こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、高血圧と大気汚染の関係についてお話します。
高血圧は、御存知の通り、生活習慣病の一つです。
多くの人は、高血圧に対して注意をしているものの、そもそも高血圧が続くことでどんなことが起こり得るのか?本当の高血圧の怖さについてご存知ありません。
高血圧がおこるとどんな事が起こるのでしょうか?
高血圧は、血管の中の圧力が高い状態です。血管はホースのようなものなので、その中を高圧で水が流れ続けている状況を想像していただくと良いかもしれません。
パンパンに張った水道ホース、この状態が長く続くとホーズはどうなると思いますか?
ホースに亀裂が入ってきたり、ガタが来ますよね?
血管でいうと、固くなると同時にもろくなってきます。
この状態を動脈硬化と呼びます。
動脈硬化の血管は固くて脆いのです。そして詰まりやすく、切れやすく、破裂しやすくなるのです。
固くなり、動脈硬化を起こした血管には、内側の壁にプラークと呼ばれるコレステロールを始めとした物資圧が沈着していきます。沈着量が多くなると、血管の中が狭くなってしまい、最終的に詰まってしまうわけです。
血管が細くなっても症状がまったくないことが殆どで、そのために突然心臓の血管がつまる心筋梗塞や頭頸部の血管が詰まる脳梗塞を発症し、話を聞いてみると高血圧をしっかり治療していなかったケースがあります。
つまり、高血圧をコントロールするということは、その先の動脈硬化を予防する、更に先の血管のつまりなどの命に関わる病気を予防することにつながるのです。
高血圧が原因でおこる病気はたくさんあります。今日はそのうちの一つをお話します。
それは、大動脈解離という病気です。
大動脈とは、心臓から全身に血液を送る幹のような血管で、背骨の脇を走行しています。
大動脈から多くの枝が分岐して、脳血管や肝臓・腎臓などの腹部臓器、手足へと血液が運ばれます。
そのおおもとの血管を考えてください。
高血圧があると、このおおもとの血管。大動脈が常に高圧にさらされた状態になります。
大動脈は固くなり、もろくなっていきます。
その状態が長く続くいても実は全く症状がありません。ですから血圧が高くても調子が良いから大丈夫、などとたかをくくる人が大勢います。
しかし、その浦では着々と大動脈の動脈硬化がすすんでいるのです。
そしてある日・・・・
突然大動脈が『ビリビリ!!』と裂けてしまうのです。
大動脈が裂けると、脳への血管が裂けて脳卒中、心臓への血管が裂けて心筋梗塞、脊髄への血管が裂けて下半身麻痺、腸への血管が裂けて腸管壊死、足の血管が裂けて下肢の壊疽・・・など大変多くの合併症が起こり、運が悪いと病院にたどり着くことさえできず、いわば突然死を起こしてしまうわけです。
こんな病気をおこしてから、『ああ、高血圧にもっと気をつけていれば。。。』といったところで後の祭りなわけです。
では、どうすれは高血圧を予防できるのか?
これは生活習慣をみなおすことにつきます。
塩分を控える、カロリー過多の食事を控える、有酸素運動のような運動を定期的に取り入れる、睡眠を十分にとり、ストレスを溜めない生活をおくる。
大変かもしれませんが、やればやるだけあなたの健康度はどんどん上がっていき、結果的に病気に負けない強い体をつくれます。
そんな中、最近高血圧と大気汚染の関係についての論文が発表されました。
これまで、黄砂と喘息発作や急性心筋梗塞の発症との間に関係があることは知られていたものの、黄砂飛来の血圧への影響は不明でした。
最近、京都大学を中心としたチームが約10年追跡調査をし、血圧上昇と黄砂についての関係を調査した研究が報告されました。対象はおよそ30万人にものぼります。
『Association of short term exposure to Asian dust with increased blood pressure』
その結果、黄砂飛来日には血圧が上昇するという結果が得られたのです。
また、非喫煙者に比べて喫煙者において黄砂飛来日での血圧上昇幅が多かったとのことでした。
著者らは、黄砂への曝露を避けることは、健康な成人の高血圧発症の予防に有用な可能性がある、と考察されています。
高血圧を患っている方は、ただ血圧を管理するだけで満足していてはいけません。
大切なことは、動脈硬化が進行していないか?血管が詰まりかけいるところはないか?
