タグ:動脈硬化

血圧はどこまで下げたらいいのでしょうか?

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『血圧はどこまで下げたら良いのか?』という話です。

先日、New England Journal of Medicine誌に、高血圧患者さんに対して血圧を厳格に下げたほうがいいのか?標準降圧でよいのか?に関する研究報告がなされましたので、シェアさせていただきます。

厳格降圧と標準降圧

対象者は約9000人。収縮期血圧目標120mmHg未満の厳格降圧群(4,678例)と、140mmHg未満の標準降圧群(4,683例)に分けて調べています。

約3.3年の追跡期間で、心筋梗塞や脳卒中、心不全、心臓血管死としてんのイベント数を調べました。

結果は、イベントの発生は標準降圧群で2.40%/年、厳格降圧群で1.77%/年と20%以上心血管イベントが厳格降圧群で低く、同様に全死亡率も厳格降圧群で20%以上の低下が見られました。

ただ、厳格降圧群が全てにおいてよかったわけではありません。

低血圧、電解質異常、急性腎障害/腎不全、失神などの重篤な有害事象が、厳格降圧群で有意に高頻度だったのです。

この研究から言えること

確かに血圧を厳格に下げると、死亡率は減りそうです。しかしながら一定の割合で血圧が下がりすぎる人もいる、腎機能が悪くなる人もいるなど厳格降圧は決して完全なものではないということです。

また、血圧管理は基礎疾患によって大きく目標値も変わってきます。

糖尿病や腎臓病、大動脈解離後など、条件次第では厳格な降圧が必須という方もいらっしゃいます。

また年齢によっても目標血圧値を考慮する必要があるかもしれません。

降圧剤を飲んでいらっしゃる方はぜひ主治医の先生と相談し、適正血圧を目指してくださいね

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。

医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。

どうぞ安心してご来院ください

 

 

 

糖尿病が軽くても認知症のリスクは高くなる

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『糖尿病が軽くても、認知症のリスクは高くなる』という話です。

糖尿病と血管病

糖尿病は動脈硬化の代表的な危険因子のひとつです。動脈硬化は血管を閉塞させ、その結果脳卒中や心筋梗塞などの病気の引き金になります。足の血管が閉塞すると、閉塞性動脈硬化症という病態で呼ばれ、進行すると下肢の壊死を招くこともあることもあります。目の血管に異常がでれば網膜症になり、腎障害や神経障害も。そして脳に関しても悪影響を及ぼします。脳卒中や認知症などがその代表です。

そのために糖尿病を如何にコントロールするかはとても大切な要素となります。では、どの程度まで血糖をコントロールしておけば大丈夫なのか?また、まだ糖尿になっていない場合安心だと言えるのか?

今回、糖尿病はおろか、前糖尿病(糖尿病の前段階、もしくはごく軽度の糖尿病の状態)でも認知症のリスクが高くなるという研究報告がでました。

糖尿病と認知症リスク

44万9,973人を解析対象として、正常血糖群(HbA1c5.4~6.0%)を基準に前糖尿病(HbA1c6.0~6.5%)、糖尿病の人たちでの認知症発生リスクを比較しています。

その結果、血管認知症のリスクが、前糖尿病の人で正常な人と比べて1.54倍、糖尿病では2.97倍にも上っていたことが判明しました。

この報告は、血糖値が比較的高いけれども糖尿病にはまだ至っていない段階での脳への影響を調査したものです。前糖尿病の段階から脳の血流阻害が始まっているということですね。

このことから、全糖尿病の段階から私達は血糖のコントロールを意識する必要があるということで、健康診断などで、糖尿病になりかけていますね、などと声をかけられたことがある方、一層の意識が必要です。

 

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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閉塞性動脈硬化症に対する運動療法の効果

こんにちは。船橋市の内科、循環器科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は『閉塞性動脈硬化症と運動療法の効果』についてお話します。

 

閉塞性動脈硬化症とは?

閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気はご存知ですか?この病気の多くは下肢の血管の狭窄、閉塞で様々な症状がでる病気です。

例えば、心臓の血管が詰まって心筋梗塞、脳の血管が詰まって脳梗塞という病気はご存知のかたも多いと思います。一方で下肢の血管が詰まって閉塞性動脈硬化症という病気になるということは知らない方も多数いらっしゃるようです。

糖尿病などで、下肢が壊疽を起こしていしまい、下肢切断というケースがありますが、これなどは糖尿病を原因として下肢閉塞性動脈硬化症を起こした結果、招いた病状です。

このように、下肢血管の狭窄や閉塞はしっかりと予防、治療、そして日頃の健康管理が欠かせません。

日頃の健康管理で最も重要なのが下肢を使うこと、すなわち運動です。

では、実際にどの程度の運動をするとよいのでしょうか?

