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ビタミンDとがん死亡率の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『ビタミンDとがん死亡率の関係』です。

成人におけるビタミンD補給

これまでのいくつかの研究では、ビタミンDが足りないと、がんや心臓血管疾患といった病気での死亡の増大と関連することが示されていました。

しかし、ビタミンDを補給することで、はたして死亡率が減少するかどうかに関しては、臨床データには一貫性がありませんでした。

この度、BMJ誌に、Affiliated Hospital of Chengdu UniversityのYu Zhang氏らが、ビタミンDの補給とがん死亡率について発表しました。

研究内容

目的:ビタミンD補給が成人の死亡率低下と関連しているか

設計:過去行われた52の試験から分析を行いました。

結果:合計75 454人の参加者による52の試験が特定されました。ビタミンD補給は、全死亡率(すべての原因による死亡率)、心血管死亡率、または非がん死亡率とは関連が示されませんでした。

ビタミンD補給とがん死亡率の関係

一方で、ビタミンDの補給は、癌による死亡のリスクをなんと16%減少させました。

特に、ビタミンD3サプリメントを使用した試験で有意に低い結果でした(相互作用 P = 0.04)。

また、ビタミンD3補給がすべての原因による死亡率の低下と関連しているかどうかを判断するには、さらなる臨床研究が必要と考えられました。

日本人も多くの人がビタミンD不足が叫ばれています。

サプリメントなどでの積極的な補給が必要なのかもしれませんね。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

 

心臓病と腕立て伏せの関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『腕立て伏せと心臓病の関係』です。

ところであなたは腕立て伏せを何回できますか?

そもそも、最近腕立て伏せやってますか?

たとえあなたが腕立て伏せに興味がなかったとしても、この研究結果を知っておいて損はないでしょう。

腕立て伏せと心臓病

腕立て伏せの回数と心臓発作には関係があった!

そんな研究発表が2019年2月、JAMAという米国医師会雑誌に掲載されました。

Association Between Push-up Exercise Capacity and Future Cardiovascular Events Among Active Adult Men

というタイトルで、日本語訳にすると、

「アクティブな成人男性における腕立て伏せの能力と心臓血管疾患のリスクとの関連について」

の報告でした。

この発表は、2000年から2010年の約10年間を追跡調査したもので、

対象は平均年齢は39.6歳のアメリカの男性消防士1104人。

やりかたは、毎分80回のペースで腕立て伏せを開始してもらい、何回できたかを記録するものです。

腕立て伏せテストからわかったこと

この研究の結果、腕立て伏せを41回以上できた人は、10回以下しかできなかった人に比べ、その後の心臓血管病の発症リスクがなんと96%も低下していたことがわかったのです!!

心臓血管病とは、心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓突然死などをさします。

このリスクは腕立て伏せの回数が10回以下の人と比べて、11~20回の人の方が64%、21~30回の人の方が84%、31~40回の人の方が75%と徐々に減少していました。

腕立て伏せの能力と将来の心臓病のリスクが関連していたとはまさにおどろきの報告です。

しかも、この研究結果は、腕立て伏せの能力が高い方がより心臓病の発症リスクが低いことを示していますので、たとえ41回できなくても少しでも多くできれば心臓病にはなりにくいということなのです。

また、参加者たちは腕立て伏せ以外にも、ランニングマシーン等を用いた通常の運動負荷検査も受けていましたが、運動負荷検査と心臓病発症リスクと、腕立て伏せと心臓病発症リスクがほぼ同様の結果だったのです。

つまり、心臓の能力を調べるのに、わざわざランニングマシーンを使わなくても腕立て伏せで代用できる可能性が出てきた、ということを意味します。

この研究から応用できること

研究チームはこの結果を踏まえて、次のように語っています。

1腕立て伏せは、中年男性の運動機能を簡易的に測定するのに非常に役立つ

2しかしながら、対象のかたが平均40歳の男性消防士に限られた話なので、さらに研究が必要と考えられる

そのため、研究のタイトルも、対象を活動的な成人男性(Active Adult Men)の中での話、と言っています。

さて、あなたは腕立て伏せが何回できますか?

