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ビタミンDと心不全

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『ビタミンDと心不全』です。

ビタミンDの役割

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、さまざまな役割を持っています。たとえば、カルシウム代謝への関与。腸からのカルシウムの吸収を高めたり、腎臓からのカルシウム排泄を調節したりという役目があります。最近では、免疫反応に関与する役割も持っているといわれています。これ以外にもビタミンDは非常にたくさんの働きがあるといわれていますが、最近こんな研究論文が発表されました。

それは、心臓の機能が落ちた心不全患者さんの運動能力とビタミンDの関係性について調べた論文です。

ビタミンDと心不全

American Journal of Medicine誌に掲載された論文で、

『Vitamin D Status and Exercise Capacity in Older Patients with Heart Failure with Preserved Ejection Fraction.』というタイトルです。

高齢で心不全を起こしてくると、体力の低下や運動能力の低下が著明にみられるようになってきます。

高齢の心不全患者さんの運動耐用能力が、ビタミンDとどんな関係があるかを調べています。

112名の心不全患者さんを対象にこの研究はおこなわれました。

まず、心不全患者さんのビタミンDの血中濃度は対照となる健常者の血中濃度と比較して明らかに低いという結果が出ました。そして、90%の心不全患者さんのビタミンD血中濃度は20ng/mlと低下しており、特に30%の心不全患者さんのビタミンD血中濃度はなんと10ng/ml以下だったのです。

また、6分間歩行テストを行い、運動能力を比較した結果、ビタミンD血中濃度が低い人ほど、6分間歩行テストで運動能力が低かったという結果が出たのです。

ビタミンDの血中濃度は高齢者の心不全患者さんの運動能力にかなり関係している可能性がある、とこの論文では結論付けています。

栄養素の補充を積極的に

今回の論文はビタミンDが心不全の患者さんに非常に有効だったという報告でした。このように、微量栄養素と呼ばれるビタミンやミネラルはカラダのバランスを保つために様々なところでさまざまな働きをしているとても大切な栄養分です。しかし、日常の食生活の偏り、コンビニやファーストフード中心の生活により、現代人のビタミンやミネラルは深刻な欠乏状態にあるとも言われています。

健康の基盤として、食事からだけではなく、ビタミンやミネラルなどのサプリメントを普段から使ってみるということを考えてみる必要があると思います。

当院でも院長をはじめ、ほぼ全てのスタッフが積極的にサプリメントを愛用しています。

サプリメントの場合、何を選んだらいいか判断できない場合が多いかもしれません。当院で扱っているサプリメントはドクターズサプリメントと呼ばれ、医療機関でしか扱えない高品質のサプリメントを提供しています。

サプリメントに関しても、何かご相談があればお気軽にご来院くださいね

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

運動と記憶力の関係

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『運動と記憶力』についてです。

記憶力、落ちていませんか?

最近、先ほど言われていたことをふと忘れてしまったり、あれ?今何やろうとしてたんだっけ?などどいう経験が増えている方はいませんか?

脳の中で、つい短時間まえに起きたことを記憶しておく場所があります。この場所は『海馬』と呼ばれています。年齢や乱れた食生活、睡眠不足、ストレス、それに伴う脳血流低下、脳血管の動脈硬化などによって海馬は萎縮することが考えられます。そして脳細胞が変性し、βアミロイドというたんぱくが多量に沈着してしまうと、アルツハイマー病を引き起こします。

この記憶力、簡単な運動でアップすることがもしできたとしたら素晴らしいと思いませんか?

短時間の運動で記憶力が上がる

2017年、筑波大学からこんな研究発表がありました。

Hippocampus誌に、『Acute Moderate Exercise Improves Mnemonic Discrimination in Young Adults』というタイトルで論文が掲載されたのです。

これによると、中等度の運動を10分行ったあとで記憶力テストを行ったところ、運動しなかった群に比べ、記憶力の向上が見られたというものです。

この場合の運動とはいわゆる有酸素運動というものです。

たがが10分ほどの運動で記憶力が上がるなら、今日から是非とも始めてみたくなりますよね!!

有酸素運動の大切さ

有酸素運動は、記憶力を上げるだけでなく、循環器の領域でもとても大切です。生活習慣病と呼ばれる高血圧や糖尿病、コレステロールや中性脂肪の改善、ダイエットなどによる体重コントロール。それだけではありません。有酸素運動は心臓発作の可能性をも大幅に減少させてくれます。それは心筋梗塞や狭心症などの発作予防はもちろんのこと、すでに発作を起こした経験がある方の再発予防にも非常に大事なのです。

ただ、一つ大切なことがあります。それは有意義な運動は『有酸素運動』である、という点です。運動を始めると、往々にして楽しくなって、または頑張りすぎて有酸素運動以上の運動をしてしまうケースがあるのです。いわゆる『無酸素運動』です。無酸素運動は、カラダの中に活性酸素を多くつくることで、運動が逆に仇になってしまいかねませんので、注意が必要です。

当院でも、心臓発作を起こした人を対象に定期的な有酸素運動を院内で行える、心臓リハビリテーションを行っています。自分の心臓はどの程度の運動をすることがちょうどよいのか?一人で運動をするのが心配、1人だとサボってしまって運動しない。ここのスタッフと一緒に楽しく運動したい(笑)などあれば、お気軽のご相談くださいね

 

心臓発作とワールドカップ応援

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、過剰な興奮が心臓発作に関係があるか?というテーマです。

よくテレビドラマなので、すごく怒ったりしたときに心臓発作を起こしてしまうようなシーンをご覧になった方は多いと思います。でもあんな事って本当に起こりうることなんでしょうか?

