タグ:心臓血管病

糖尿病には食物繊維で心血管リスクを減らす

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『糖尿病には食物繊維がいい』です。

糖尿病と心臓病のリスク

糖尿病の人は、心臓病や脳卒中などの心臓血管病になりやすいと言われています。

その理由の一つに、糖尿病の人はそうでない人に比べ高血圧や脂質異常などの合併率が高いため動脈硬化を引き起こしやすいから、ともいわれています。

そこで、糖尿病の人がどうやったら高血圧や脂質異常などの心血管リスク、生活習慣病を減らせるのか?ということはとても大切な問題です。

そんな中、糖尿病の人が高繊維食を食べることで、心血管リスクを減らせるという研究発表が出ました。

糖尿病と食物繊維と心血管リスク

ケアウェルハート&スーパースペシャリティ病院(インド)のRohit Kapoor氏らの学会発表によると、

約200人の糖尿病患者の方に、果物や野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ類などの高繊維食を通常のガイドラインより20~25%多く食べるように6ヶ月の間指導したところ、6ヶ月後には空腹時血糖が28%、収縮期血圧が15%、コレステロールが9%、中性脂肪が23%低下するという改善がみられたというのです。

糖尿病患者さんにとって、繊維を多く摂ることで高血圧などの心血管リスクを大幅に軽減でき、将来の心臓血管病発症リスクを減らせることが期待できることがわかりました。

他の参考サイト

ここにも、糖尿病と食物繊維の話がに載っています。ご参考にしてください。

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

 

 

トランス脂肪酸と認知症リスクの関連

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『トランス脂肪酸と認知症のリスクの関連』について、です。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、マーガリンなどに含まれる脂肪酸の一種で、健康を害する代表格の一つと言われています。トランス脂肪酸によるさまざまな健康への害は、冠動脈疾患などの心臓病を始めたくさんあると言われていますが、詳細は改めて書かせていただくこととして、

今回は、このトランス脂肪酸が認知症に影響を及ぼしているという治験が発表されましたので、その報告をさせていただきます。

トランス脂肪酸と認知症

『Serum elaidic acid concentration and risk of dementia  The Hisayama Study』

日本人の研究グループによる久山研究から発表されたものです。

対象と方法:認知症ではない60歳以上の日本人高齢者1628人。追跡期間は約10年。認知症のバイオマーカーとして知られる血清エライジン酸の値を調べました

結果:血清エライジン酸高値は、全ての原因による認知症と、アルツハイマー病による認知症のリスク増加に関連していました。一方、血管性認知症のリスク増加とは統計的に有意な関連は認められませんでした。

この研究から言えること

研究者はこう結論づけています。

『この調査結果は、血清エライジン酸の増加が、後期の全原因認知症およびADの発症の潜在的な危険因子であることを示唆しています。工業的に生産されたトランス脂肪酸を減らすための公衆衛生政策は、認知症の一次予防に役立つかもしれません。』

認知症を予防できるなら、トランス脂肪酸はやっぱり口にしてはいけないことがあらためて確認できましたね。

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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悪玉コレステロール(LDL)が酸化変性すると

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と酸化変性LDLコレステロールの話です。

LDLコレステロール

LDLコレステロールは数字が高いと心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化を引き起こす可能性が高まるため、いわば悪玉コレステロールと呼ばれています。

しかし、LDLコレステロールが高くてもなんともない人もいれば、LDLコレステロールが低いのに心筋梗塞を起こす人がいます。

最近、LDLコレステロールの量だけでなく、LDLコレステロールの質も大事だと考えられるようになってきました。

酸化変性LDLコレステロールと活性酸素

LDLコレステロールが酸化する、変性する。実はこの状態こそが動脈硬化に関わっていると言われはじめています。そしてLDLを酸化させる原因は『活性酸素』と考えられています。

