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動脈硬化の検査  頸動脈エコー

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『動脈硬化』を調べる検査『頸動脈エコー検査』についてお話します。

動脈硬化って何だろう

そもそも、動脈硬化とは何でしょうか?動脈硬化とは、文字通り動脈が硬くなる状態を指します。

血管が硬くなる、すなわち血管の弾力性がおち、しなやかさが失われると全身隅々まで十分な血液や酸素をおくれない可能性が出てきます。

また、動脈硬化をおこした血管の内側には『プラーク』と呼ばれる塊が蓄積していきます。その影響で血管が狭くなるとどんなことが起きてしまうでしょうか?

動脈硬化が引き起す病気

動脈硬化が進行し、血管が狭くなる。それが進行すると最悪詰まってしまう。それが心臓におこると心筋梗塞、頸動脈という首の血管におこると脳梗塞、足の血管におこると閉塞性動脈硬化症や足の壊疽など重篤な病気になりかねません。場合によっては命取りになってしまうことも。

そのために、自分の動脈硬化の状態を定期的にチェックすることが極めて重要になってきます。

動脈硬化を調べる検査

当院で行っている動脈硬化検査で最も詳しくわかるのが『頸動脈エコー』検査です。

頸動脈の動脈硬化の進行度は全身の動脈硬化の進行度を反映しているとも言われています。頸動脈は、首の表面に近いところを走行しており、なおかつ太さも10mm以上あるので、詳細な情報が頸動脈超音波検査で診ることが可能です。

特に頸動脈は、脳の半分近くに栄養をおくる重要な血管なので、詰まってしまった場合、大きな脳梗塞を起こしてしまいます。しかも、頸動脈は多少狭くなっても何の自覚症状もありません。

脳卒中のうちの何割かは、この頸動脈が閉塞したために発症してしまいます。

そして、頸動脈が詰まって初めて動脈硬化の存在に気付くケースが非常に多いのです。

動脈硬化を起こしやすい人

動脈硬化はどんな人におこりやすいでしょうか?これはいわゆる生活習慣病の人。つまり、高血圧や脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い人)、糖尿病、肥満。また、心筋梗塞や狭心症の経験がある方。高齢の方。すこしでも自分に当てはまると思ったら、積極的に循環器専門医のいる施設で頸動脈エコー検査を受けて下さいね。

 

心臓のエコー検査を受けましょう

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

みなさんは、心臓のエコー検査(超音波)検査をうけたことはありますか?

健康診断などで心電図や胸のレントゲン、また人間ドッグで腹部の超音波検査を受けた方は多いかもしれません。

しかし、実際のところ、心臓エコー検査を受けたことがない方は非常に多いのが現状です。

心臓のエコー検査でわかること

心臓エコー検査では本当に多くのことがわかります。

心臓の動きが正常か?これによって心不全などを起こすリスクが予測できます。

弁膜症はないか? 心臓の血流を一定に保つ弁の動きに問題がないかわかります。

心筋梗塞を起こしていないか?心臓肥大はないか? 心臓内に血栓はないか?

心臓に穴が開いてないか?(先天的に心臓の隔壁に穴が開いている人がいます)

心臓に菌が付着していないか? などなど。

これらは、胸の症状の有無にかかわらずみられることが多いです。

もし自分に何の胸の症状がないとしても、定期的な心臓エコー検査を是非受けることをお勧めします。

検査を受けるべきの人

高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満など動脈硬化の因子を持っている人

家族に心臓病は脳卒中などの病気を持っている方がいる人

動悸、息切れ、胸部不快などの症状がある人

50歳以上の人

 

健康診断で病気を見つけ出す作業はとても大切です。自分の健康を省みる時間を是非とってくださいね。

当院に通院されている方は、もちろん定期的なエコー検査を専門のエコー検査技師の手で受けて頂いています。

 

