こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『日本そばの効用』です。
今日は、そばの医学的効用について少しお話しします。
そばは、昔から健康に良い、と言われていましたが、そばのどんな成分が健康に良いかご存知ですか?
その最たるもの、それが『ルチン』と呼ばれるものです。
ルチンは、フラボノイドの一種で、強い抗酸化作用と抗炎症作用を持ちます。
そば以外にも、りんごや柑橘類の果物、緑茶などにも含まれています。
ルチンは様々な健康効果を持っているので、ここにいくつかその効果を紹介したいと思います。
ルチンはビタミンPとも呼ばれ、血管の弾力性を維持し、毛細血管を安定化させる、もろくなった血管を修復する作用、末梢循環を改善する作用がある、と言われています。また、動物実験などでは血圧降下作用も証明されており、動脈硬化の進行を抑えることが期待されています。
ロシアの実験では、ルチンが関節炎の活性酸素の産生を抑えたという報告があります。また、ラボ研究で、関節の炎症を抑えることもわかってきています。
ビタミンCは強い抗酸化作用、免疫力改善、コラーゲン生成などその効果は多岐にわたりますが、ルチンを摂ることでその吸収を高めることができます。
ルチンは水溶性なので、そば湯に多く含まれています。ルチンを多くとりたければ、そば湯を飲むとより効果的ということですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『筋トレで心臓は強くなる?』です。
心筋梗塞や心不全を起こした人の場合、往々にして運動不足に陥りがちです。
これは、過度な運動をすることでまた心臓発作をおこすのではないか?という心配や、家族から運動を止められたりが原因だったりします。
心臓病を起こした人は、もちろんケースバイケースですが、ある程度の運動をした方がその後の心臓発作を起こす率が低くなるといわれています。
運動は大きく分けて二つあると思います。一つが有酸素運動、もう一つが筋肉トレーニングです。
ウォーキングのような有酸素運動は心臓にもよさそうな気もしますが、果たして筋トレは心臓に良いのでしょうか?
2018年の1月にイスラエルの研究グループが心筋梗塞後の患者さんに対し、有酸素運動と、有酸素運動プラス筋トレを行ったグループで心臓の機能がどう変わるか、という研究を行いました。
約12週間の調査をおこない、有酸素運動プラス筋トレのグループは、有酸素運動の合間にベンチプレスなどのトレーニングを最大筋力の30~50%で15回を1セット行いました。
その結果、筋トレも行ったグル―プは心機能の改善が見られ、日常生活のQOLも向上したのです。
筋トレって大事なんですよね。
みなさんも、普段から健康のために有酸素運動と筋トレを是非ミックスさせて、トレーニングをしてみてくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。
船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今回は、心筋梗塞のおはなしです。
心筋梗塞という病気、一体どんな人がなりやすいんでしようか?
そして、あなたは将来心筋梗塞になるんでしょうか?
心筋梗塞のなりやすさを示すものに
リスクファクター
というものがあります。
これは、この条件を持ってると将来血管が詰まっちゃいそうだなあと思われるものです。
この辺は皆さんもご存じかもしれません。
・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・肥満
・タバコ
・ストレス
・年齢
このリスクファクターをひとつ持っていると、血管が詰まるリスクは3倍になると言われています。
心筋梗塞は、昔は60歳70歳位ではじめて問題になる病気でした。
しかし、最近では多くのストレスや、食生活の変化から、40代や30代の人までも心筋梗塞を起こす人が増えてきてしまっているのです。
あなたは、上にあげたリスクファクターを何も持っていませんか?
「俺は少し血圧高いくらいだけどまだ大丈夫」
「私はコレステロールが高いだけだから」
自分だけは大丈夫だと思わないでください。
しかもこのリスクファクター、怖いのは複数のリスクを抱えているときです。
リスクが掛け算で増えます
例えば、タバコが止められない、少し太ってきたあなた、
血管が詰まるリスクは
3×3で
9倍
です。
これに、塩分とりすぎて血圧が上がってくると、
3×3×3で
27倍
甘いものも大好きです、糖尿の気が出てくると、
3×3×3×3で
81倍
でも、もし生活を改めて、リスクを減らすことが今できたなら、
例えば今からタバコをやめたら
リスクは1/3になります。
塩分を控えて血圧が下がれば、
リスクは1/3×1/3=1/9
良くなるときも掛け算で良くなる
のです。
思い当たる方は、是非今日からリスクファクターを減らす生活を始めてみてください。
リスクファクターを抱えている方で、自分の血管の詰まり具合が気になる場合は、是非一度循環器専門医の医師に御相談下さい。
また、あなたが大丈夫でも、あなたのご家族やお知り合いにそういう方はいませんか?