そういった観点からの定期チェックが欠かせないのです。
頸の血管エコー検査をすれば、血管の壁に動脈硬化のプラークが形成されていないか、すぐわかります。
運動負荷心電図で、心臓の虚血状態が簡便に予測できます。
ABI検査で下肢の血流が把握できます。
ぜひ、定期チェックに目を向けてみてくださいね
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『高齢者へのコレステロール低下薬投与の有効性』についてお話します。
健康診断などで、コレステロールが高い指摘されたことがある方は多くいらっしゃると思います。
コレステロールは動脈硬化のプラーク形成の要因として槍玉に挙げられる一方、ホルモンの合成の原材料になるなど生命維持に欠かせないものでもあります。
御存知の通り、コレステロールには善玉のHDLコレステロールと、悪玉のLDLコレステロールが存在します。特に騒がれるのが、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールです。
多くの研究からLDLコレステロールが高値を示すことが、心血管疾患の危険性が増加させると報告されています。
LDLコレステロール値にはある目標値が存在します。
以下は、日本動脈硬化学会のホームページに載っている脂質の表です。
これによると、LDLコレステロールが140mg/dlを超えると脂質異常と記載されています。
では次に、どんな人がどんなタイミングで脂質低下薬を使う必要があるのでしょうか?
ここで、1次予防と2次予防という考え方が必要になってきます。
1次予防とは、まだ狭心症や心筋梗塞などの心臓血管病に罹患したことがない人が心臓血管病と予防すること。
2次予防とは、心臓血管病に罹患したことがある人が再び心臓血管病にかからないように予防すること。
想像できると思いますが、1次予防よりも2次予防のほうがLDLコレステロールをしっかり下げておかないといけません。なぜならば心臓血管病の既往があるということは、LDLコレステロールが血管をつまらせた原因の一つと考えられる、だからこそしっかりとLDLコレステロールを下げないといけないと考えられるからです。
では、心臓血管病の既往がない人に、脂質低下薬は効果があるのでしょうか?LDLコレステロールがどこまで上昇したら飲み始める必要があるのか?
そして、特に高齢者への脂質低下薬内服による1次予防の効果はまだはっきりしていない部分があります。
最近、75歳以上のアメリカ退役軍人を対象に、スタチンと呼ばれる代表的なコレステロール低下薬が、心臓血管病の1次予防に有効かどうかの研究報告がなされ、研究の成果は、JAMA誌2020年7月7日号に掲載されました。
『Association of Statin Use With All-Cause and Cardiovascular Mortality in US Veterans 75 Years and Older.』
『75歳以上の米国退役軍人におけるスタチン使用と全死因および心血管死亡率との関連性』
32万6,981例(平均年齢81.1歳)が解析に含まれ、このうち試験期間中に5万7,178例(17.5%)が新たにスタチン治療を開始しています。平均フォローアップ期間は6.8年でした。
その結果、全死亡率がスタチン投与群で25%低下し、心血管死亡率も20%低下したことが判明しました。
一方で心筋梗塞や虚血性脳卒中の発生率には2群間で差を認めなかったものの、冠動脈バイパス術や冠動脈ステント術の血行再建治療を受けた数は、スタチン内服群で有意に減少していたとのことでした。
改めて研究結果から高齢者にスタチン投与は本当に必要と言えるか考えてみたいと思います。
多くの研究にいえることがありますが、研究には対象患者さんの背景の違いがあります。
今回の場合だと、アメリカ人へ効果が出たと言えることが、日本人にそのままあてはまるのか?