たとえ、今は腕立て伏せが10回以下しかできない、いやいやたった1回でつぶれてしまう、としても将来の心臓病を減らすために、心臓トレーニングとして腕立て伏せを始めてみる気になりませんでしたか?

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

 

 

 

 

薬いらずの食べ物 ブロッコリー

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『薬いらずの食べ物 ブロッコリー』です。

ブロッコリーについて

ブロッコリーと言えば、野菜の王様、健康に良さそう、などの印象があると思いますが、実際ブロッコリーが体のどんな点に効いているのか?どんな栄養分を含んでいるのか?今日はその勉強を一緒にしてみましょう。

ブロッコリーは、アブラナ科の植物で、その旬は11月から3月頃です。

旬の時期のブロッコリーは、特にその栄養化も高く、積極的に食べて頂きたいところです。

また、ブロッコリーは、健康食品トップ10などで検索してみると、必ずと言っていいくらい顔を出してきますよね。

ブロッコリー以外に、カイワレ大根のようなブロッコリースプラウトを見かけると思いますが、ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの新芽の部分で、ブロッコリーよりもスルフォラファンがたくさん含まれていて、栄養効果が更に高いといわれています。

ブロッコリーの健康効果

ブロッコリーの健康効果はびっくりするくらい多岐にわたります。

1 強力な抗酸化作用

身体の酸化はあらゆる病気の原因になりえます。私たちの体の中には常に活性酸素とよばれる悪玉物質がつくられています。活性酸素が増えすぎると体はどんどんと酸化していってしまいます。

その酸化を強力に抑えてくれる代表が、このブロッコリーです。

アブラナ科の野菜に含まれる強力な抗酸化効果を示すものに、「イソチアネート」という物質があります。

そして、ブロッコリーにはもう一つにの強力な抗酸化物質「スルフォラファン」が含まれています。

これこそが、ブロッコリーの最大の効果の一つといえます

2 目の健康維持に

ブロッコリーは、実にたくさんの栄養分を含んでいます。その中の一つに豊富なビタミンAがあります。

ビタミンAは視力の維持、特に夜間の視力維持には欠かせません。

また、ブロッコリーにはルテインやゼアキサンチンと呼ばれるカルチノイドが高濃度で含まれています。この成分も目の健康には欠かせないものです。

3 腸の健康を促進する

ブロッコリーに含まれるたくさんの食物繊維は腸をきれいにしてくれます。

食物繊維は腸内環境を正常に保つうえで欠かせないものです。

また、ブロッコリーに含まれているイソチアネート、スルフォラファンが腸内悪玉菌を退治してくれる作用も持っています

4 心臓の健康を守る

各種の研究で、ブロッコリーの摂取が、心血管リスクを減らすことがわかっています。

Cruciferous vegetable consumption is associated with a reduced risk of total and cardiovascular disease mortality.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21593509

ブロッコリーは炎症を抑え、活性酸素に伴うダメージと戦います。

そして、心臓に良いといわれえているミネラルであるマグネシウムも豊富に含んでいるのです。

5 健康的な肌をつくる

ブロッコリーに含まれているビタミンAやビタミンCは紫外線をはじめとする皮膚のダメージを予防します。

6ダイエットにも役立つ可能性がある

ブロッコリーに多く含まれる食物繊維によって、急激な血糖上昇を抑えてくれます。血糖上昇(血糖値スパイク)の抑制によって、満腹感が得られやすくなるのです。

また、ブロッコリーに含まれるミネラルの一つ、カリウムはむくみ防止にも効果があります。

このように、総合的にとても優れている、野菜の王様ブロッコリーを、是非意識して摂るようにすることをお勧めします

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など