あなたとあなたの大切な方を是非守ってくださいね。
もちろん、当クリニックに来ていただければ、あなたの血管の詰まり具合や予防方法をしっかりとお伝えいたします
(2014年3月の院長ブログから再掲載しています)
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
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平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
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平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
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こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『PM2.5とビタミンE』です。
皆さんも、テレビのニュースなどでPM2.5という言葉を聞いたことがあるかもしれません。PM2.5がたくさん飛散しているので注意してください、とよく言われますよね。
PM2.5とは大気中に浮遊している微小粒子状物質と呼ばれるもので、その大きさが2.5μm以下の非常に小さな物質です。
最近では中国のPM2.5濃度が上昇し、深刻な大気汚染の問題が着目されていますが、その結果、日本でのPM2.5の濃度が上昇し、様々な健康被害の危険性が心配されています。
PM2.5は工場から出てくる煙、自動車の排気ガス、石油取扱施設から蒸発、タバコ、などが大気中で光やオゾンと反応することで生まれるといわれています。
PM2.5は粒子が非常に小さいために肺の奥深くまで入りやすく、気管支喘息などの呼吸器疾患を引き起こすだけでなく、心臓血管病などの循環器疾患の危険性も高めてしまうと言われています。PM2.5は血管に炎症を引き起こし、心臓血管病を起こしてしまうと考えられているのです。
最近では、日本での排ガス規制などにより年間の平均濃度は減少傾向ですが、季節的な変動などもありますので普段から注意が必要と言えるでしょう。
PM2.5の注意喚起がなされたら、戸外での長時間の運動を避ける、マスクを着用するなど、基本的な対策は必須です。しかし、PM2.5で引き起こされる血管の炎症を抑える方法はないのでしょうか?
2016年にこんな研究発表がなされました。
『Effect of Vitamin E and Omega-3 Fatty Acids on Protecting Ambient PM2.5-Induced Inflammatory Response and Oxidative Stress in Vascular Endothelial Cells』
これは、PM2.5によって引き起こされる血管内皮細胞の炎症や酸化ストレスと、ビタミンEやオメガ3の効果について研究した報告です。
この報告によると、ビタミンEやオメガ3(青魚のEPAやDHA、亜麻仁油など・・・)がPM2.5による活性酸素(ROS)の上昇を減少させ、SODという活性酸素を減らす効果の高い酵素を増やしたというのです。
ビタミンEは、そもそも非常に抗酸化作用が高いビタミンですし、ω3は血液サラサラ成分とよく言われていますよね。
PM2.5という目に見えない公害、大気汚染から少しでも身を守るためにもこういった栄養対策という観点から考えてみることも非常に大切と言えます。
良質のビタミンや良質の油はあなたの健康を維持するためにはなくてはならない存在といえます。普段の食生活では十分とは言えないビタミン摂取量をサプリメントで補充するという方法は積極的に自分の健康を手に入れると考える人たちにとってもはや必須ともいえます。
良質の油も同様です。体に良い油を積極的にとり、体に悪い油をできるだけ避けていく。
当院では、医療機関でしか扱えない高品質のサプリメントや、院長がお勧めし実際に愛用している良質の油も提供しています。なにかご相談がありましたらお気軽にいらしてくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
健康を維持するうえで、薬も大事、運動も大事。でも、何よりも欠かせない最も大事なこと、それは日々の栄養管理です。
それは皆さんも御存じのこととおもいます。
当院でも、もっともっと来院される患者さんへの栄養に対する指導ができないかと感じていました。
そこで、ようやく、当院にとても心強い仲間、『管理栄養士』が加わることが決定しました。
塩分や糖分、脂質、そしてカロリーなどはどうすればいい?などよくわからないかた。
糖尿病などの生活習慣病の栄養指導を希望される場合。
心臓病の人の再発予防のための食事管理。
また、健康診断で軽度異常を言われたけれども、食事療法で何とかしたい。
もしくは、肥満に対する減量指導。
など、多くのかたにお役に立てればと考えています。
もちろん、当院受診されたことがない方でも、心配なかたは喜んでご相談にのらせていただきます。
日々の食事、栄養は健康の基礎の基礎。
あなたも一度プロの話を聞いてみませんか?