そして、生活習慣の背景も違います。
おそらく、今回の対象には多くの肥満者が含まれていることが容易に想像されますし、食生活もファーストフードなどの摂取頻度も多そうです。
ということは、高齢者の心臓血管病1次予防にスタチンが効果がある人はいる。しかし、あらゆる75歳以上の方にスタチンが必要なのか?に関しては今回の研究からは残念ながら読み取れないと思います。
基本的な生活習慣をしっかりとさせ、運動も定期的に行い、LDLコレステロールも定期的にチェックしながら動脈硬化が進行していないか?を医療機関などで定期的に検査する、ことが必要ですね。
動脈硬化の有無を見る上で、頸動脈エコー検査とABI(上肢下肢血圧測定)検査はとても有用ですので、受けられたことがない方は是非受けることをおすすめします。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を複数の医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『糖尿病と緑茶とコーヒー』についてです。
緑茶には様々な健康効果があることが多くの研究からすでにわかっています。
例えば、東北大大学からの調査では、緑茶と認知機能障害の関係について報告しています。
その報告によると、「緑茶を1日2杯以上飲む人は、週3杯以下の人に比べて認知障害になりにくい」というものでした。記憶力の衰えは脳の神経細胞が活性酸素で傷つくことが原因の一つだと考えられており、緑茶に含まれるカテキンは活性酸素の働きを抑えたり、神経細胞が傷つくのを防いだりする効果があると言われています。
同様に、緑茶を1日5杯以上飲むと、1日1杯未満の人に比べて脳梗塞の死亡リスクが低下するという報告もあります。
緑茶とがんに関わる報告も多々あります。一部を紹介すると・・・
緑茶と心臓病や脳卒中への効果ももちろん謳われています。
国立がん研究センターなどが実施している「JPHC研究」では、緑茶を1日1杯未満飲むグループと、1日3〜4杯摂取したグループと1日5杯以上摂取したグループを比べたところ、心疾患の死亡リスクは、それぞれ男性で26%、女性で26%低下し、脳血管疾患の死亡リスクは、男性で29%、14%低下したと報告しています。緑茶に含まれるカテキンが血圧などの生活習慣病リスクを改善する効果をもち、緑茶に含まれるカフェインが血管内皮の修復を促すのではないかと考察しています。
もちろん、緑茶と糖尿病の関係も研究されています。
1日に緑茶を6杯以上飲む人は2型糖尿病の発症率が大幅に低下することが、「JACC研究」で明らかになっています。この研究では、緑茶を1日6杯以上飲む人では、週1杯以下の人と比べ、糖尿病の発症率が33%少なかったというものでした。 緑茶に含まれるカフェインや、またEGCGなどのカテキンの抗酸化作用により、インスリン抵抗性の改善を起こした可能性があると言われています。
このように、緑茶の健康効果は素晴らしいものです。
コーヒーに関しては、その是非が様々なところで論議されています。
ここでは、いくつかの健康効果についてお話します。
コーヒーの心臓病・脳卒中低減効果を研究した報告があります。
国立がん研究センターのグループは習慣的にコーヒーを飲む人は、心臓病、脳卒中、による死亡リスクが低下するという報告をしました。炎症を予防する効果のあるカフェインと、酸化を防ぐ効果のあるポリフェノールの相乗効果によると考えられています。コーヒーに含まれるクロロゲン酸が体内でフェルラ酸という成分に代謝されるのですが、このフェルラ酸が血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにしてくれ、脳梗塞や心筋梗塞を防いでくれる可能性があると考えられています。
海外からの報告では、1日に2〜4杯飲んだ人は、コーヒーを飲まなかった人と比較して、死亡のリスクが18%低くなったというものもあります。
日本人でコーヒーを1日3杯以上飲む人は、脳腫瘍を発症するリスクが低いという研究報告もあります。
一方でコーヒーのデメリットもあります。
例えばカフェインの過剰摂取。カフェインの興奮作用によって、不眠や精神不安定などの可能性が言われています。また、タンニンが鉄分と結びついて貧血を起こす可能性もありえます。
今回、緑茶とコーヒーを適度に摂取することが糖尿病患者さんにとっていいかもしれない、という報告がなされました。
『Additive effects of green tea and coffee on all-cause mortality in patients with type 2 diabetes mellitus: the Fukuoka Diabetes Registry』
対象者は、日本人の成人2型糖尿病患者4,923人。平均年齢は66歳で、男性が2,790人、女性が2,133人。平均5.3年間追跡し、死亡リスクが緑茶やコーヒーの摂取でどの程度軽減するかを検討しています。
その結果が以下のようになりました。
緑茶を飲まない人に対し、1杯/日以下の緑茶摂取で死亡リスクは15%低下、2~3杯/日で27%低下、4杯/日以上で40%低下しました。
コーヒーに関しては、飲まない人に対し、1杯/日未満のコーヒー摂取で死亡リスク12%低下、2杯/日で19%低下、2杯/日以上で41%低下しました。