過剰な活性酸素は動脈硬化や脳卒中、狭心症、心筋梗塞を起こさえる可能性があるのです。

そのために活性酸素をふやしてしまう生活習慣をできるだけ避けなければいけません。

それは、喫煙や糖尿、高血圧、肥満などのいわゆる生活習慣病です。

食事も抗酸化作用の強い食事を選択することも大切です。

酸化変性LDLコレステロールの値を調べる

当院ではLOX-indexと言う検査項目で、体内の酸化変性コレステロールの蓄積度や動脈硬化進展度を計測しています。(保険適応外)

自分の血管がどれほど動脈硬化を起こしているのか?ご心配な方は是非、一度検査を受けてみてください。

検査は血液検査のみですので、かんたんですよ。

 

当院は循環器疾患と高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化や心臓病が気になる方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかた、糖尿病の合併症を抱えた方など、船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの地域から来院頂いています。

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心臓血管病の死亡率をポリフェノールが下げる

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は『ポリフェノールは死亡率を下げる』です。

ポリフェノール

ポリフェノールと言う言葉、よく耳にしますが、そもそもポリフェノールってなんでしょうか?

ポリフェノールとは、植物が光合成を行うときに合成される物質で、例えば緑茶に含まれるカテキンなどはポリフェノールの一つです。

ポリフェノールには強い『抗酸化作用』があり、体内で過剰合成された活性酸素の外を減らす効果などがあります。

ポリフェノールは果物や野菜、種などに多く含まれています。

ポリフェノールは体に良いと言われていますが、実際に日本人がポリフェノールを摂り続けることにどんな健康効果があるのか、しかも長期的な効果がどうなのか?ははっきりした事はわかっていませんでした。

この度、日本人における長期のポリフェノール摂取が健康に良い、という論文が発表されました。

ポリフェノールと死亡リスク

『Dietary intake of total polyphenols and the risk of all-cause and specific-cause mortality in Japanese adults: the Takayama study』

対象は高山市の29000人あまりの住民のかたで、16年間の追跡調査が行われました。

ポリフェノールの摂取量に応じて4群に分類され、死亡率などが調査されました。

結果:4群の中で最もポリフェノールを摂った群は、、最もポリフェノールを摂らなかった群に比べて死亡率が有意に低く、その中でも心臓血管死による割合の低下、特に脳卒中による死亡率の低下が強く認められました。また、消化器疾患による死亡率低下も認められました。

一方、がん死亡率の低下は認められませんでした。

この研究からいえること

この研究から、どのポリフェノールが死亡率低下に起因しているか、までは結論できませんが、日頃からポリフェノール摂取は意識するべきことなのでしょう。

例えば、緑茶に含まれるカテキンやコーヒーに含まれるクロロゲン酸は代表的ですね。

また、フランスの研究では、ブルーベリーに多く含まれるアントシアニンが心臓血管病のリスクを下げる、という報告もあります。

 

 

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糖負荷検査

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『糖負荷検査』についてお話します。

糖負荷検査とは

糖負荷検査とは、糖尿病が疑われる人に対して、医療用のサイダーを飲んでもらい、血糖値がどれくらい上昇するかを調べる検査です。

糖分を負荷しますので、すでに糖尿病の診断がついている人に対してこの検査を行うと血糖の過剰上昇がおいきてしまう恐れがあるので、あくまでも糖尿病が疑われる方や動脈硬化が疑われる方に行うものです。