すぎおかクリニックでは、循環器内科や糖尿病、心臓病、糖尿病、生活習慣病の発症、再発予防に特に力を入れています。
病気の管理、運動の管理、薬の管理、検査の管理、そして栄養の管理。このすべてを網羅して始めて健康管理と言えると思います。
今後も、患者さんにもっともっと必要とされ、喜ばれるクリニックになれるよう、日々精進して参ります。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『高めの血糖と動脈プラークの関係』についてです。
糖尿病になってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化を起こしやすくなることは御存じの方も多いかもしれません。
実際、糖尿病のせいで、心臓だけでなく、目の血管が詰まったり、腎臓の血管に異常が出たり、足の血管が詰まったり、など全身の血管に影響が出やすくなります。
一方で、少し血糖が高めだけど、まだ糖尿にはなっていない人の場合、まだ動脈硬化、血管のプラークは正常なのでしょうか?
まだ糖尿じゃないから、動脈硬化や血管が詰まる、なんてことは考えなくても大丈夫なのでしょうか?
今日は、こんな研究論文をご紹介します
この研究では、糖尿の気が全くない健常人、糖尿病と診断されている人、若干糖が高めと言われている人、それぞれの動脈プラークを調べてみたという研究です。
この研究によると、まだ糖尿と言われていなくても、若干糖が高いというだけで、動脈のプラーク形成がおきていた、動脈硬化を起こしていた、というものでした。
糖尿病ではなくでも、高血糖というだけで、血糖が少し高めというだけで、動脈硬化が進みます。
動脈硬化が脳におきれば、それは認知症の原因になり、脳卒中の原因になります。
心臓に起きれば心筋梗塞の原因になり、腎臓に起きれば透析の原因になります。
血糖がほんの少し高いうちから、健康な血管を意識して、将来の病気をしっかり予防する必要がありますね。
当院では、頸部動脈エコー、心臓エコー、運動負荷心電図、ホルター心電図、ABI(血管年齢検査)などを用いて、動脈硬化に関する検査を行っています。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『アルコールと心臓血管病の関係』についてです。
アルコール消費量はいったいどこまでが安全なのでしょうか?このことに関しては今までもいろいろな情報が流れていました。
最近の研究では、アルコールは少ないほど良い、という結果が増えていましたが、それを示唆する研究データが世界の一流誌、Lancet誌に発表されました。
イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが約60万人を対象に調査。追跡期間は約7~8年。この間のアルコール摂取量と病気の関連性について報告しています。
研究結果は、安全といえるアルコール量は週100グラム以下、ということでした。
これを超えるアルコール消費をしていた方は、脳卒中のリスクが14%上昇。高血圧のリスクが24%上昇。心不全リスクは9%上昇。大動脈瘤のリスクは15%高まっていました。
さらに、研究チームはイギリスにおいて推奨アルコール消費量(週112グラム以上)を消費すると、寿命が1.6年短くなると推計しています。
例えばビール(5%のアルコール)で計算すると、ビール500mlだと、アルコールは約25グラム
ワインボトル一本(14%のアルコール)だと約アルコールは105グラムとすでに100g超え!
思ったより、1週間に飲んでもよいアルコール量は限られているようです。
安全なアルコール消費量、推奨されるアルコール消費量は国によってばらつきがあるようです。そしてこのデータがそのまま日本人に当てはまるわけではありません。
そして個人差もあります。いずれにしても過度のアルコールは心臓血管病の発症、たとえば脳卒中や心臓病、狭心症、心筋梗塞、大動脈疾患などに注意が必要だと言えそうですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
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こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。
今日のテーマは『オリーブオイルは心臓病を減らす』です。
オリーブオイルがとても体に良い、という話はよく聞きますよね。
善玉コレステロールを増やしたり、悪玉コレステロールを減らしたり。
これは、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の効能と言われています。
また、老化のもとになる酸化、子の酸化を抑える抗酸化作用の強いビタミンEをたくさん含んでおり、からだのあらゆる場面で健康に良いといわれています。
そんなオリーブオイルですが、心臓病に関してはどうなのでしょうか?
