こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『頸動脈狭窄と脳梗塞の関係』についてです。
脳梗塞の原因は大きく分けて2つ。一つは脳の血管の動脈硬化によって血管が詰まってしまう場合。もう一つは、不整脈などが原因で、心臓などでつくられてしまった血栓やプラークが、心臓から剥離して脳の血管に飛んで行ってしまう場合。これを脳塞栓症と呼びます。
今日は、脳梗塞の中でも、塞栓症ではなく、脳の動脈硬化による脳卒中の話、その中でも頸動脈が原因として脳卒中を起こすケースについてお話ししますね。
頸動脈は、左右の頸(首)にそれぞれ1本ずつ走行している血管です。我々の頸部には左右の頸動脈と、左右後方を流れる左右の椎骨動脈と、計4本の血管で脳に栄養を送っています。そのなかで、頸動脈が脳に血液を送る領域は非常に広く、めっちゃ簡単に言うと、脳の約半分に栄養を送っています。
ですから、頸動脈が動脈硬化をおこし、狭窄や閉塞を起こすと、とても大きな脳梗塞をおこし、時には命に係わるケースも少なくありません。
ですから、自分の頸動脈がどうなっているかを知っておくのはとても大切なこととなってきます。
頸動脈狭窄症の検査のなかで、最も簡便で第一に行うべき検査、それは頸動脈エコー検査です。
頸動脈エコー検査は、体への負担、侵襲が全くなく、何度行っても人体に影響はありません。
ですから動脈硬化のリスクをもっているかた、具体的には高血圧症、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞や狭心症の既往のある方、肥満、喫煙者、など当てはまる方は積極的な検査が必要となります。
頸動脈エコー検査で、強度の狭窄が見つかった場合は、カテーテル検査などで血管造影を行い、手術などの治療が必要か判断します。
狭窄が軽度(具体的には狭窄50%以下)の場合、薬物療法がメインとなります。血液をサラサラにする抗血小板剤、コレステロール値を下げるスタチン製剤、降圧剤、糖尿があれば糖尿病薬、などです。
狭窄が高度の場合、治療は大きく分けて2つ。一つはCEA(血管内膜剥離術)、もう一つはCAS(頸動脈ステント留置術)。どちらの治療法が適応されるかは、その方の狭窄の形態などで変わってきます。
頸動脈狭窄症は、往々にして症状がありません。症状が出た時には頸動脈が完全に閉塞していて脳卒中を発症して初めて狭窄に気付くケースもたくさんあります。
頸動脈狭窄をはじめとする動脈硬化の狭窄はなかなか症状が出づらいという現実があります。脳卒中を起こさないように頸動脈エコー検査を定期的に受けてくださいね。
同様に、心筋梗塞や狭心症を起こさないように、定期的な心臓エコー検査や運動負荷心電図、足の血管が狭窄してないか調べるためのCAVI検査。動脈硬化は症状が出る前の早め早めの検査が必要です。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
先日の8月2日、船橋市の薬園台にある、東老人福祉センターで院長が講演会を行いました~。
ここは、新京成の習志野駅から歩いて1分位のすごく交通の便がよいところですね。
講演のテーマは『血管のつまりを防ごう』
当日は、50人以上の方にお集まりいただき、質問も活発になされました。
これからもすぎおかクリニックは船橋市をはじめ、市川市、習志野市、鎌ヶ谷市など近隣住民のみなさまにお役立ち頂ける健康情報をたくさんお伝えしていきますね!
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、動脈硬化を調べる検査『CAVI検査』についてです。
動脈硬化とは、長年の生活習慣の乱れ、高血圧、糖尿病、高コレステロール、肥満、そして加齢などによってまさに血管が硬化してしまうものです。血管が硬化すると、血管の内側にはプラークと呼ばれる塊が膨らんでいきます。その結果、血管の通り道が狭くなり、いずれ詰まってしまうというもの。
頭に詰まれば脳卒中、心臓が詰まれば心筋梗塞、そしてこの動脈硬化は手足の血管に及ぶことがあります。
足の血管が詰まったことに気付かないと、最悪足の壊疽、切断にまで至ってしまうケースも・・・
日頃から自分の動脈硬化の状態を知っておくことはとても大切なことです。
手足の血管につまりがないかを知る、簡単な検査があります。これはCAVI検査と呼ばれています。この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を同時に測定します。時間は5分程度で終わるとても簡単な検査でです。例えば、もし右足の血管が詰まっていたらこの検査はどんな結果になるでしょう?
