目的
歩行ペース が体脂肪の異なるレベルにわたる平均余命とどの程度関連しているか?
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『たまの過食は大丈夫なのか?』です。
誰にでも経験があると思います。親しい友人と久しぶりに会ってついつい食べ過ぎた。
何かお祝い事があって、食べ過ぎた。
食べ放題のお店に行ったので、もとをとろうと頑張って食べ過ぎた。
そして、そのあと必ず訪れてくるのが『やってしまった!』という後悔の念。
実際に過食と健康にどの程度の関係があるのか?
今回、そんなことを研究した論文をご紹介します。
ディーキン大学(オーストラリア)のGlenn Wadley氏とDale Morrison氏らが行った研究です。
目的:健康的な人々の短期的な過剰摂取が食後の血糖調節やその後の脂肪率に影響を与えるかどうかを調べた研究です
対象:8人の健康な若年男性(平均年齢22歳)を対象に、5日間過食をして過ごしてもらい、その後28日間にわたって過食を続ける実験にも参加してもらいました。
1日の食事のエネルギー摂取量のうち約55%は炭水化物、30%は脂肪、15%はたんぱく質とし、それ以外に1日当たり約1,000kcal分のチョコレートや高カロリーな飲み物、ポテトチップスなどを食べてもらいました。
結果:5日間の過食で内臓脂肪量は約15%増加したものの、体重や体脂肪量に有意な変化はみられませんでした。
一方、過食を28日間続けると体重が1.6kg、体脂肪量が1.3kg増加しました。
さて、この研究結果をどうとらえるか、は極めて大事なことです。
5日位は過食しても、体重が増えるわけだはないので、たまの食べ過ぎは構わない、大丈夫だ、と考えるか。
一方で、たった5日の過食で内臓脂肪量が15%も増加していることを踏まえて、やはり5日も過食をするのは健康に良くない、と考えるべきか。
専門家の中でもどうやら意見は分かれているようですね。
あなたならどちらを選びますか?
僕ならたま~に,いや極々たまーに過食する程度にできるだけとどめるようにしたいです(笑)
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『腕立て伏せと心臓病の関係』です。
ところであなたは腕立て伏せを何回できますか?
そもそも、最近腕立て伏せやってますか?
たとえあなたが腕立て伏せに興味がなかったとしても、この研究結果を知っておいて損はないでしょう。
腕立て伏せの回数と心臓発作には関係があった!
そんな研究発表が2019年2月、JAMAという米国医師会雑誌に掲載されました。
というタイトルで、日本語訳にすると、
「アクティブな成人男性における腕立て伏せの能力と心臓血管疾患のリスクとの関連について」
の報告でした。
この発表は、2000年から2010年の約10年間を追跡調査したもので、
対象は平均年齢は39.6歳のアメリカの男性消防士1104人。
やりかたは、毎分80回のペースで腕立て伏せを開始してもらい、何回できたかを記録するものです。
この研究の結果、腕立て伏せを41回以上できた人は、10回以下しかできなかった人に比べ、その後の心臓血管病の発症リスクがなんと96%も低下していたことがわかったのです!!
心臓血管病とは、心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓突然死などをさします。
このリスクは腕立て伏せの回数が10回以下の人と比べて、11~20回の人の方が64%、21~30回の人の方が84%、31~40回の人の方が75%と徐々に減少していました。
腕立て伏せの能力と将来の心臓病のリスクが関連していたとはまさにおどろきの報告です。
しかも、この研究結果は、腕立て伏せの能力が高い方がより心臓病の発症リスクが低いことを示していますので、たとえ41回できなくても少しでも多くできれば心臓病にはなりにくいということなのです。
また、参加者たちは腕立て伏せ以外にも、ランニングマシーン等を用いた通常の運動負荷検査も受けていましたが、運動負荷検査と心臓病発症リスクと、腕立て伏せと心臓病発症リスクがほぼ同様の結果だったのです。
つまり、心臓の能力を調べるのに、わざわざランニングマシーンを使わなくても腕立て伏せで代用できる可能性が出てきた、ということを意味します。
研究チームはこの結果を踏まえて、次のように語っています。
1腕立て伏せは、中年男性の運動機能を簡易的に測定するのに非常に役立つ
2しかしながら、対象のかたが平均40歳の男性消防士に限られた話なので、さらに研究が必要と考えられる
そのため、研究のタイトルも、対象を活動的な成人男性(Active Adult Men)の中での話、と言っています。
さて、あなたは腕立て伏せが何回できますか?