そして、緑茶とコーヒーの相乗効果に関しては、緑茶とコーヒーをともに飲まない人に対し、2~3杯/日の緑茶+2杯/日以上のコーヒーで死亡リスクは51%低下、4杯/日以上の緑茶+1杯/日のコーヒーで58%低下しました。また、4杯/日以上の緑茶+2杯/日以上のコーヒーでなんと死亡リスクは63%も低下したのです。
そしてこの研究チームは、今回の研究の限界としてこの研究が観察研究であり因果関係には言及できないこと、および家族歴など、結果に影響を与える可能性のある因子が全て調整されているわけではないことを挙げています。
糖尿病は、ありとあらゆる合併症を起こしうる病気です。
心筋梗塞や脳卒中、閉塞性動脈硬化症などの心臓血管病、3大合併症といわれる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、など。
糖尿病の管理は血糖の管理だけではありません。糖尿病の管理はむしろ血管の管理と言えるかもしれません。循環器専門医のもと、頸動脈エコーや心臓エコー、運動負荷心電図、ABIなどの専門的な血管検査を定期的にうけることが糖尿病の合併症を減らす上で、非常に大切な要素だと思います。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は高血圧に関する話です。
高血圧は、生活習慣病を代表するものの一つです。高血圧が続くと、動脈硬化が進みます。
動脈硬化が起きると血管の中にプラークと呼ばれる塊が増殖し、血管の内腔を狭くしてしまいます。
また、血管の壁を脆弱にしてしまい、破れてしまうこともあります。
血管の内腔が狭くなり、閉塞すると心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。
血管がもろくなり、破れてしまうと脳出血や大動脈解離などを起こします。
高血圧は症状が出ないまま全身の血管にダメージを与えていくので、自分は血圧が高いけど全く症状がないから大丈夫だ!と思いこむのはとても危険です。
では、高血圧を予防するために一体どうすればよいのでしょうか?
皆さん、御存知と思いますが、何よりもまずは塩分制限が必要となります。
日本人の塩分摂取量はもともと多く、日本高血圧学会では、高血圧患者さんの塩分摂取量を1日6グラム以下とすることを推奨しています。
そもそも塩分を過剰に摂取するとなぜ血圧が上がるのでしょうか?
それは、浸透圧という概念が必要となってきます。
塩分に含まれるナトリウムを多く摂ると、血液の濃度が高くなるため、浸透圧を一定に保とうとする働きで血液中に水分が増える。そして水分だけが増えることはなく、水分と同時に血液量も増えるため、血管壁にかかる負担が大きくなり、血圧が上がるというものです。
では塩分さえ制限すれば血圧は上がらないのか?というとそうでもないところがややこしいところです。
そこには遺伝や腎血管性高血圧などの2次性高血圧、本態性高血圧、食事量の問題、薬の副作用などで血圧が上昇することもあります。
ですから闇雲に塩分さえ制限すれば大丈夫、ということではありません。
最近、減塩していても高血圧が持続するグループでは腸内細菌叢に違いがるのではないか?という研究発表が日本からなされました。
『Impact of Gut Microbiome on Hypertensive patients with Low-Salt Intake:Shika Study Rresults』
対象は239人の日本人です。この方たちを腸内細菌叢によって2つのグループに分け、更に食塩摂取量が多い人達と少ない人達に分け、それぞれ比較検討しています。
その結果、高血圧有病率は、食塩摂取量が多い群のグループ1では49.4%、グループ2では46.7%であり、有意差は見られませんでした。一方、食塩摂取量が少ない群では、グループ1が47.0%、グループ2では27.0%であり、群間に差が認められたのです。
つまり、グループ2の腸内細菌叢を持っている人たちは塩分制限による血圧低下の効果が期待され、グループ1の腸内細菌叢を持っている人たちは、塩分制限による血圧低下の効果があまり期待できないということだったのです。
ちなみに、かなり専門的ではありますが、グループ1の腸内細菌はグループ2に比べ、Blautia、Bifidobacterium、Escherichia-Shigella、Lachnoclostridium、Clostridium sensuという種類の微生物の割合が低いという結果が得られたということも記載しておきますね。
今までは高血圧というと塩分制限というところにばかり目がいっていましたが、今後は高血圧患者さんに対しての腸内細菌叢へのアプローチ、腸内細菌を見据えた食事指導などが必要になってくるかもしれませんね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、「腹部肥満」についてお話します
腹部肥満といういいかたよりも、メタボリック症候群という言葉のほうが、
多くのかたにとって馴染みのあるものかもしれません。
腹部肥満は、かんたんに言えばウエスト周囲長のことです。
これは、いわゆる肥満とどう違うのでしょうか?