この方の普段の血圧が130ほどだったとすると、両手の血圧と左足の血圧は130程度でしょう。しかし、右足の血圧が80-90しかない。などという結果がでたら、右足の血管が狭窄しているか、閉塞しているかが強く強く疑われるのです。
足の血管にまで動脈硬化が起きる、ということをまずはしっかり知っておく必要があります。そのうえで定期的なCAVI検査を受け、動脈硬化の進行がないかどうか定期チェックを欠かさないようにしましょう
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『糖尿病と動脈硬化』です。
糖尿病の患者数って日本にどれくらいいるかご存知ですか?厚生労働省の平成28年のデータによると、「糖尿病が強く疑われるもの」は日本人の12%、「糖尿病の可能性を否定できないもの」が12%。それぞれ約1000万人いるといわれています。
そして、糖尿病が強く疑われるもののなかで、治療を行っている人は76%ということです。
糖尿病は様々な合併症を引き起こします。その中で、特に心配なものの一つが動脈硬化の進行です。
糖尿病に伴う動脈硬化は全身にやってきます。動脈硬化によってどんな病気を起こすのでしょうか?
糖尿病による動脈硬化で病気になりやすい、血管が詰まって重大なことになりやすい個所はたくさんあります。大血管と微小血管の病気にわかれるのですが、今日は大血管の病気の話をしますね。
大血管が糖尿による動脈硬化で詰まりやすい個所は大きく3つあります。
一つ目は頭、頭頸部です。ココが詰まってしまうと脳梗塞になってしまいます。
二つ目は心臓です。ココが詰まってしまうと心筋梗塞を起こしてしまいます。
そして見落としがちなのが、3つ目、足の血管です。閉塞性動脈硬化症と呼ばれますが、ココが詰まってしまうと足の壊疽を引き起こし、最悪の場合下肢の切断を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
頭頸部の血管が動脈硬化を起こしていないかを知る一番手軽な方法は頸動脈エコーです。頭の中(頭蓋内)を検査しようとするとCTやMRI検査など大病院で行う必要がありますが、頸動脈に関しては超音波検査で行うので、手軽にみることができます。検査は手軽に、そして定期的に行うこともとても大事な要素となります。
心臓に関しては心臓エコー検査は運動負荷心電図検査がとても役立ちます。
足の血管の検査としては両手両足の血圧を同時に調べるABI検査が有用です。
今日取り上げた検査はいずれもとても簡単にできる検査で、体の負担もありません。
糖尿病や、生活習慣病など、動脈硬化を起こしやすい因子を持っているかたは、是非定期的な検査を循環器専門医のもと、しっかり受けてくださいね
すぎおかクリニックでは、今お示しした頸動脈エコーや心臓エコー、運動負荷心電図、そしてABI検査を毎日多くの方に行っています。なにご心配があればお気軽にお越しください。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『血液サラサラ?血液ドロドロ?』です。
よく、血液をサラサラにしましょう、血液がドロドロだと危険ですよ~という話を聞いたことがあると思います。血液がドロドロだとどんなことが起きるのでしょうか?
