こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『性別と夜間心停止』の話です。
突然の心停止、とても恐ろしいことですが、誰にでも起こりうるものです。
病院外で心停止をおこすと、生存率は10%程度ともいわれており、どんなひとが起こしやすいのか?どう予防していけばよいのか?このことをかんがえるのはとても大切です。
心停止の多くは心筋梗塞と言われています。
ですから、まずは心筋梗塞を起こさないように予防するということが前提です。
御存知の通り、心筋梗塞は心臓の血管である冠動脈が動脈硬化を起こし、突然閉塞してしまうことがその原因と言われています。
では、動脈硬化を起こす原因は、何でしょう?
それはまさに生活習慣の乱れ、でしたよね。
高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満や運動不足、喫煙などが挙げられます。
まずやること、それは心筋梗塞をおこさないために生活習慣を見直すということです。
また、心停止に関しては心筋梗塞だけではなく致死性の不整脈が突然起こることもあり、
どの原因で心停止を起こしたのかはなかなか判別が難しいところもあります。
今回、心停止に関して女性に多いという驚くべき論文が報告されました。
今日は、その論文をご紹介したいと思います。
米シダーズ・サイナイ医療センター心臓研究所のSumeet Chugh氏らによって「Heart Rhythm」に報告、掲載されました。
今回、4216例の心停止例を調べ、その中の918例が夜間(午後10時から翌朝6時)に出現していました。
結果としては、女性の性別であることで夜間心停止のリスクは1.3倍、鎮痛剤や鎮静剤など傾眠や呼吸抑制に関わる薬剤の使用でリスクは1.2倍、慢性閉塞性肺疾患/喘息の存在で1.4倍のリスク増加でした。
このことからいえることは、女性で肺疾患の持病や喫煙歴があるか、鎮痛剤や鎮静剤の服用をされている方は特にハイリスクと考えて良いのかもしれません。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
恐れ入りますが、当院では新型コロナウイルスに対するPCR検査や抗原検査は施行しておりません。
また、クリニックの構造上、発熱の患者さんを十分に受け入れる体制ではなく、直接のご来院をお控えいただくことがあります。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『揚げ物と心臓病の関係』についてお話します。
みなさんも、揚げ物をたくさん食べると健康を害するだろうことはなんとなくイメージが湧くと思います。
でも今までなかなかそのことを科学的に実証した論文は見当たりませんでした。
今回、深圳大学健康科学センター(中国)のPei Qin氏らにより、揚げ物の摂取量と心臓血管病のリスクに関する研究が示されました。この報告は、「Heart」誌に掲載されています。
対象者は約75万人。追跡期間が約9.5年。その間に生じた心筋梗塞や脳卒中などの主要心血管イベントの数、心臓血管死および全死亡との関連を、揚げ物の摂取と検討したのです。
その結果、1週間当たりの揚げ物摂取量が最も多かったグループでは、最も摂取量が少なかったグループと比べて心臓血管イベントのリスクが28%、冠動脈疾患リスクが22%、心不全リスクが37%高いことが判明しました。さらに細かく検討すると、週当たりの揚げ物摂取量が114g増加するごとに、心血管イベントリスクで3%、冠動脈疾患リスクで2%、心不全リスクで12%増加していました。
一方で、心臓血管死亡や全死亡と揚げ物摂取の量には関連は見られなかったとのことです。
この研究からは、なぜ揚げ物をとりすぎると心臓血管病にかかりやすくなるのか?のメカニズムまでは解明できていません。
しかし、報告者らは揚げ物の中に多く含まれるトランス脂肪酸の存在や、揚げることによる炎症性物質の増大、そして揚げ物に多く添えられやすい塩分や糖分の同時過剰摂取などを考察としてあげています。
揚げ物の場合、どんな油で揚げるのか?揚げる時間はどれくらいか?油を使いまわしていないか?油が酸化していないか?など、油だけ考えてもかなり身体に悪い影響を与えかねないと思われます。
揚げ物の肉など、カロリー過多にもなりがちです。みなさんも適度な摂取に止め、過剰摂取は避けましょうね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『寒いところでの運動と脂質改善効果』の話です。
