でした。
このことからいえることは、女性で肺疾患の持病や喫煙歴があるか、鎮痛剤や鎮静剤の服用をされている方は特にハイリスクと考えて良いのかもしれません。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
恐れ入りますが、当院では新型コロナウイルスに対するPCR検査や抗原検査は施行しておりません。
また、クリニックの構造上、発熱の患者さんを十分に受け入れる体制ではなく、直接のご来院をお控えいただくことがあります。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『揚げ物と心臓病の関係』についてお話します。
みなさんも、揚げ物をたくさん食べると健康を害するだろうことはなんとなくイメージが湧くと思います。
でも今までなかなかそのことを科学的に実証した論文は見当たりませんでした。
今回、深圳大学健康科学センター(中国)のPei Qin氏らにより、揚げ物の摂取量と心臓血管病のリスクに関する研究が示されました。この報告は、「Heart」誌に掲載されています。
対象者は約75万人。追跡期間が約9.5年。その間に生じた心筋梗塞や脳卒中などの主要心血管イベントの数、心臓血管死および全死亡との関連を、揚げ物の摂取と検討したのです。
その結果、1週間当たりの揚げ物摂取量が最も多かったグループでは、最も摂取量が少なかったグループと比べて心臓血管イベントのリスクが28%、冠動脈疾患リスクが22%、心不全リスクが37%高いことが判明しました。さらに細かく検討すると、週当たりの揚げ物摂取量が114g増加するごとに、心血管イベントリスクで3%、冠動脈疾患リスクで2%、心不全リスクで12%増加していました。
一方で、心臓血管死亡や全死亡と揚げ物摂取の量には関連は見られなかったとのことです。
この研究からは、なぜ揚げ物をとりすぎると心臓血管病にかかりやすくなるのか?のメカニズムまでは解明できていません。
しかし、報告者らは揚げ物の中に多く含まれるトランス脂肪酸の存在や、揚げることによる炎症性物質の増大、そして揚げ物に多く添えられやすい塩分や糖分の同時過剰摂取などを考察としてあげています。
揚げ物の場合、どんな油で揚げるのか?揚げる時間はどれくらいか?油を使いまわしていないか?油が酸化していないか?など、油だけ考えてもかなり身体に悪い影響を与えかねないと思われます。
揚げ物の肉など、カロリー過多にもなりがちです。みなさんも適度な摂取に止め、過剰摂取は避けましょうね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『心房細動とアルコール摂取との関係』についてお話します。
心房細動は不整脈の一種で、心臓の中の心房という部屋から乱れた電気信号が出ることによって、心臓の脈のリズムが乱れてしまう状態です。
不整脈とは、脈が不整になる、という状態なので、時々脈が飛ぶなども不整脈です。
整な脈が何度か続いた後に、1拍だけ脈が飛ぶような不整脈は、一般に期外収縮と呼ばれるもので、不整脈の中でも一番多いのではないでしょうか?
一方で、今回のテーマになっている心房細動は、不整な電気信号が流れ続けるので、脈はほぼすべての脈で不整、つまりばらばらな脈の状態になります。
心房細動は、強い動悸感を感じる人もいる一方、症状がまったくなく健康診断などでたまたま見つかるケースも多いです。
そして、心房細動にはどんな危険性があるのでしょうか?
最大の危険性は、『血栓』でしょう。心房細動により、心房の中に血栓が出来上がってしまうことがあります。そして、その血栓が脳に飛んでいくと脳梗塞、心臓に栄養を送る冠動脈に飛んでいくと心筋梗塞。足に飛んでいくと下肢の血管の閉塞、腹部の内臓に飛んでいくこともあります。
もちろん血栓が飛びやすい人、飛びにくい人はいますし、すぐに治療が必要な人もいればしばらく経過をみるだけという人もいます。
でも、できるなら心房細動、始まらないほうがいいですよね。
今回、飲酒と心房細動発生にどんな関係があるのか?を研究した論文が発表されました。
ドイツのSchnabel氏らによる今回の研究は、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、イタリアの約10万人を対象にしたもので、対象者の平均年齢は47.8歳で、48.3%が男性でした。
13.9年に及ぶ追跡期間中に5,854人が心房細動を発症したとのことです。
解析の結果、1日1杯のアルコール摂取(アルコール12gに相当)で心房細動発症のリスクが16%上昇していました。また、この傾向はアルコールの摂取量が増えるほど強まり、心房細動リスクは1日2杯の摂取で36%、1日3杯の摂取で52%、そして1日4杯以上の摂取ではなんと59%も上昇していたのです。
この研究から、アルコールが心臓の敵だ!と判断するのは早すぎます。他の論文などでは、適度のアルコール摂取が心臓病の危険をへらす、ともいわれています。
今回の論文では、あくまでもアルコールをたくさん飲むと心房細動の新規の発症が多かったという報告です。どちらにしても深酒は避けたほうがいい、ということは言えるかもしれませんね。
心房細動は、症状がない方もいますし、血栓の危険性が高い人もいます。特に生活習慣病を抱えていたり、高齢の方であればその危険性は高まります。
普段から、検診などでの心電図チェック、生活習慣病の管理や動脈硬化の検査など、意識を向けましょうね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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