肥満の指標としてよく計測されるものにBMIがあります。
BMIはボディマス指標と呼ばれ、体重÷(身長m)÷(身長m)で計算されるものです。
日本肥満学会では、BMIが25を超えると肥満として定義されています。
BMIは体全体の肥満度を示し、腹部肥満は腹部に限定した肥満を表していると言えます。
BMIと腹部肥満、どちらのほうが将来の病気のリスクをより正確に予測してくれるのでしょうか?
実は、ウエスト周囲長が増えると、多くのリスクが高くなる、という大規模研究のデータが今回明らかにされました。
『Central fatness and risk of all cause mortality:systematic review and dose-response meta-analysis of 72 prospective cohort studies』
トロント大学(カナダ)のTauseef Ahmad Khan氏らによる大規模研究データです。
腹部肥満と死亡率の関係を検討した英語論文を検索し、適格基準を満たした72件の前向きコホート研究が抽出されました。
参加者は、アメリカを始めとする欧米、アジア、そして勿論日本からの参加者も含まれており、
合計252万8,297人、追跡期間は3~24年です。
研究の結果、ウエスト周囲長が10cm増えるごとに、早期死亡のリスクが11%も増大することがはんめいしました。
一方、大腿周囲長は5cm増えるごとに、早期死亡のリスクは18%減少することもわかりました。
BMIでは筋肉と脂肪を区別がはっきりとできないこと、そして脂肪がからだのどの部位に蓄積しているかも不明確です。一方、今回の研究から、腹部に蓄積した過剰な脂肪は、体脂肪を全身的に評価したBMIよりも死亡リスクと強く関連していることが明らかになったのです。
腹部肥満は、ある程度内臓脂肪を反映していると考えられます。
内臓脂肪を形成している脂肪細胞には様々な役割があります。
肥満の方の脂肪細胞からは多くの炎症性物質が分泌され、インスリン抵抗性をも引き起こします。
ここで、かんたんにインスリン抵抗性についての説明をさせていただきます。
インスリンとは膵臓から分泌される血糖値を低下させるホルモンです。具体的には肝臓や脂肪組織、骨格筋などの糖代謝を高める働きがあります。
ところが、インスリン抵抗性の状態になると、組織でのインスリンに対する反応が鈍くなり、インスリンの効きが悪い状態が続きます。これが持続していくと、血糖値がなかなかさがらない状況、つまり血液中の糖がどんどん増えていく病気、糖尿病を引き起こしていしまいます。
そして、これらの炎症やインスリン抵抗性が動脈硬化などを進行させ、心筋梗塞や脳卒中へと陥ってしまいます。
今回の研究チームらは、「BMIばかりを気にするのではなく、腹まわりをもっと気にするべきだ」と主張しています。
内臓脂肪を減らしたほうが良い、大腿部(太もも)の筋肉を増やしたほうがいい、ということはわかりましたね。
では、どうやったら内臓脂肪は減らせるのでしょうか?
当たり前過ぎるアドバイスかもしれませんが、やっぱり運動と食事、之しかありません。
運動するにしてもどんな運動が良いのでしょうか?