脂質異常症は、動脈硬化や心臓血管病の危険因子の一つです。脂質の中のLDL コレステロールが極めて高値になると、心筋梗塞のリスクが高くなるのはもはや多くの人が知っていることと思います。
特に、酸化した脂質は非常に毒性が高く、容易に動脈硬化を形成していきます。そのためには脂質を酸化させない、そしてそのためには酸化している食材を控える、抗酸化食材を摂る、などが大切です。
しかし、血液中の脂質の数字をみても、どれくらい酸化しているのか判断できませんし、体内に蓄積している脂肪組織のどれくらいの割合が悪さをしているのか?もわかりません。そう考えると、そもそも私達は体内の脂肪組織をへらすことは必要なの?という疑問も湧いてしまいます。
しかし、体内の脂肪組織量をへらすことには別の面から違った意義があります。
それは、脂肪組織から分泌される生理活性物質です。脂肪組織には本当にたくさんの役割があり、体温維持や栄養の貯蔵庫だけではありません。脂肪組織はアディポネクチンと呼ばれる、動脈硬化の抑制に非常に効果を示す物質を分泌します。しかしながらややこしいことに、アディポネクチンは小型化した脂肪細胞から分泌されます。つまり、肥満体型のような方の脂肪細胞からはアディポネクチンは分泌されづらいのです。
そういったことからも、体内の脂肪組織は増やしすぎない、燃焼させることが極めて大事になります。
では、どうしたら脂肪組織は燃焼しやすくなるのでしょうか?そしてどうやったらより効率的に燃焼できるのでしょうか?
今回、そんな研究が報告されました。
それは、寒いところで短時間の高強度のインターバルトレーニングを行うと、脂肪燃焼の効率が高かったというのです。
これは、ローレンシャン大学(カナダ)のStephanie Munten氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Applied Physiology」に掲載されています。
今まで、数々の研究で、中等度のトレーニングを長時間行ったときと、高強度のトレーニングを短時間行った場合、高強度短時間トレーニングの方が脂肪燃焼効率が高かったという報告が見られています。
しかし、運動をしているときの周辺温度の違いが脂質の燃焼効率をどの程度変化させるのか?に関しては不明でした。
そこで今回の研究では、11人(男性7人)の方を対象に(平均年齢23±3歳)、こんな環境下で運動をしてもらいました。
それは、参加者全員に対して21℃の通常室温の条件と、0℃に設定した寒冷条件で、同一の高強度インターバル運動を、それぞれ別の日に行ってもらうというものでした。
高強度インターバル運動の内容は、高負荷設定された自転車エルゴメーターを60秒間できるだけ速くこぎ、続く90秒間はインターバルとして低負荷でゆっくりこぐ。これを10回行うというもの。
内容見ると結構な高負荷ですけどね(汗)
その結果、同じ運動でも、寒い環境で運動を行った方が温かい環境で行うよりも脂肪燃焼量が多いことがH示され、その差は約4倍に上ったのです。
今回の研究から、有酸素運動などの中強度負荷の運動も、寒冷環境で行ったほうが効果的なのか?まではわかりません。これを闇雲に信じて、朝一番の寒い朝などにいきなり外に出て運動を始めると逆に心臓発作を起こしかねません。心臓発作は朝の寒いときに一番起こりやすいのです。また、寒冷環境はどの程度の寒冷下で硬化がでてくるのかも不明で、今後の研究が待たれるところです。
でも、温かい環境下でのんびりと運動に甘んじるのではなく、ある程度温度を低い環境での運動を意識することも必要なのかもしれません。
脂肪を燃焼させ、肥満を改善し、運動で心肺機能を高めることは、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの予防に極めて高い効果を示すわけですからね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『心房細動とアルコール摂取との関係』についてお話します。
心房細動は不整脈の一種で、心臓の中の心房という部屋から乱れた電気信号が出ることによって、心臓の脈のリズムが乱れてしまう状態です。
不整脈とは、脈が不整になる、という状態なので、時々脈が飛ぶなども不整脈です。
整な脈が何度か続いた後に、1拍だけ脈が飛ぶような不整脈は、一般に期外収縮と呼ばれるもので、不整脈の中でも一番多いのではないでしょうか?