たとえ、今は腕立て伏せが10回以下しかできない、いやいやたった1回でつぶれてしまう、としても将来の心臓病を減らすために、心臓トレーニングとして腕立て伏せを始めてみる気になりませんでしたか?
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの杉岡です。
今日のテーマは、『部屋を明るくして寝ると、肥満を招くのか?』です。
皆さんは、夜眠るときに部屋の明るさをどうしていますか?
真っ暗にしていますか?薄明り?それとも明るくしていないと眠れない派でしょうか?
今回、女性を対象にして、部屋の明るさが肥満と関連しているというなんとも衝撃的な研究報告が出されました。
『Association of Exposure to Artificial Light at Night While Sleeping With Risk of Obesity in Women.』
目的:睡眠中の人口光が肥満のリスクに関連しているかどうか
対象者は2003年7月から2009年3月までに登録した35〜74歳の女性。人数はなんと合計43,722人の女性が登録されました。追跡期間は約5.7年でした。
結果:睡眠中に人口の光による暴露を受けた人では肥満率の上昇が約19%と関係性が見られました。そして5kg以上の体重増加のリスクは17%増加。そして全体的な肥満リスクは33%も増加していたことがわかりました。
これらの結果は、睡眠中の人工光への曝露が体重増加や肥満の発症の危険因子となり得ることを示唆しています。
しかし、明るい光が直接肥満をもたらす原因となっているのか、明るい光がないと眠れない肥満のかたには何かホルモンバランスの乱れが隠れてるのか?そのあたりは不明だと思われます。
また、明るい光を睡眠の質を低下させます。
私たちの睡眠の質は以前と比べ、かなり低下しているとも言われています。しかし、睡眠の質の低下は偏った食事や運動不足などの生活習慣の乱れが深く関わっています。
やはり日頃からの塩分制限や、甘いものを控える、バランスのとれた食事を摂るなどのごく当たり前のことを意識することから始めるということになりそうですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『中年期糖尿病と高齢期脳梗塞の関係』です。
糖尿病は、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしやすい、とはいわれているものの、実際に中年期になり始めた糖尿病が将来の脳卒中リスクにどんな影響を及ぼしているかは明らかになっていません。
そこで、天津医科大学(中国)のRongrong Yang氏らが33000人余りのスウェーデンの双子を対象に実施した研究を発表しました。
結果:研究に参加した人の内、1248人(3.8%)が中年型2型糖尿病を患い、3121人(9.4%)が晩期に脳血管疾患を発症しました。そのうち、脳梗塞発症リスクは1.29倍、脳血管閉塞のリスクは2.03倍でした。
一方、くも膜下出血や脳内出血に関してはリスクの増加は見られませんでした。
まずは、40~50台に糖尿病を患っていると、60歳以降に脳梗塞になりやすい、という衝撃的事実です。
ですから、何よりも糖尿病を悪化させない、予防する、ということが大事になります。
また、糖尿病の人の多くは、高血圧気味であったり、悪玉コレステロールが異常に高かったり、などの生活習慣病を合併していることが多く見受けられます。
だとすると、今回の研究から想像できることは、糖尿だけでなく、40歳以降の生活習慣全般のみなおしをしておかないと、将来大きなつけが回ってくると言えるでしょう。
もし、まだ糖尿と言われたことがなくても、ちょっとした肥満気味だけだから大丈夫だと過信しないで、早め早めに手を打つ、定期的に予防のチェックを受ける、脳梗塞に限らず動脈硬化の有無を調べる、などの積極的自己防衛をしていきましょうね。
糖尿の有無はもちろんのこと、頸動脈エコーで血管のプラークを細かく観察したり、ABIという機械を用いて血管の硬さを見る、運動負荷心電図で心臓の動脈硬化を診る、など様々なチェックが可能です。
症状がないからまだ大丈夫、ではないですよ~
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは『超低カロリー食と心臓機能の関連について』です。
カロリー制限をすることは、肥満や糖尿病などのリスクを抱えている人にとってとても有効な方法です。
その中でも、特に超低カロリー食(VLCD)を一時的に行うことで、早期からの体重減少、インスリン抵抗性の改善、血圧低下、糖尿病改善、脂肪肝の改善など、さまざまな効果があるといわれています。
超低カロリー食とは、1日当たり600~800キロカロリーのみの栄養分しかとらないちょっと大変なダイエットですが、こういうダイエットって本当に問題はないのでしょうか?