これは筋トレと有酸素運動の組み合わせが一番です。
膝が悪くなければスクワットなどの大腿部を鍛える筋トレを行い、それとは別に30分ほどの有酸素運動を行ってほしいのです。
有酸素運動とは、散歩や軽いジョギングで構いません。
週5回できれば理想ですが、まずは週1回でもいい、5分の散歩でもいい、大事なことは始めることです。
食事に関するアドバイスもさせていただきます。
肥満を起こす食事、これは消費するエネルギーより摂取するエネルギーが多すぎるからです。
特に砂糖は大幅に肥満を引き起こしますので注意が必要です。
腹8分目で食べすぎないこと、甘いものや単純炭水化物(白米や白いパン)をたべすぎないこと、が大事です。
そして、できるなら生活習慣の他の分野も改善できると良いです。
それは、睡眠時間の確保、禁煙、控えめなアルコール、などです。
難しいと思わずに、できることから何でも良いのではじめてみてください。
今日から変わってやる!という決断ですよ~
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『心筋梗塞と怒りの関係』についてお話します。
心筋梗塞とは、心臓に栄養を送る血管「冠動脈」が閉塞してしまい、心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。
冠動脈が詰まってしまう原因には動脈硬化があります。
動脈硬化の原因には、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、運動不足、などとともにストレスも原因となります。
心筋梗塞を予防するためには、いわゆる生活習慣病を防ぐための食事管理とともにストレス管理も重要になってきます。
今回、ストレスの代表格、怒りの感情が心筋梗塞の再発にどんな影響を及ぼしているのか?についての研究報告がなされましたので、お知らせいたします。
「Hostility predicts mortality but not recurrent acute coronary syndrome」
対象者の総数は2,321人、平均年齢は67歳、68%が男性でした。
不安・抑うつ・敵意の3項目があるかないかを質問表で聞き取り、57%に攻撃性が有ると判断されています。
その後、24ヶ月を追跡調査し、心筋梗塞の再発率が攻撃性性格の有無と関連があるか?を調査したのです。
その結果、攻撃性は明らかに心筋梗塞の再発率を上げる!という結果が得られたのです。
この論文の筆頭論者であるTracey Vitori氏は、次のように語っています。
攻撃性は性格特性の一つであり、皮肉っぽい、偏屈である、怒りやすい、短気である、激昂しやすいなどがこれに当てはまる。そして、攻撃性は、ある人の他者との関わり方で出現するものである、と。
心筋梗塞を予防するために、塩分を控えて血圧をあげない。脂質を控えてコレステロールをあげない。糖分を控えて糖尿病を防ぐ。運動や睡眠など規則正しい生活に心がける、そんな当たり前のこと以外に、もし攻撃的な言動や行動があるとしたら、そこに対してどう取り組んで行くべきか?ということも非常に大切だということがこの研究からわかりますね。
心筋梗塞の予防のため、心筋梗塞の合併症予防のためにもう一つ大事なことがあります。
それは、定期的に動脈硬化が起こってないか?心臓の機能が悪くなっていないか?を検査することです。
心筋梗塞後の心臓機能については、一番効果的な検査が心臓超音波検査です。残念なことに、多くの心筋梗塞の既往の有る方が、定期的に心臓超音波検査を受けていません。何も胸部症状がなくても、この大事な検査は欠かさないように心がけてください。
心筋梗塞は、心臓の血管・冠動脈が詰まってしまうものだ、という話を前半にしました。
この冠動脈は実は3本の血管から成り立っています。心筋梗塞を起こしたときは、この3本のうちの1本がつまってしまったことになります。そして、1本が詰まったということは、残り2本も今後詰まってしまう可能性、動脈硬化が進行してしまう可能性が有るのです。
冠動脈の動脈硬化、すなわち冠動脈の狭窄が進行していないか?これを簡便に見極める定期検査を必要になります。
それが心電図です。
しかし、健康診断などで行っている安静時心電図ではありません。
運動をしていただき、心電図をとるという運動負荷心電図が必須となります。
安静時の心電図をとっただけで安心してしまうのは早計なのです。
心筋梗塞は、心臓の冠動脈が動脈硬化で詰まってしまった病気。
しかし、動脈硬化は心臓だけに来るわけではない、ということはみなさんもわかりますよね。
心筋梗塞を起こした人は、脳血管の動脈硬化も進んでいる可能性もあるし、手足の血管が詰まっていることもあります。
首の血管に詰まりがないか、頸動脈エコーをおこなったり、足の血管につまりがないかABIという検査を行ったり。本当にやることはたくさんあるのです。
動脈硬化は心臓だけの病気ではありません。動脈硬化は全身病です。
普段の生活習慣に注意し、定期的な検査をうけ、そして攻撃的な行動をひかえる。
心筋梗塞を起こしたあとだからこそ気づく健康の大切さ、がきっと有ると思います。
もう一度、今の自分の生活を見直してみてくださいね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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今日のテーマは「糖分とコーヒー」です。