というのも、心筋梗塞や狭心症の経験がある人だと特に注意する必要があるのでしょうか?

ここに、過剰な興奮が心臓発作に対してどんな影響を及ぼすのか?というとても興味深い研究発表(論文)をご紹介しますね。

ワールドカップの応援で心臓発作が増える?

2008年にNew England Journal of Medicineという超一流雑誌にある論文が掲載されました。これは、2006年にドイツで行われたワールドカップの最中に、ドイツ国民がどれほど心臓発作を起こしたのかという研究です。これによると、ワールドカップ中に心臓発作を起こした人は4279人。通常期間の心臓発作の人数と比較してなんと2.66倍だったというのです!

しかも、男性だけにかぎるとその数は3.26倍。そしてその半分が心臓発作の既往がある方だったのです。

過剰な興奮は心臓に負担をかける

このように通常では経験しえないような過剰な興奮を体験すると、心臓に強い負担がかかることがわかります。一方で、心臓発作を起こした人は、心臓を過保護にし過ぎて全然動かない、運動しないようなことだと逆に心臓発作がふえるという報告もあります。

心臓を適切に守り、鍛えるためには適度なストレスが必要ということですね。

心臓発作を起こしたが、心配で運動できない?

心筋梗塞や狭心症、心不全を起こした人で多くの人が過剰に心臓を心配し、十分な運動ができない方がいらっしゃいます。

そういう人におすすめの方法が、心臓リハビリテーションです。

心臓リハビリテーションとは

 

心臓リハビリテーションとは、血圧計や心拍モニターを装着しながら医療スタッフの監視のもと適切な運動(エルゴメーターやトレッドミル)をしていただくというものです。これを行うことで、心臓が定期的に適切な負荷を安全にかけることができ、心臓発作の再発率を大幅に減らすことが期待できます。

当院でも、心筋梗塞や心不全などの方を対象に多くの方にこの心臓リハビリテーションを行っています。

心臓が心配で運動がおろそかになっているひとは是非ご相談くださいね

 

心臓病と有酸素運動

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

みなさんは定期的に運動はされていますか?

「はい」と思ったかた、どれくらいの頻度でどれくらいの強度で運動をしていますか?

心臓病と運動

運動が健康に良いことはみなさんご存じのことと思いますが、自分は心臓が悪いから運動は控えようと考えてしまっている方が、実はたくさんいらっしゃいます。

もちろん、非常に心臓の機能が低下してしまい、日常生活にも支障が出る場合は別として、一般的に心臓病の人には運動が必要とされています。

心臓病を起こした後の心機能の維持やあらたな心血管病の再発予防のために、運動は欠かせないのです。

ではいったいどの程度の運動が効果的なのでしょうか?

効果の高い運動量

全力疾走を繰り返すような運動が心臓によさそうではない、ということはなんとなくわかると思います。一方で、全く疲れを感じないような運動も効果は低いと言わざるを得ません。では、その中間となる効果的な運動量とはどの程度の量をさすのでしょうか?実は、その目安を測る方法があるのです。効果的な運動量を測る目安があるのです。

それは、『脈拍』です。

脈拍は心臓の疲れを一番よく知るバロメーターになります。

脈拍が速くなっているとき、たいていの場合体の中の酸素がかなり低下しています。すると心臓も低酸素状態となり、心臓に悪影響を及ぼすという仕組みです。

では、その目安となる脈拍がいくつくらいでしょうか?

ここにある公式があります。

(220-年齢)×0.7

これが理想の脈拍と言われています。

例えば50才の方であれば、

(220-50)×0.7=119

これくらいの脈拍を目安に運動を続ければ心臓は低酸素、無酸素状態にはなりません。つまり有酸素の状態です。

お分かりですか?これが有酸素運動なのです。

心臓リハビリテーション

すぎおかクリニックでは、船橋市や習志野市、鎌ヶ谷市、市川市など、船橋近隣にお住いのかたで心臓病を患っている方へ積極的に心臓リハビリを勧めています。

心臓リハビリとは、効果的な心拍数と運動量を保ちながら運動を続けてもらうリハビリのことです。

専門の医療スタッフの監視下、指導の下で安心してしかも最大に効果を上げて運動が続けられます。

自分だけでは十分な運動をしないでサボってしまう方や、心配で自分だけでは積極的に運動をすることができない、自分の適切な運動量がわからない、などの方は是非心臓リハビリを始めてみることをお勧めします。