そして、このタイプのダイエットは、心臓機能に関する影響は、実はほとんどわかっていないのです。
ある研究論文があります。
『Crash diets can cause transient deterioration in heart function
Heart disease patients should seek medical advice before adopting a very low calorie diet』
この研究では、21名の肥満患者を集め、1日600~800キロカロリーの超低カロリーダイエットを行い、8週間の追跡調査を行いました。
その結果、体脂肪量、内臓脂肪量、肝臓脂肪は劇的に低下、インスリン抵抗性や血中コレステロール値、血中中性脂肪値が改善。もちろん心臓周囲の脂肪も減りました。
しかし、ダイエット開始1週間後に、一時的に心臓脂肪がダイエット前に比べなんと44%も増加していたのです。そして、心臓機能の低下ともつながっていました。
ところが、8週間後には心臓脂肪も減り、心臓機能はダイエット前より改善していることが見込まれていました。
簡単に言うと、忘れてはいけないこと、それは過激なダイエット中に一時心臓機能が低下する時期が来る可能性があるということです。
超低カロリーダイエットは、内臓脂肪などは順調に低下するものの、脂肪が一時的に心臓に集まるということ、そして一時的に心臓に悪影響を及ぼす。
しかし、8週間後には心臓機能も改善していたので、その悪影響はあくまでも一時的である。
心臓の機能に問題がある方や、クラッシュダイエット中に心臓の症状が出てこないか、注意を払う必要があると言えるでしょう。
超低カロリーダイエット(クラッシュダイエット)はダイエットに効果があるのはもちろんですが、どんな方法にも善し悪しがあるということです。
過激なダイエットはカラダを壊しかねません。何事もやり過ぎは禁物ですね・・
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの杉岡です。
今日のテーマは、『食事を抜くと、心筋梗塞になりやすい?』です。
食事の内容悪化、すなわち偏食が動脈硬化や心筋梗塞に影響を及ぼすことは良く知られています。
例えばそれは塩分の摂り過ぎであったり、糖分過多であったり。
しかし、食事のタイミングと心筋梗塞の関連性についてはあまり知られていません。
今回、サンパウロ大学のグル―プが、遅い夕食と朝食を食べないことが心筋梗塞の発症に深く関わっているという研究報告を発表しました。
『Skipping breakfast concomitant with late-night dinner eating is associated with worse outcomes following ST-segment elevation myocardial infarction』
2017~2018年に、S心筋梗塞を発症して冠動脈疾患集中治療室(ICU)に入院した18歳以上の患者113人(平均年齢は59.9歳、男性73%)を対象としたものです。入院時に、遅い時間帯の夕食や朝食の欠食といった習慣の有無を患者さんから聞きだしました。
「遅い夕食」の定義は、就寝前2時間以内に食事を取る日が週に3回以上ある場合。
「朝食を抜く」の定義は、昼食前にコーヒーや水などの飲み物以外に何も食べない日が週3回以上ある場合、です。
その結果、遅い夕食を取り、翌日の朝食を抜くという習慣がある患者では、そうでない患者に比べて退院後30日以内の死亡リスクや、心筋梗塞の再発、それに伴い狭心症を発症するリスクがなんとなんと約4倍にまで上ることが判明したのです!!