糖尿病で動脈硬化が進む

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『糖尿病で動脈硬化が進む』です。

糖尿病では心筋梗塞をおこしやすい

ご存知ですか?全心筋梗塞の患者さんの約1/3は糖尿病です。

ご存知ですか?全脳梗塞の約半分は糖尿病です。

糖尿病の人は、糖尿病でない人の約2倍から3倍これらの病気にかかりやすい、と言われています。

糖尿病の人がこれらの病気にかかりやすい理由、それは糖尿病の人が動脈硬化が進みやすいから、です。

糖尿病で動脈硬化が進む

動脈硬化では、血管の壁にコレステロールがもぐりこみ、血管を硬くさせ、詰まらせます。

そして、コレステロールは酸化すると血管の壁に潜り込みやすくなるのですが、

糖尿病の人は、この酸化が非常に起こりやすいのです。

そして血管の壁に蓄積された酸化されたコレステロールの塊はプラークと呼ばれます。

そして、知らないうちにプラークがどんどん巨大化し、最後には血管を詰まらせます。

これが、心臓に来ると心筋梗塞、脳に来ると脳梗塞になります。

糖尿病で気を付けること

糖尿病では、ただ血糖を管理すればよいというものではありません。

大事なことは、これら動脈硬化の進行度をしっかりと観察することが大切です。

そのための検査が、頸動脈エコーで頸の動脈硬化を見る。ABI検査で足の動脈硬化を見ある。

心臓エコー検査や心電図で心臓の動脈硬化を見る。

糖尿が気になる方や、ご家族に糖尿の方がいる場合、是非お近くの循環器専門医のいる病院でチェックしてもらってくださいね

 

 

 

心筋梗塞のリスク

こんにちは。

船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。

今回は、心筋梗塞のおはなしです。

心筋梗塞になりやすい人

 

心筋梗塞という病気、一体どんな人がなりやすいんでしようか?
そして、あなたは将来心筋梗塞になるんでしょうか?

心筋梗塞のなりやすさを示すものに

リスクファクター

というものがあります。

これは、この条件を持ってると将来血管が詰まっちゃいそうだなあと思われるものです。

この辺は皆さんもご存じかもしれません。

・高血圧

・脂質異常症

・糖尿病

・肥満

・タバコ

・ストレス

・年齢

このリスクファクターをひとつ持っていると、血管が詰まるリスクは3倍になると言われています。

心筋梗塞は、昔は60歳70歳位ではじめて問題になる病気でした。

しかし、最近では多くのストレスや、食生活の変化から、40代や30代の人までも心筋梗塞を起こす人が増えてきてしまっているのです。

リスクファクターを複数抱えていると・・・

 

あなたは、上にあげたリスクファクターを何も持っていませんか?

「俺は少し血圧高いくらいだけどまだ大丈夫」

「私はコレステロールが高いだけだから」

自分だけは大丈夫だと思わないでください。

しかもこのリスクファクター、怖いのは複数のリスクを抱えているときです。

リスクが掛け算で増えます

例えば、タバコが止められない、少し太ってきたあなた、
血管が詰まるリスクは

3×3で

9倍

です。

これに、塩分とりすぎて血圧が上がってくると、

3×3×3で

27倍叫び叫び叫び

甘いものも大好きです、糖尿の気が出てくると、

3×3×3×3で

81倍ドクロドクロドクロドクロドクロドクロ

でも、もし生活を改めて、リスクを減らすことが今できたなら、

例えば今からタバコをやめたら

リスクは1/3になります。

塩分を控えて血圧が下がれば、

リスクは1/3×1/3=1/9

良くなるときも掛け算で良くなる

のです。

思い当たる方は、是非今日からリスクファクターを減らす生活を始めてみてください。

リスクファクターを抱えている方で、自分の血管の詰まり具合が気になる場合は、是非一度循環器専門医の医師に御相談下さい。

また、あなたが大丈夫でも、あなたのご家族やお知り合いにそういう方はいませんか?

あなたとあなたの大切な方を是非守ってくださいね。

もちろん、当クリニックに来ていただければ、あなたの血管の詰まり具合や予防方法をしっかりとお伝えいたしますニコニコ

(2014年3月の院長ブログから再掲載しています)

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

息切れと呼吸器の病気

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『息切れと呼吸器の病気』です。

息切れで考えられる病気

息切れという症状はとてもよくみられる症状の一つです。すぎおかクリニックにも、息切れという症状で来院される方が大勢いらっしゃいます。

息切が出るときに、いったいどんな病気を疑う必要があるのでしょうか?

実は、息切れから始まる病気は本当にたくさんあります。心不全や狭心症、不整脈などの心臓血管病によるもの。貧血や甲状腺機能異常や肝臓腎臓など内臓の異常によるもの。ストレスなどに伴う心因性のもの。体力低下によるもの。そして、気管や肺が原因でおこる、呼吸器疾患によるもの、など多岐にわたります。

ここでは、呼吸器疾患いわゆる肺の病気についてお話しします。

息切れと肺の病気

肺の病気で息切れがおきた場合、まず考えられるのが気管支喘息です。そしてもう一つが慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる病気です。この二つは判別が難しい部分もあるのですが、肺活量や1秒率と呼ばれる肺の柔らかさを調べる呼吸機能検査をすることで、診断が可能です。

息切が出現してくると、往々にして年のせい、加齢によるものだ、体力が低下したからだ、と思い込んで検査をしないまま、という方が多くいらっしゃいます。高齢者に多いCOPDは、治療によって息切が減少したり、生活の質(ADL)が改善するケースが非常に多いです。