ですから予めの血糖検査ですでに糖尿病と診断された場合はこの検査は対象になりません。

対象となる代表的な方

・血縁者に糖尿病がいるかた

・検診で糖尿病とは言われなかったが、境界型など、血糖が高めの指摘を受けた方

・血糖は高くなかったものの、尿糖が陽性と指摘された方

・高血圧や脂質異常症などの動脈硬化のリスクを抱えている方

・心臓病や脳卒中など、動脈硬化の病気を発症したことが有る方

・メタボ気味で糖尿が心配なかた

検査方法

1絶食で来院していただきます

2血液検査で空腹時の血糖値とインスリン値を調べます

3ブドウ糖75グラムを含んだ医療用のジュースを飲みます

4飲んだ30分、60分、120分後に血糖値とインスリン値を調べます

効果判定

随時血糖値   正常 140mg/dl以下

境界型 140~200mg/dl

糖尿病型 200mg/dl以上

となります。

もし、結果でまだ糖尿病になっていなかったとしても、境界型でさえ長く続けていると動脈硬化のリスクは高くなります。

自分に糖尿の気が有るのか?動脈硬化はどうなのか?

心配な方はぜひ一度75グラム糖負荷検査(OGTT)を受けてみてください。

 

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかた、糖尿病のコントロールをしっかりさせたい方などが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

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人工弁と弁膜症

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、人工弁と弁膜症についてお話します。

弁膜症

弁膜症とは、心臓に4つある弁の具合が悪くなる病気です。心臓の入り口や出口にある弁が狭くなったり(狭窄症)、閉じが悪くなったり(閉鎖不全症)することが原因で、心臓がポンプの機能を十分に果たせなくなり、病状が悪化するとむくみや動悸、息切れが出現。心不全や不整脈などに進展することもあります。

弁膜症は軽度であれば、薬物療法でコントロールできますが、弁膜症が重症化すると手術で弁を交換する必要が出てきます。最近は、カテーテル的治療(TAVI、Mitral Clip)もできるようになってきていますが、まだまだ一般的にはなっていません。

人工弁と弁膜症

人工弁は大きく2つに別れます。機械弁と生体弁です。

機械弁はカーボンやチタンで作られているもので、非常に長持ちします。しかし、弁に血栓という血の塊がつかないように抗凝固剤であるワーファリンを内服し続けなければいけません。

一方、生体弁は牛や豚の心膜から作られており、ワーファリンを内服する必要がありません。しかし、機械弁に比べ耐用年数が短くなってしまうのが欠点です。

機械弁ではワーファリンの服用コントロールがとても大事です。ワーファリンが十分に効いていないと血栓弁を形成してしまいます。すると弁が開放制限をうけ、心不全を合併したり、命を落としてしまうこともあります。逆にワーファリンが効きすぎると出血しやすい状況になってしまいます。

そのため、ワーファリンコントロールは循環器専門医の指示の下、しっかり内服量を調節する必要があります。

人工弁の管理

人工弁の管理はワーファリンのコントロールだけではありません。

定期的に十分な技術を持った専門技師による心エコー検査が必須です。たまに、何年も心エコーを受けていない弁置換手術後の患者さんに遭遇しますが、ある意味論外と言えます。

人工弁は、弁が感染したり、縫合部から血液が逆流したりなどの弁不全を引き起こすことがあります。

また、弁置換術を施行した人はもともとの心機能が悪く、心不全を起こしやすくなっています。

人工弁を入れたからあとはもう大丈夫、というわけでもないわけです。

 

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

循環器専門医2名と、全員が循環器の経験豊富な看護師、一流の心エコーのスキルを持った検査技師2名で十分な診療体制をとっています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

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ブルーライトが脳の神経変性を引き起こす

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『ブルーライトが脳の神経変性を引き起こす!?』です。

ブルーライト

スマホや照明器具などから多く発せられるブルーライトが網膜を通して体に悪影響を与えている、という話はよく耳にされることです。

しかし、人体に対して長期に渡るブルーライトの影響などはまだまだわかっていません。

今回、このブルーライトが網膜だけだはなく脳細胞に影響を与えている可能性がある、という発表が昆虫を用いた実験でなされました。

ブルーライトと脳損傷

『Daily blue-light exposure shortens lifespan and causes brain neurodegeneration in Drosophila