甘いものが大好きだけど、ついついとりすぎてしまい、あとあと後悔の念にかられるひとはきっと多いことでしょう。
甘みにはある意味中毒性もあり、どんどん甘みを感じたい欲求が出てしまいがちです。
おかしなどの甘みが物足りない!と思っているあなたへ朗報です。
どうやらコーヒーがその問題解決に役立ちそうなのです。
オーフス大学(デンマーク)のAlexander Fjaeldstad氏らが、156人のボランティアを対象に、コーヒーを飲む前後での味覚の変化を研究報告しました。
「Chemosensory Sensitivity after Coffee Consumption Is Not Static: Short-Term Effects on Gustatory and Olfactory Sensitivity」
156人中、101人にはカフェイン入りのコーヒーを飲んでもらい、55人にはカフェイン抜きのコーヒーを飲んでもらい、その前後で甘みの感度を調べました。
その結果、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ前後で統計学的似有意に甘みへの感度が増しました。
一方、カフェインを抜いたコーヒーを飲んだグループでも、同様の結果が得られたのです。
この研究では、同時に塩味や酸味、嗅覚の変化も調査していたのですが、それらに関してはコーヒー摂取の前後で特に変化は見られませんでした。
一方、苦味に関してはカフェイン入りコーヒーでもカフェイン抜きコーヒーでもコーヒー摂取後の苦味感覚は減弱していました。
この研究の筆頭論者は以下のように語っています。
「この作用はおそらくコーヒーに含まれる苦味成分によってもたらされるのではないか。コーヒーと一緒にダークチョコレートを食べると、チョコの苦味が減り甘さが増すのはそのためだろう」と。
人々がどうやって砂糖の摂取量を減らし、健康的になれるのか?は極めて重要なテーマです。
多くの食べ物には安易に砂糖が使われています。
砂糖は高血糖を引き起こし、糖尿病を誘発し、動脈硬化へと進行させ、心筋梗塞や脳卒中などの命をも奪いかねない病気の原因になります。
甘いものへの欲求が強い時にはコーヒーを飲んでから食べるようにするだけで、糖分の摂取量が減るとしたら素晴らしいと思いませんか?
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
最近、糖尿病に関する薬がかなり増え、患者さんにあった薬を選択できるようになっています。
その中でもSGLT2阻害薬という薬は、糖尿病に限らず、心臓病に関しても良い効果を及ぼしているようだ、との報告が見られています。
今日、お話する論文は、1年という短期間でSGLT2阻害薬が他の糖尿病薬(DPP4阻害薬)と比べ、大幅に心臓病リスクを低減した、という報告です。
大規模なリアルワールド観察試験で、対象患者さんは20万人超というかなり多くの方です。
平均追跡期間は0.9年、SGLT2阻害薬とDPP4阻害薬のグループごとに、心筋梗塞や心臓血管死亡の発生頻度を比較検討しています。
その結果、心筋梗塞を発症した割合は18%低下、心臓血管死は40%低下、心不全は57%低下、と明らかにSGLT2阻害薬で心血管イベントを抑制できるとの結果でした。
今後も多くの研究が報告されていくと思います。
これからも我々医療者は、各々の患者さんに最も良いと考えられる薬の選択に努めていきたいと思います。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ全員が循環器専門医資格を有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、肥満に関するお話です。
最近、若い人での肥満者をよく見かけますよね。
血液検査などでは特に異常もないし、体調もよいことから肥満を改善せずに生活し続けるとどんなことが起こりうるのでしょうか?
肥満の人が早期に減量することによって、早期死亡のリスクが大幅に減少することが判明した研究報告がなされました。
アメリカの研究です。対象患者約2万人をおそよ10年追跡調査しています。
その結果、BMI30以上の肥満の人、そしてBMI25以上の過体重の人が中年期までに普通体重に減量できれば、早期死亡率が12.45減少することが判明しました。
この研究は、特に肥満者の多いアメリカからの報告ですので、日本人にどこまで当てはまるかは不明ですが、少なくとも若いうちから肥満状態を続けていると、中年期以降に大きな病気にかかりやすい、そのためには中年になってから体重コントロールを始めても、もはやリスクを減らすには間に合わない可能性も有るということです。
みなさんも、肥満を甘く見ないでくださいね
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ全員が循環器専門医資格を有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
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