また、COPDのあるかたは、虚血性心疾患など心臓病のリスクも高くなるといわれています。

COPDの場合、普段の生活管理もとても大切で、特に禁煙が絶対的な要素となってきます。

とにかく、気になったらかかりつけの内科医への早めの相談、受診が必要だということですね。

当院でもCOPDでタバコがやめられないような方に、禁煙外来をお勧めしています。ぜひご利用ください。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

オリーブオイルは心臓病を減らす

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。

今日のテーマは『オリーブオイルは心臓病を減らす』です。

オリーブオイルはカラダに良い

オリーブオイルがとても体に良い、という話はよく聞きますよね。

善玉コレステロールを増やしたり、悪玉コレステロールを減らしたり。

これは、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の効能と言われています。

また、老化のもとになる酸化、子の酸化を抑える抗酸化作用の強いビタミンEをたくさん含んでおり、からだのあらゆる場面で健康に良いといわれています。

そんなオリーブオイルですが、心臓病に関してはどうなのでしょうか?

オリーブオイルは心臓病のリスクを減らす

2014年にこんな論文発表がありました。

『Olive oil intake and risk of cardiovascular disease and mortality in the PREDIMED Study.』

これは、7216人の人を対象におこわわれた研究で、研究機関は約5年でした。

その結果、エクストラバージンオリーブオイルを使っていると、心臓血管病のリスクがなんと39%も減少したというのです。

これによるとオリーブオイルを1g/日多く服用すればするほど、心臓血管病や心臓血管死の割合が10%低くなるというデータでした。

そしてこの効果は普段の食事で地中海式食事法を摂っていたグル―プでのみ得られたということです。

一方でがんの予防効果は得られなかったそうです。

地中海式食事+オリーブオイル

カラダにいいといわれている地中海式食事法。この食事法をベースにエクストラバージンオリーブオイルをさらに加えていけば、心臓発作がますます防げる可能性が出てきました。

心臓病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の予防に、オリーブオイル生活、始めてみませんか?

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

肥満は心臓病を悪くするのか?

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。

今日のテーマは『肥満は心臓病を悪くするのか?』です。

メタボリック症候群

メタボリック症候群、聞いたことありますよね?男性だと腹囲85cm以上、女性だと腹囲90cm以上で動脈硬化のリスクを持っている人のグループをこう呼びます。

肥満=害、と世間では思われがちですが、最近そうとも言えない研究発表が続々と出てきているのです。

今日はその中で、肥満の度合いと心臓血管病のリスクを比較した論文を紹介したいと思います。

心臓手術後の肥満の度合いと死亡率の関係

日本心臓病学会の学会誌 Journal of Cardiologyに2016年に発表された日本人グループの研究です。

『Overweight, but not obesity, paradox on mortality following coronary artery bypass grafting.』

というタイトルです。

冠動脈バイパス術(CABG)という、狭心症や心筋梗塞の方に行う手術を施行した人79140人を対象に術後の死亡率を比較した研究です。

これによると、オーバーウェイトの体重(過体重)の人は、正常体重の人と比べ、短期の死亡率が15%減少、中長期の死亡率が10%減少したというのです。一方、obesity(肥満)状態まで体重が上がった人には死亡率減少効果が認められなかったとか。

BMI(bodt mass index)と呼ばれる、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数があります。

体格指数(BMI)=体重÷身長÷身長で計算します。

WHO(世界保健機構)が定めた基準によると、BMIが18.5以上24.99以下が正常、25以上29.9以下がオーバーウェイト(過体重)、30以上が肥満となります。

この論文からいえること

狭心症や心筋梗塞などで手術を受けた後、いったいどういった生活習慣をおくればいいのか、知りたいところだと思います。

この論文は、心臓手術後の肥満は良くないけれども、過度に体重を落とすと逆効果になりえる、ということを示唆しています。

ただ、この論文はあくまでも肥満、オーバーウェイトの面からのみ検討しています。肥満に加えて糖尿病や脂質異常があったらどうなるか?心臓の動きによる違いは?不整脈の影響は?運動や食生活の影響は?などまだまだ詳細な検討が必要になってくると思います。

ただ、やみくもにやせを目指す必要はなさそうだと言えますね。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

 

 

 

 

頸動脈狭窄と脳梗塞の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『頸動脈狭窄と脳梗塞の関係』についてです。

脳梗塞の原因

脳梗塞の原因は大きく分けて2つ。一つは脳の血管の動脈硬化によって血管が詰まってしまう場合。もう一つは、不整脈などが原因で、心臓などでつくられてしまった血栓やプラークが、心臓から剥離して脳の血管に飛んで行ってしまう場合。これを脳塞栓症と呼びます。