御存じのとおり、血管は体の隅々まで広がっていますが、血管が末梢に行けばいくほど細くなり、最後は毛細血管と呼ばれる本当に微小な血管サイズになります。毛細血管の幅は赤血球の大きさとほぼ同じか、それ以下だといわれています。そのために血流がスムーズでないと毛細血管内に十分な栄養が流れないということになるわけです。
ということは、もし血液がドロドロだったら?毛細血管内の血流はスムーズでしょうか?そんなはずはありませんよね。赤血球は酸素を運ぶ役目がありますので、血液がドロドロだと末梢へ十分な酸素が送られないということになります。
そうなると、末梢が冷たくなったり、血色が悪いといわれたり、酸素不足で疲れやすかったり。さまざまな不定愁訴が現れかねないのです。最悪の場合、血管が詰まってしまい血栓ができてしまう、それが引き金で重大な病気を引き起こしかねません。
ですから血液をサラサラにして毛細血管の血流を十分なものにして、体の隅々まで健康を保つことが必要です。
では、日常生活でどんなことに心掛ければよいのでしょうか?今日はそのいくつかをお伝えします。
青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は血管を広げたり、血栓を予防する効果が高いといわれています。赤血球の柔軟性も上げるといわれており、積極的に青魚をとるとよいと思います。青魚以外だと、亜麻仁油やエゴマ油に多く含まれています。
血液のドロドロを防ぐために、抗酸化力の高い食品をとるとよいといわれています。赤ワインやココア、緑茶に多く含まれています。
やはり基本は水分をとることです。脱水は、血液をドロドロにしていきます。1日2リットルの水分をとるとよいといわれていますが、心臓の悪い方など水分制限をしなければいけない方は主治医のよく相談してくださいね。
梅干しや酢に含まれるクエン酸は、血液を固まらせる血症板の凝集を防ぐ効果があるといわれています。
日本人の3人から4人に1人が血管が詰まるなどして命を落とすといわれています。血液サラサラが重大な心筋梗塞や脳梗塞を防ぐために欠かせないことであることを意識しましょう。
もちろん、十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事をとることは言うまでもありません。
こんにちは! 船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは糖尿病、その合併症についてお話ししますね。
糖尿病にかかるといったいどんなことが起きるのでしょうか?そのうちの命に関わるほとんどは動脈硬化、血管のつまりなどが原因の病気です。たとえば、心筋梗塞や狭心症、脳卒中や網膜症などがありますが、今日はその中でも糖尿病性壊疽についてお話ししますね。
糖尿病のかたは往々にして強い動脈硬化を合併します。それが下肢にくるとどうなるでしょうか?だんだんと下肢の動脈は狭くなっていき、やがて閉塞していきます。
すると、下肢への栄養が足りなくなるために数分あるくと、血流不足による下肢の痛みが出てきます。これを間欠性跛行と呼びます。本来であれば、血液が足りない虚血症状により、足の痛みが出ます。
しかし、糖尿病の合併症で怖いものの一つに神経障害があります。これは神経が鈍くなること、簡単に言うと痛みに鈍くなる、傷ができても痛くないのです。
下肢の虚血症状により、血流が不足している状態で下肢にばい菌が感染するとどうなると思いますか?
赤くなり、腫れあがり、容易に潰瘍を起こします。普通ならとんでもない痛みを伴う状態です。
しかし、神経障害と血行障害を伴っている糖尿病の人はそこに気付かない。
そして、ある日自分の足を見てみるとひどい潰瘍ができていた、場合によっては壊死している状態まで気づかない。そこまですすむと、もはや下肢の切断も考えなければいけない、のです。
大事なことは、早期の診断、治療です。つまり、何の症状も無くても下肢に血流障害がないか?を定期的に調べなければいけません。それを発見するとても有用な検査がCAVIと言われる検査です。
これは、閉塞性動脈硬化症と言われる病気を探し出すとても簡単な検査で、容易に糖尿病の血行障害を検出します。
あなたやご家族の方がもし糖尿などの動脈硬化を合併しているなら、このCAVI検査を必ず定期的に受けることを強くお勧めします。
当院でも、多くの来院患者さんにこのCAVI検査を定期的に行っています。
病気は出てくる前に、早期に見つけ、早期に治療する。それが大事ですよね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今回のテーマは大動脈です。大動脈にかかわる病気はいくつかありますが、今日は大動脈瘤という病気についてお話しします。
大動脈とは何か、についてまずはお話ししましょう。大動脈とは、体の中を走っている一本の太い血管のことです。背骨の近くで縦にそうこうしている太さ3センチほどの血管です。