今までの研究から、上記のように食習慣が不規則な方は、運動不足や喫煙など、他の生活習慣にも問題が多いことが報告されています。
やはり、基本的な生活習慣を守ることが大切ということになりますね。
昔から言われているように、乱れた生活習慣、睡眠不足、運動不足、偏食は避けること、ストレスをためすぎず、頑張りすぎないこと。
そして、すでに糖尿病のような生活習慣病を抱えている方は、動脈硬化の進展、狭心症などの心臓病になりかけてないかを定期的に検査すること、などを忘れないようにしましょうね
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『血糖コントロールと認知機能の関連』です。
最近『Diabetes Care』という糖尿病の一流誌にこんな研究発表がでました。
それは、高齢の糖尿病患者では、血糖コントロール状況や糖尿病の罹病期間が認知機能障害と関連する可能性がある、というものです。
この研究は、ボルチモアのジョンズホプキンスブルームバーグ公衆衛生学部のAndreea M. Rawlings博士、および同僚らによるもので、動脈硬化症リスクのある5,099人の参加者(女性59%、ベースライン時の平均年齢、76歳)のデータを約5年間にわたって分析したものです。
研究タイトルは、『The Association of Late-Life Diabetes Status and Hyperglycemia With Incident Mild Cognitive Impairment and Dementia: The ARIC Study』
研究結果は以下の通りでした。
それは、糖尿病であること(ハザード比[HR] 1.14 [95%CI 1.00、1.31])、糖尿病患者の血糖コントロール不良であること(HR 1.31 [95%CI 1.05、1.63])、および糖尿病期間が長いこと(5歳以上5歳未満) ; HR 1.59 [95%CI 1.23、2.07])の3つが、認知障害と有意に関連していたというのです。
この研究結果を踏まえて、著者らは「高齢の糖尿病患者では、血糖コントロールを良好に保つことが認知機能障害の予防に重要であることが分かった」と述べています。
今回の研究では、糖尿病と認知機能の関連についてでした。
糖尿病は、あらゆる血管の動脈硬化を引き起こします。それが脳血管にくると、今回のような認知機能障害や脳卒中。心臓にくると狭心症や心筋梗塞をおこします。
このように、糖尿病と動脈硬化は非常に関連があります。
もし、あなたが糖尿であったり、または血糖が高い傾向にあるならば、必ず動脈硬化の検査を受けるようにしてくださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、「歩行速度と寿命の関係」についてです。
多くの研究で、心臓機能が低下している人、呼吸機能が低下している人は平均寿命が健康な人に比べると短いといわれています。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、肥満や痩せすぎも平均寿命に影響を及ぼしています。
このたび、アメリカのメイヨークリニックからこんな研究報告がでました。
それは、ウォーキング(散歩)の時の歩くスピードが平均寿命に関連しているか?という研究です。
この研究は以下の通りです。
歩行ペース が体脂肪の異なるレベルにわたる平均余命とどの程度関連しているか?
参加人数は驚異の474000人以上が参加した研究で、通常の歩行ペース(ゆっくり、安定した/平均、活発として定義)、ボディマスインデックス(BMI)を測定。約7年にわたって追跡調査されました。
活発なウォーキングペースを報告した参加者は、女性で86.7歳から87.8歳まで、男性で85.2歳から86.8歳までの範囲で、すべてのレベルのBMIにわたって寿命が長くなっていました。逆に、遅い歩行ペースを報告した被験者は平均寿命が短く、BMIが20 kg / m 2未満の遅い歩行者で最も低かったという結果でした(女性:72.4歳、男性:64.8歳)。
つまり、活発な歩行者はより長い平均余命を持っていることがわかり、そしてそれは異なるレベルの肥満指数(BMI)にわたって一定であったというのです。
より速く歩いているということは、非常に低強度の形態の心臓と呼吸のトレーニングを行っていると言えるかもしれません。そしてそれを定期的に行うということで、心臓を強化することにつながるのでしょう。
心臓の病気を防ぐために、日頃から生活習慣に気をつけましょう、体によい食事、定期的な運動がよい、と言われています。
しかし、普段の歩行速度をちょっとだけ早めるだけで長生きできるなら、やらない手はないですよね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、糖尿病で起こりやすい病気、腎臓病とその対策法について話します。
「New England Journal of Medicine」に最近掲載されたCREDENCE試験からの結果にもとづき、米国糖尿病学会(ADA)は6月3日に2019年版「Standards of Medical Care in Diabetes」のなかで変更を加えました。
そのなかで、糖尿病性腎症のかたに対して、新たにSGLT2阻害薬という薬が推奨されることとなりました。
SGLT2阻害薬とは、血液中に余分に溜まっている糖分を腎臓から尿として排出させるという薬です。
この薬に対する最近の研究発表は著しく、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化による病気の発症を減らしただけでなく、尿タンパクの減少や腎機能の悪化を防ぐなど、糖尿病性腎症の進行を予防する効果も認められています。
アメリカ糖尿病学会は、eGFRが30mL以上で、アルブミン尿が300mgを超える糖尿病腎症の患者では、SGLT2阻害薬を使用することを検討するように提唱しています。
糖尿病はあらゆる病気の原因となります。動脈硬化を進行させ、狭心症や脳卒中などの心臓病をひきおこすだけでなく、脳梗塞、失明、認知症、閉塞性動脈硬化症など数多くの病気を悪化させます。
日頃からの糖尿病に対する意識も必要になってきますね。
また、糖尿病に関してはより効果的な薬剤もつくられています。生活習慣をみなおし、必要な場合は薬に助けてもらう。薬だけに頼らず、薬をうまく使いこなす生活を心がけましょう。