特に一度閉塞性動脈硬化症を発症した場合、そして下肢血管に狭窄が残っている場合など、その後の運動、いわゆる運動療法はとても重要です。

今回、閉塞性動脈硬化症を起こしたかたがどの程度運動すると効果的なのか?についての論文が発表されたのでその点についてお話します。

閉塞性動脈硬化症と運動療法の程度

305例を対象に行われました。

グループは3つに分けられ解析されました。

(1)在宅で行う低強度(虚血性下肢症状を誘発しないペース)の歩行運動群

(2)在宅で行う高強度(中等症~重症の虚血性下肢症状を誘発するペース)の歩行運動群

(3)運動なし(対照群、65例)をそれぞれ12ヵ月間実施

簡単にいうと、グループ1は、対して下肢に負荷がかからない運動、グループ2は下肢が痛くなるほど負荷がかかるグループと考えてください。

6分間歩行距離を計測して、運動の評価を行いました。

そして、12ヶ月経過を観察したところ、高強度の運動負荷であるグループ2の人たちのみが、歩行距離が伸びたのです。

この研究から考えられることは、運動をする場合、やはりある程度の負荷をかけないと、十分効果が得られないどころか全く効果がないということになりかねない。つまり頑張りが報われないということです。

例えば、普段ウォーキングをしている人も、のーんびりとゆっくり歩くのか?それとも速いスピードで頑張って歩くのか?これだけでも効果が変わってくる可能性がるということですね。

運動、頑張りましょう

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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心筋梗塞や脳卒中の再発予防に緑茶が効果的かもしれない

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は『緑茶と心筋梗塞・脳卒中』についてお話します。

心筋梗塞という病気

まずは心筋梗塞について簡単に復習をしてみましょう。心筋梗塞や狭心症という病気は、心臓に栄養を送っている血管、冠動脈が狭窄ないしは閉塞してしまい、十分な栄養が心筋に到達しない状態を指します。

特に、心筋梗塞の場合は冠動脈の突然の閉塞に伴い、心臓の筋肉が壊死してしまうことがあり、それがもとで不整脈は心原性ショック、心不全、そしてそれが致死的になることもあります。ですから如何に心筋梗塞を起こさないか、そして運悪く一度発症したとしても、どうしたら心筋梗塞の再発を防げるのか?そのために普段どんな生活を送るべきなのか?がとても重要になってきます。

心筋梗塞の殆どは動脈硬化、動脈硬化が起こる原因の殆どは生活習慣の問題です。高血圧やコレステロール、血糖、肥満、アルコール、喫煙、に対する注意はもちろんのこと、動脈硬化を抑制する可能性のある食材に目を向けることも大切です。

もちろん体に良いものは摂るけれども、体に悪いものも遠慮なく摂っていては意味がないですけど。

今回、日本の研究者たちが脳卒中や心筋梗塞御の再発に緑茶が有効という研究報告をされました。

緑茶と心筋梗塞再発抑制

この解析はJACC研究のデータを用いて行われました。1988~1990年に参加登録された40~79歳の4万6,213人を約18.5年追跡しています。

その結果、緑茶の摂取量は、脳卒中または心筋梗塞の既往のある方では、緑茶の摂取頻度が死亡率と逆相関することが判明しました。具体的には、脳卒中既往者では緑茶を飲まない群に比較し、1日に3~4杯飲む群の死亡が56%に減少、5~6杯飲む群では52%、7杯以上飲む群では38%(同0.20~0.71)でした。心筋梗塞既往のある方も同様で、1日に7杯以上飲む群は死亡リスクが47%に減少していました。一方、脳卒中や心筋梗塞の既往のない人では、緑茶摂取量と死亡リスクに有意な関連は認められませんでした。

緑茶に含まれているフラボノイドがこの様な結果をもたらしたのかもしれませんが、詳細までは不明です。

緑茶を多く飲む人と、そうでない習慣の人たちでは生活のリズムに大きな違いがある可能性も否定できません。

ただ、この結果を踏まえ、少なくとも普段の生活習慣に緑茶を積極的に取り入れてみることは悪いことではなさそうです。

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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寒いところで運動したほうが脂質は燃える