大動脈は心臓から送り出された血液を、全身の臓器に送るためのパイプの役割があります。そのために、心臓から送り出された血液の圧(血圧)が、常に大動脈にかかっています。その圧が問題となり、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化をおこすと、大動脈が変形、拡張を起こしたり、破れてしまったり。
大動脈が異常に膨らむと大動脈瘤、どの大動脈瘤が避けてしまうと解離性大動脈瘤となってしまいます。
大動脈瘤は、大動脈の動脈硬化によって徐々に大動脈が膨らんでいく病気です。もちろん、遺伝的な要因で大動脈の壁が弱く、若くして大動脈瘤を起こしてしまう人もいます。
マルファン症候群やエーラーダンロス症候群と呼ばれる病気群がそうですが、ほとんどは動脈硬化にその下人があります。
大動脈瘤は、困ったことに何の症状もありません。徐々に徐々に少しづつ少しづつ大きくなっていきます。瘤を形成していきます。そして、耐えきれなくなったある日突然破裂してしまいます。運が悪ければ命取りになる、とても危険な病気なのです。
大動脈瘤は、あえてこの病気を見つけに行く検査をしないと、ほぼわかりません。
胸部レントゲン写真で見つかることもたまにありますが、レントゲンだけでは十分とは言えません、つまり、健康診断ではわからないということです。
胸部や腹部のCT検査、またはエコー検査(超音波検査)で初めて、しかも偶然にみつかることがほとんどです。ですから、積極的に定期的なエコー検査を受ける必要があるのです。症状が出ないから大丈夫、ではないのです。
大動脈瘤が見つかった場合、瘤を人工血管に取り換える人工血管置手術と、ステントという金属の土管で補強するステントグラフト術があります。これらは瘤の形や年齢など、個々で治療法を判断していきます。
当院では、来院された患者さんに、積極的にエコー検査を行うことをお勧めし、このような命に関わる病気の早期発見にスタッフ全員で取り組んでいます。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
あなたは、血管の病気といわれてどんな病気を思い浮かべますか?
血管の病気は実に多彩です。代表的なものが急性心筋梗塞や脳梗塞、脳出血や狭心症や弁膜症、心不全もそうですね。
でも、血管は心臓や脳だけではありません。急性大動脈解離、腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などなど。
こうやってあげてみると、血管の病気は全身に及んでいるのがなんとなく見えてきます。
そして。怖いことにこれらの病気は重複します。
つまり、心筋梗塞などの心臓病を起こした人は、脳梗塞を起こしやすい。脳梗塞を起こした人は心臓病を起こしやすい。足の血管が詰まった人(閉塞性動脈硬化症)の人は、狭心症を起こしやすい。ということです。
ということは、次のようなことが言えるわけです。
脳の血管が詰まったことがある人は心臓や足の血管に詰まりがないか調べる必要があります。
心臓の血管が詰まった人は脳や足の血管に詰まりがないか調べる必要があります。
足の血管が詰まった人は脳や心臓の血管に詰まりがないか調べる必要があります。
血管の健康診断ということですね。
全身の血管は、つながっているのです。動脈硬化という病気のもとに。
当院では、動脈硬化の危険のある方(高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、糖尿病、高尿酸血症、肥満、生活習慣病・・・・・)を対象に、積極的に血管の詰まりがないかを定期的に検査しています。
御心配のかたは、是非一度当院へ足をお運びくださいね。誠心誠意診させていただきます。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科、のすぎおかクリニック院長杉岡です。
今日は、血管のつまりについてお話しますね。
動脈硬化が起きると、コレステロールや中性脂肪の影響で、油の塊であるプラークが血管にこびりついてきます。そのために血管の中が狭くなってきてしまい、血液の流れが滞るようになります。この状態で気づかないでいると、突然心臓の血管が詰まる心筋梗塞や脳の血管が詰まる脳梗塞になりかねません。
血管が狭くなった状況が続くと、血液の塊が蓋をしてしまい、血流を止めてしまいます。多くの人はこの状況になって初めて気づきます。しかし、ここで気付いた時にはもはや手遅れということも・・・・
コレステロールが高い、中性脂肪が高いことを放置すると、あなたの血管は下の絵のようになりかねません。早めの外来受診をすること、そして動脈硬化のチェック、血管が狭くなってないかを調べること、この意識を常に持つように心がけましょう。
コレステロールや中性脂肪は、いきなり薬で下げる、のではなく、運動やウォーキングを欠かさないことや、糖分や炭水化物などの糖質をとりすぎないようにする、など適切な生活習慣を続けるだけで劇的に改善することも可能です。多くの病気はあなたの生活習慣の乱れから始まります。今一度、ご自分の食生活も見直してみてくださいね。
当院では、コレステロールや中性脂肪の高い、いわゆる脂質異常症のかたの動脈硬化検査、血管検査、生活指導を多くの方に行っています。ご心配があればお気軽にご来院くださいね。