一方で、今回のテーマになっている心房細動は、不整な電気信号が流れ続けるので、脈はほぼすべての脈で不整、つまりばらばらな脈の状態になります。
心房細動は、強い動悸感を感じる人もいる一方、症状がまったくなく健康診断などでたまたま見つかるケースも多いです。
そして、心房細動にはどんな危険性があるのでしょうか?
最大の危険性は、『血栓』でしょう。心房細動により、心房の中に血栓が出来上がってしまうことがあります。そして、その血栓が脳に飛んでいくと脳梗塞、心臓に栄養を送る冠動脈に飛んでいくと心筋梗塞。足に飛んでいくと下肢の血管の閉塞、腹部の内臓に飛んでいくこともあります。
もちろん血栓が飛びやすい人、飛びにくい人はいますし、すぐに治療が必要な人もいればしばらく経過をみるだけという人もいます。
でも、できるなら心房細動、始まらないほうがいいですよね。
今回、飲酒と心房細動発生にどんな関係があるのか?を研究した論文が発表されました。
ドイツのSchnabel氏らによる今回の研究は、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、イタリアの約10万人を対象にしたもので、対象者の平均年齢は47.8歳で、48.3%が男性でした。
13.9年に及ぶ追跡期間中に5,854人が心房細動を発症したとのことです。
解析の結果、1日1杯のアルコール摂取(アルコール12gに相当)で心房細動発症のリスクが16%上昇していました。また、この傾向はアルコールの摂取量が増えるほど強まり、心房細動リスクは1日2杯の摂取で36%、1日3杯の摂取で52%、そして1日4杯以上の摂取ではなんと59%も上昇していたのです。
この研究から、アルコールが心臓の敵だ!と判断するのは早すぎます。他の論文などでは、適度のアルコール摂取が心臓病の危険をへらす、ともいわれています。
今回の論文では、あくまでもアルコールをたくさん飲むと心房細動の新規の発症が多かったという報告です。どちらにしても深酒は避けたほうがいい、ということは言えるかもしれませんね。
心房細動は、症状がない方もいますし、血栓の危険性が高い人もいます。特に生活習慣病を抱えていたり、高齢の方であればその危険性は高まります。
普段から、検診などでの心電図チェック、生活習慣病の管理や動脈硬化の検査など、意識を向けましょうね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『認知症と趣味の関係」についてお話します。
認知症ときくと、アルツハイマーを一般的には思い浮かべがちです。しかし、実際には動脈硬化を基礎とする「脳血管性認知症」の方が、数多く存在します。
脳血管認知症は、脳梗塞や脳出血により血管が詰まったり破れたりすることで脳の組織の一部が破壊されたり、働きが低下していくことで進行します。手足の麻痺、しびれのような脳卒中様の症状を呈することもよくあります。
そして、これらの原因は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に伴う動脈硬化となります。
ですから、認知症を起こさないために、そして動脈硬化を進ませないために、普段からの生活習慣に留意することはとても大事です。
よく言われるのが、適切な食事バランス、有酸素運動、禁煙、節酒、肥満の回避、十分な睡眠、ストレス回避、などです。
でも、どうやらそれだけではないようです。
今回、認知症と趣味の関連性についての研究が報告されました。
千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査し、日本公衆衛生雑誌2020年号に報告しました。
65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人のうち、365日以上フォローアップできた4万9,705人について分析をしています。
フォローアップ期間中に発症した認知症は9.6%。
そして、ある趣味が認知症発症リスクの低下と関連していたことが判明しました。
男女ともに当てはまった認知症低下リスクとして、グラウンドゴルフと旅行が挙げられました。認知症リスクは約20%低下したそうです。
また、男性ではゴルフやパソコンでリスクが40%程度低下。釣りや写真で20%低下が見られました。
一方女性では、手芸やガーデニングで20%程度の認知症リスクの低下が見られています。
そして、趣味の内容に関わらず、趣味の数が増えることで男女ともに認知症のリスク低減が見られたのです。(男性16% 女性22%)