今日は、脳梗塞の中でも、塞栓症ではなく、脳の動脈硬化による脳卒中の話、その中でも頸動脈が原因として脳卒中を起こすケースについてお話ししますね。

頸動脈

頸動脈は、左右の頸(首)にそれぞれ1本ずつ走行している血管です。我々の頸部には左右の頸動脈と、左右後方を流れる左右の椎骨動脈と、計4本の血管で脳に栄養を送っています。そのなかで、頸動脈が脳に血液を送る領域は非常に広く、めっちゃ簡単に言うと、脳の約半分に栄養を送っています。

ですから、頸動脈が動脈硬化をおこし、狭窄や閉塞を起こすと、とても大きな脳梗塞をおこし、時には命に係わるケースも少なくありません。

ですから、自分の頸動脈がどうなっているかを知っておくのはとても大切なこととなってきます。

頸動脈狭窄症の検査

頸動脈狭窄症の検査のなかで、最も簡便で第一に行うべき検査、それは頸動脈エコー検査です。

頸動脈エコー検査は、体への負担、侵襲が全くなく、何度行っても人体に影響はありません。

ですから動脈硬化のリスクをもっているかた、具体的には高血圧症、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞や狭心症の既往のある方、肥満、喫煙者、など当てはまる方は積極的な検査が必要となります。

頸動脈エコー検査で、強度の狭窄が見つかった場合は、カテーテル検査などで血管造影を行い、手術などの治療が必要か判断します。

頸動脈狭窄症の治療

狭窄が軽度(具体的には狭窄50%以下)の場合、薬物療法がメインとなります。血液をサラサラにする抗血小板剤、コレステロール値を下げるスタチン製剤、降圧剤、糖尿があれば糖尿病薬、などです。

狭窄が高度の場合、治療は大きく分けて2つ。一つはCEA(血管内膜剥離術)、もう一つはCAS(頸動脈ステント留置術)。どちらの治療法が適応されるかは、その方の狭窄の形態などで変わってきます。

頸動脈狭窄を見逃さないために

頸動脈狭窄症は、往々にして症状がありません。症状が出た時には頸動脈が完全に閉塞していて脳卒中を発症して初めて狭窄に気付くケースもたくさんあります。

頸動脈狭窄をはじめとする動脈硬化の狭窄はなかなか症状が出づらいという現実があります。脳卒中を起こさないように頸動脈エコー検査を定期的に受けてくださいね。

同様に、心筋梗塞や狭心症を起こさないように、定期的な心臓エコー検査や運動負荷心電図、足の血管が狭窄してないか調べるためのCAVI検査。動脈硬化は症状が出る前の早め早めの検査が必要です。

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

心臓病とコエンザイムQ10

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『心臓病とコエンザイムQ10』です。

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10は強力な抗酸化作用を持った補酵素(酵素の手助けをしてくれるもの)です。特に細胞内のミトコンドリアに多く存在し、ATPというエネルギーを作り出すのにとても大切な成分です。

コエンザイムQ10は心臓の筋肉内に多く存在するとも言われています。そのためなのか、心臓病や心不全、心筋梗塞などの虚血性心疾患、また不整脈とコエンザイムQ10との関係を調べた研究報告が多く存在します。

心臓病とコエンザイムQ10

現時点で、心臓病に必ずコエンザイムQ10が必須だ、という確固たるエビデンス(世界的な証拠)は得られていません。ですので、それを踏まえたうえで今日はある研究発表についてお話しします。

それは、2014年にJACCという一流のアメリカ心臓病学会誌に載った論文です。

研究内容は、中等度から重度の心不全患者さんを対象にコエンザイムQ10を1日300mg内服したかたと、そうでない方の2群に分けて2年後の予後を調べたというものです。

420人の患者さんを対象に調査したところ、コエンザイムQ10を服用していなかったグル―プでは26%のかたに心臓に関するイベント(事象)、発作が出た一方、コエンザイムQ10を服用していたグループでは半分近くの15%のかたにのみイベントが出現したのです。

内訳を見てみると、心臓発作の発現率、死亡率の統計的に有意な減少がみられ、また心不全による入院の再発率も減少していたのです。さらには、NYHAという分類で示されるその人の活動性や息切の程度を示す数字がコエンザイムQ10のグループで大幅に改善していました。

コエンザイムQ10の摂り方

コエンザイムQ10は加齢に伴い年々減少していくといわれています。それを防ぐ方法の一つとして当院ではコエンザイムQ10をはじめとする多くのサプリメントをご用意しています。

当院で扱うサプリメントは、医療機関でしか手に入らない高容量、高品質の安全なものです。

心臓病が心配、心不全が心配、もっと体のエネルギーを上げたい、元気に生き生きと生活していきたいかたなど、是非一度当院のコエンザイムQ10をお試しくださいね