研究方法:1日12時間ブルーライトを浴びたハエと、ブルーライトを浴びなかったハエにわけて、光の影響を調査

結果:ブルーライトを長時間浴びたハエは、寿命が有意に短かく、網膜細胞や脳神経細胞に損傷がみられました。

考察:ハエの中には、眼がない突然変異体も存在しており、そのハエの脳神経細胞も損傷されていました。つまり、ブルーライトは網膜を介さずに脳神経に直接ダメージを与える可能性があることが判明したのです。

そして、この研究グループは他の研究結果も合わせて、老化の過程でブルーライトの累積暴露量が関係していると結論づけています。

この研究から言えること

ブルーライトの暴露が老化を進める可能性があるということがわかりました。人間に対する影響はまだまだ不明ですが、ブルーライトが睡眠の質を下げているなどの報告も出てきていることも考えると、ブルーライトを浴びすぎない生活を改めて真剣に考える必要がありそうですね。

 

 

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虚血性心疾患や神経変性疾患による死亡率は元プロサッカー選手でどうなのか?

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『神経変性疾患による死亡率が元プロサッカー選手に多いのか?』です。

接触を伴うスポーツ

接触を伴うスポーツをおこなっていたプロスポーツ選手には、神経変性疾患が多いという報告があります。

今回、接触を伴うプロサッカーにおいて、元プロサッカー選手には神経変性疾患が多いのか?という研究報告がニューイングランドジャーナル(NEJM)誌に掲載されました。

元プロサッカー選手の神経変性疾患による死亡率

『Neurodegenerative Disease Mortality among Former Professional Soccer Players』

対象と方法:スコットランド出身の元プロサッカー選手7676人を、背景をマッチングさせた一般のかた23000人あまりと後ろ向きコホート研究にて比較検討しました。

結果:約18年の経過の中で、心臓病や心筋梗などの虚血性心疾患による死亡率は元選手のほうが一般の方に比べ20%低く、肺がんによる死亡率は47%も低い結果でした。

一方で神経変性疾患による死亡率は元プロサッカー選手で3.45倍も高く、特にアルツハイマー病による死亡率は5.07倍でした。

この研究から言えること

今回の研究だけで、サッカーはアルツハイマー病になりやすい、と結論づけるのは早いと思います。

スポーツのメリットは様々で、実際サッカーを行っていたことで心臓病による死亡率は大幅に低下しています。また、一般の方が行うスポーツとプロのレベルでは環境は激しさが大きく異なっていることも考慮しなければいけません。

我々は、どの程度のスポーツをどれくらいの頻度でどれくらいまで激しくおこなって良いのか?その程度行うと一番健康に良いのか?を知っておく必要がありそうです。

 

 

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血管(動脈壁)を傷つける成分が肥満で蓄積されている

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『肥満だと、血管を傷つける成分が蓄積される』です。

肥満患者に多い血管を傷つける成分

英オックスフォード大学心臓血管内科教授のCharalambos Antoniades氏らが、心臓病の肥満患者で動脈周囲の脂肪組織で「WNT5A」と呼ばれるタンパク質が多く作られ、血管に悪影響を及ぼすと論文発表されました。

Adipose tissue–derived WNT5A regulates vascular redox signaling in obesity via USP17/RAC1-mediated activation of NADPH oxidases

この研究では、心臓手術を受けた約1000人の患者の心臓周囲の脂肪組織を採取して、肥満患者にはWNT5Aと呼ばれるタンパク質が多いことが判明。

さらに、このタンパク質が多い患者さんはその後3~5年で動脈へのプラーク蓄積が速くなることもわかりました。

この研究から言えること

肥満が血管を傷つける経路にはおそらくこの「WNT5A」が介されているだろうということです。

肥満によって動脈硬化など血管が傷つけられるだけでなく、多くの病気、例えば生活習慣病の悪化やがんのリスクも高くなると言われています。

健康的な食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直し、心筋梗塞などの血管病をしっかりと予防していきましょう。

 

当院は循環器疾患と高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病に力を入れています。

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