2014年にこんな論文発表がありました。
『Olive oil intake and risk of cardiovascular disease and mortality in the PREDIMED Study.』
これは、7216人の人を対象におこわわれた研究で、研究機関は約5年でした。
その結果、エクストラバージンオリーブオイルを使っていると、心臓血管病のリスクがなんと39%も減少したというのです。
これによるとオリーブオイルを1g/日多く服用すればするほど、心臓血管病や心臓血管死の割合が10%低くなるというデータでした。
そしてこの効果は普段の食事で地中海式食事法を摂っていたグル―プでのみ得られたということです。
一方でがんの予防効果は得られなかったそうです。
カラダにいいといわれている地中海式食事法。この食事法をベースにエクストラバージンオリーブオイルをさらに加えていけば、心臓発作がますます防げる可能性が出てきました。
心臓病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の予防に、オリーブオイル生活、始めてみませんか?
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『不整脈のお薬 アミオダロン』です。
アミオダロン(商品名 アンカロン)は、強力な抗不整脈剤の一つです。対象となる病気は、命に関わる心室頻拍、心室細動、肥大型心筋症に伴う心房細動で、なおかつほかの薬剤が無効な場合のみ適応になります。
アミオダロンというお薬は、内服薬(錠剤)だけでなく、注射薬も存在します。救急病院などで治療抵抗性の不整脈が出現した際に、このアミオダロンの注射薬は非常に重宝されました。僕も、医療センター勤務時には何度もこの薬で患者さんの重篤な不整脈を救いました。
アミオダロンの急性効果として注射薬を用い、慢性的な持続効果を狙って内服薬を継続する。そんな使いかたが一般的です。
今では、循環器内科医を中心として、多くの患者さんに使用されており、心臓発作や再入院の軽減に多大な貢献をしているとても効果的なお薬です。この薬を使わないことには不整脈のコントロールが充分にできない患者さんも大勢いらっしゃいます。
アミオダロンに限った話ではありませんが、すべての薬にはある一定の割合で副作用が存在します。
この、アミオダロンも例外ではありません。アミオダロン以外の薬では不整脈をコントロールできない人にはこの薬は欠かすことができないものです。しかし、この薬を漫然と服用するのではなく、どんな副作用があるのか、をしっかりと認識した上で定期的な副作用チェックを行わなければいけません。
では、アミオダロンの代表的な副作用をいくつかお示しします。
一つ目は、ほぼすべての抗不整脈剤に当てはまる、『催不整脈効果』です。催不整脈とは、抗不整脈剤を飲んで不整脈を抑えているつもりで、違う種類の不整脈を誘発してしまうというものです。催不整脈が起きる前には、安静時の心電図など異常が出ることが多いので、そちらの定期チェックをすることが必要です。
二つ目は、肝臓の機能異常。こちらも定期的な血液検査で肝臓機能をチェックすれば副作用を防げます。
三つ目は、肺の線維化です。アミオダロンの副作用に肺線維症というものがあります。これを予防するために、定期的なレントゲン写真や肺の線維化マーカーと呼ばれるKL-6という数値を血液検査で調べる必要があります。
四つ目は、甲状腺機能異常です。これはアミオダロンに『ゴイドロゲン』と呼ばれる甲状腺機能異常をきたす可能性のある物質が含まれているからです。ゴイドロゲンは、食物にも含まれており、ケールなどのアブラナ科の野菜に多く含まれていると言われています。アミオダロンの甲状腺機能異常をチェックするためには定期的な甲状腺機能を血液検査で調べる必要があります。
すべての薬にはそのメリットとデメリットが存在します。アミオダロンの内服も、本当に内服を継続するメリットが内服しないことよりも高いのか?そのことをしっかり考える必要があります。
すぎおかクリニックでも、不整脈治療に苦しみ、治療法に難渋していた多くの患者さんがアミオダロンを内服し、効果を享受しています。
もし、あなたやあなたのご家族でアミオダロンを内服しているのなら、定期的にしっかりと副作用チェックをされているかを確認してみてくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
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