今回は、認知症と趣味の関係についてお話し、同時に認知症には脳血管性とよばれる血管のつまり等によっておきる認知症が多いこともお伝えしました。
生活習慣に伴う動脈硬化にはほとんど症状がでません。症状が出たときには完全に血管が詰まった時、またはつまりかけた時、そして驚くべきことに血管が詰まっても症状すらでないケースも存在します。
そして認知症自体が動脈硬化に関連しているという認識も周知されていません。
動脈硬化は、認知症などの脳血管障害だけではなく、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓障害や、閉塞性動脈硬化症と呼ばれる足の血管のつまりなどそれこそ全身に起こります。
血圧が高い方、糖尿の気があるかた、コレステロールや中性脂肪が気になるかた、肥満気味の方など、改めて生活習慣を振り返り、自分の動脈硬化がどんな状態なのかを定期的に調べてみて下さい。
そして、趣味をたくさん持ちましょうね
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、「座り過ぎは血管の機能にどんな影響を及ぼすのか?」についてお話します。
血管はもちろん年齢を重ねるに連れ、機能が落ちていきます。いわゆる老化です。
血管の老化、機能低下といえばまずは動脈硬化が思いつきます。
動脈硬化とは、血管の壁にプラークと呼ばれる塊が増えている状態で血管は硬化し、狭窄し、プラークが増大するとやがて閉塞に至ります。
血管が閉塞すると、心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など様々な疾患を合併していきます。
それぞれの疾患に関するお話は別のブログでもかいていますので、参考にして下さい。
動脈硬化による血管壁プラークは、頸動脈エコーという検査を行うと、一目瞭然でわかりますし、血管の硬さはABIという検査で簡単にわかります。
高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙などのかたは動脈硬化を起こしやすいので、こういった検査を定期的に行う必要があります。
このように、動脈硬化を起こしているとある程度の検査で血管の状態を把握できますが、実は血管は動脈硬化で実際に血管が固くなる前からじわじわと血管の機能が低下していきます。
血管の機能とは、血管が正しく収縮し正しく拡張する能力のことです。
そして、正しく血管が収縮拡張を繰り返すために、血管の壁の内側にある血管内皮細胞が重要な役割を果たしています。詳しく言うと、この細胞からNOという物質が分泌されて血管が拡張しています。
ですから、私達は普段から血管の機能を落とさないためにNOを出しやすくする生活に心がける必要があるわけです。
そんな中、血管機能に関するある論文が報告されました。
座り過ぎと血管機能に関する研究論文です。
これは、オーストラリアン・カトリック大学のFrances Taylor氏らが、糖尿病患者を対象に行った研究で、詳細は「American Journal of Physiology. Heart and Circulatory Physiology」に掲載されています。
対象は、35~70歳の肥満2型糖尿病患者24人。対象者全員に、7時間にわたって座位を維持する試験を行いました。
3つのグループにわけ、1グループ目では7時間中断なく座位を保つ。2グループでは30分ごとに3分間の簡単な筋力運動を行い、3グループでは1時間ごとに6分間という2グループよりも長めのの筋力運動を行いました。
血管機能は、血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilation;FMD)とよばれる血管内皮細胞の機能を評価する検査を行っています。
その結果、30分ごとに座位を中断し、簡単な筋力運動を行うと、座位持続グループと比較して、血管機能が改善されることが判明しました。そして、1時間毎に座位を中断し筋力運動を行っっても、座位持続グループと比較しても血管機能の改善は見られなかったのです。
ということは、座位による血管機能の低下を防ぐためには、座位を中断する頻度のほうが、中断中に行う運動の時間の長さよりも重要だといえるのかもしれないのです。
長い時間をとってまとめて運動しなくても、短時間の運動をちょこちょこ行うと、逆に血管には良いのかもしれませんね。
