院長ブログ

大動脈瘤

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今回のテーマは大動脈です。大動脈にかかわる病気はいくつかありますが、今日は大動脈瘤という病気についてお話しします。

大動脈とは何か、についてまずはお話ししましょう。大動脈とは、体の中を走っている一本の太い血管のことです。背骨の近くで縦にそうこうしている太さ3センチほどの血管です。

大動脈は心臓から送り出された血液を、全身の臓器に送るためのパイプの役割があります。そのために、心臓から送り出された血液の圧(血圧)が、常に大動脈にかかっています。その圧が問題となり、動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化をおこすと、大動脈が変形、拡張を起こしたり、破れてしまったり。

大動脈が異常に膨らむと大動脈瘤、どの大動脈瘤が避けてしまうと解離性大動脈瘤となってしまいます。

大動脈瘤という病気

大動脈瘤は、大動脈の動脈硬化によって徐々に大動脈が膨らんでいく病気です。もちろん、遺伝的な要因で大動脈の壁が弱く、若くして大動脈瘤を起こしてしまう人もいます。

マルファン症候群やエーラーダンロス症候群と呼ばれる病気群がそうですが、ほとんどは動脈硬化にその下人があります。

大動脈瘤は、困ったことに何の症状もありません。徐々に徐々に少しづつ少しづつ大きくなっていきます。瘤を形成していきます。そして、耐えきれなくなったある日突然破裂してしまいます。運が悪ければ命取りになる、とても危険な病気なのです。

大動脈瘤の検査と治療

大動脈瘤は、あえてこの病気を見つけに行く検査をしないと、ほぼわかりません。

胸部レントゲン写真で見つかることもたまにありますが、レントゲンだけでは十分とは言えません、つまり、健康診断ではわからないということです。

胸部や腹部のCT検査、またはエコー検査(超音波検査)で初めて、しかも偶然にみつかることがほとんどです。ですから、積極的に定期的なエコー検査を受ける必要があるのです。症状が出ないから大丈夫、ではないのです。

大動脈瘤が見つかった場合、瘤を人工血管に取り換える人工血管置手術と、ステントという金属の土管で補強するステントグラフト術があります。これらは瘤の形や年齢など、個々で治療法を判断していきます。

当院では、来院された患者さんに、積極的にエコー検査を行うことをお勧めし、このような命に関わる病気の早期発見にスタッフ全員で取り組んでいます。

 

タグ: | |