普段、運動に多くの時間を割けないという理由で全く運動をしない人もいます。今回の論文では、短い運動の効果を示してくれました。時間がなくてもこまめに身体を動かして行きましょう。
そういったことが動脈硬化を防ぎ、心臓病・脳卒中を防ぐことにつながっていくと思います。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『糖尿病と地中海食』についてです。
地集会式食事法とは、地中海地方に住む人たちの代表的な食事法で、健康長寿につながる、心臓病予防に良い、など非常に効果が高いと言われています。
その内訳は、オリーブオイル、果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツなどが豊富なことが特徴です。
具体的には以下のとおりです。
ただ、パンやパスタが多いのは、西洋の特徴であり、ここらへんは日本人には当てはまらないかもしれません。
大切なことは、これら炭水化物を摂るときに精製度の低いもの、全粒穀物をとる工夫が必要と言われています。
全粒穀物とは、精白などの処理を行わず、糠となる種皮や胚といった部位を除去していない穀物で、その製品としては、具体的には玄米、全麦パン、オートミールなどが挙げられます。
そして脂質としてオリーブオイルをたくさん摂っているのがこの食事法の中心的存在とも言えます。
オリーブオイルには、動脈硬化の抑制効果、心臓病予防効果等があると言われています。
また、摂取量ですが、ギリシャの人々は1年間に17.9キロものオリーブオイルも消費するそうで、これは毎食ごとに15mlのオリーブオイルを摂っている計算になります。
今回、地中海式食事法をとることで、糖尿病の発症を抑えることが期待できる、という報告がなされました。
『Association of the Mediterranean Diet with Onset of Diabetes in the Women’s Health Study』
対象者は薬2万人、追跡期間は約20年。その結果、地中海式食事法を続けることで糖尿病の発症が3割低減したとのことでした。ただし、これはBMI25以上の肥満気味の方にのみ当てはまるものでした。
また、インスリン抵抗性が低いことがこの結果に寄与していることも判明した。
インスリン抵抗性は糖尿病に関わらず、心血管病の原因とも深い関わりがあり、長期間にわたる健康的な食事法の重要性が改めて認識できたのではないかとおもいます。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『肥満と食習慣』についての話をします。
そもそも、偏った食事をしたり、甘いものを食べ過ぎたり、食べる量が多かったりすると肥満を招いてしまうのは当然ですよね。
そのために私達は、普段から食事には意識を向けていく必要があります。
肥満は、生活習慣病を高率に合併します。それは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などがそれに当たります。
生活習慣病が動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病を引きおこしてしまうのもご存知ですよね。
偏った食習慣とは、いわば不健康な食習慣。糖分過多やカロリー過多、油もののとりすぎはその典型です。
このようにどういった身体のよくないものを食べているるか?ということ以外に、普段どんな食べ方をしているか?その食べ方自体が肥満を招くことがないのか?そんな研究が日本の久山町研究から報告されています。
この研究の対象者は、2014年に住民健診を受診した40~74歳の福岡県久山町の地域住民1,906人。インタビューにより、「間食をするか」、「他人よりも食べるのが速いか」、「就寝前2時間以内に食事をするか」という3つの食習慣を把握し、その食習慣の有無と、肥満(BMI25kg/m2以上)および腹部肥満との関連を検討しています。
得られた結果は、3つの不健康な食習慣すべてにおいて、それぞれ有する群は有さない群よりも、肥満・腹部肥満の頻度が有意に高いことが判明しました。
そして、肥満に関しては、該当する食習慣が1つもない場合に比べ、1つ該当する場合は肥満リスクが1.53倍、2つでは2.62倍、3つでは3.65倍でした。腹部肥満の検討でも1つでは1.53倍、2つでは2.28倍、3つでは2.87倍とリスクが上がっていました。
また、肥満に関しては運動習慣のない人、男性、59歳以下の人、に多くみられたとのことです。
健康を維持するために、どんなものを食べないようにするか?ということには意識が向いても自分のライフスタイルの中でどんな食習慣をしていたか?にまで意識が向いていない人も多いのではないかと思います。
何気ない間食、時間がないからといってついつい早食いをしてしまう、仕事の帰りが遅く、夕食をたべたらすぐに寝てしまう。
今年は、こんな食習慣の中で、一つでも減らせるもの、ゼロにはできなくても頻度を減らせるもの、きっと何かあるはずです。
みなさん、健康な1年を是非お過ごしください。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『心臓血管病と生活環境』についてです。
心臓病と一口に言ってもいろいろあります。狭心症や心筋梗塞、不整脈や心不全、弁膜症などなど。
心臓病の中には、拡張型心筋症に代表されるような原因不明の疾患もありますが、おおむね生活習慣の乱れが引き金になっています。生活習慣の乱れとは、例えば高血圧や脂質異常症、糖尿があります。これらは塩分や糖分のとりすぎ、偏食や過食で発症することが多いです。
そして、運動不足、飲酒、喫煙、そしてストレスなども心臓病の原因となってきます。
今、あげた心臓病の原因の中で、結構ストレスが絡むケースは非常に多く、以前こちらのブログでも書きましたが、怒りやすい人には心筋梗塞が多い、という論文もでているほどです。
しかしながら、ストレスが簡単にコントロールできればよいのですが、なかなか難しいことも多いですよね。
ストレスのコントロールを考えたときに、内的コントロールと外的コントロールという考え方があります。
内的コントロールとは、ストレスに対する自分の受け止め方や考え方、対処方法を変えていこうというもの。一方で外的コントロールは、自分の外面、周りの何かを変えることでストレスを減らしていこうというもの。
外的コントロールの中で、よく扱わるれるのが自分の周りの環境です。環境を変えることで人はストレスが増えることもあれば、軽減することもあります。
その環境を上手に変えていくことでストレスを減らし、結果的に心臓血管病になりにくくなっていくというわけです。
では、どんな環境が心臓病の確率を減らしてくれるのでしょうか?
今日はそんな環境と心臓病に関する論文をご紹介します。
緑のある空間が増えると、心血管病による死亡リスクが低下する可能性があるとする研究結果を、米マイアミ大学の研究チームが、今年の米国心臓協会学術集会(AHA Scientific Sessions 2020)で発表しました。
今回の発表は、緑の空間が大気の質を改善させることで、心血管病に良い影響を与えているのではないか?というものです。
大気中のPM2.5濃度や、正規化植生指数(NDVI)と心臓血管病による死亡リスクとの関連を検討しています。NDVIとは、衛星などから見た植物による光の反射の状態を指数化したもので、植物がどれくらい活性化しているかを示ものだそうです。そして緑が濃い場合、NDVIの値は大きくなるとのこと。
この研究の結果は、PM2.5濃度が増えるごとに心臓血管病による死亡率が上がり、一方でNDVIが増えるごとに、逆に心臓血管病による死亡率が減少していたのです。
つまり、緑が豊かな地域ほど大気の質がよく、結果的に心臓血管病に良い影響を及ぼしていたのです。
心臓発作の予防、そして再発を防ぐために有酸素運動が非常によいということは多くの研究結果から明らかになっており、一方で今回のように緑に触れることがさらに狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓発作を減らしてくれるかもしれないと期待できます。
ということは、私達は心臓病予防のために、そしてそもそも健康のために緑に触れている環境で運動をするということがベストなのではないか?と推測できます。
みなさんは、定期的に外に出て運動をしていますか?運動をしてないとしても、散歩がてら近くの緑を見に行っていますか?
ちなみに、心臓を鍛えるための有酸素運動の強さは心拍数(脈拍)でコントロール可能です。
(220-年齢)×0.65~0.70を目安に運動してみてくださいね。
詳しくは、以前の院長ブログのこの記事を御覧ください
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
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