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『寒いところでの運動と脂質改善効果』の話です。

脂質異常症

脂質異常症は、動脈硬化や心臓血管病の危険因子の一つです。脂質の中のLDL コレステロールが極めて高値になると、心筋梗塞のリスクが高くなるのはもはや多くの人が知っていることと思います。

特に、酸化した脂質は非常に毒性が高く、容易に動脈硬化を形成していきます。そのためには脂質を酸化させない、そしてそのためには酸化している食材を控える、抗酸化食材を摂る、などが大切です。

しかし、血液中の脂質の数字をみても、どれくらい酸化しているのか判断できませんし、体内に蓄積している脂肪組織のどれくらいの割合が悪さをしているのか?もわかりません。そう考えると、そもそも私達は体内の脂肪組織をへらすことは必要なの?という疑問も湧いてしまいます。

しかし、体内の脂肪組織量をへらすことには別の面から違った意義があります。

それは、脂肪組織から分泌される生理活性物質です。脂肪組織には本当にたくさんの役割があり、体温維持や栄養の貯蔵庫だけではありません。脂肪組織はアディポネクチンと呼ばれる、動脈硬化の抑制に非常に効果を示す物質を分泌します。しかしながらややこしいことに、アディポネクチンは小型化した脂肪細胞から分泌されます。つまり、肥満体型のような方の脂肪細胞からはアディポネクチンは分泌されづらいのです。

そういったことからも、体内の脂肪組織は増やしすぎない、燃焼させることが極めて大事になります。

では、どうしたら脂肪組織は燃焼しやすくなるのでしょうか?そしてどうやったらより効率的に燃焼できるのでしょうか?

今回、そんな研究が報告されました。

それは、寒いところで短時間の高強度のインターバルトレーニングを行うと、脂肪燃焼の効率が高かったというのです。

脂肪燃焼と寒冷

これは、ローレンシャン大学(カナダ)のStephanie Munten氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Applied Physiology」に掲載されています。

今まで、数々の研究で、中等度のトレーニングを長時間行ったときと、高強度のトレーニングを短時間行った場合、高強度短時間トレーニングの方が脂肪燃焼効率が高かったという報告が見られています。

しかし、運動をしているときの周辺温度の違いが脂質の燃焼効率をどの程度変化させるのか?に関しては不明でした。

そこで今回の研究では、11人(男性7人)の方を対象に(平均年齢23±3歳)、こんな環境下で運動をしてもらいました。

それは、参加者全員に対して21℃の通常室温の条件と、0℃に設定した寒冷条件で、同一の高強度インターバル運動を、それぞれ別の日に行ってもらうというものでした。

高強度インターバル運動の内容は、高負荷設定された自転車エルゴメーターを60秒間できるだけ速くこぎ、続く90秒間はインターバルとして低負荷でゆっくりこぐ。これを10回行うというもの。

内容見ると結構な高負荷ですけどね(汗)

その結果、同じ運動でも、寒い環境で運動を行った方が温かい環境で行うよりも脂肪燃焼量が多いことがH示され、その差は約4倍に上ったのです。

この研究から言えること

今回の研究から、有酸素運動などの中強度負荷の運動も、寒冷環境で行ったほうが効果的なのか?まではわかりません。これを闇雲に信じて、朝一番の寒い朝などにいきなり外に出て運動を始めると逆に心臓発作を起こしかねません。心臓発作は朝の寒いときに一番起こりやすいのです。また、寒冷環境はどの程度の寒冷下で硬化がでてくるのかも不明で、今後の研究が待たれるところです。

でも、温かい環境下でのんびりと運動に甘んじるのではなく、ある程度温度を低い環境での運動を意識することも必要なのかもしれません。

脂肪を燃焼させ、肥満を改善し、運動で心肺機能を高めることは、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの予防に極めて高い効果を示すわけですからね。

 

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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高齢者の認知症リスクと趣味の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『認知症と趣味の関係」についてお話します。

認知症と動脈硬化

認知症ときくと、アルツハイマーを一般的には思い浮かべがちです。しかし、実際には動脈硬化を基礎とする「脳血管性認知症」の方が、数多く存在します。

脳血管認知症は、脳梗塞や脳出血により血管が詰まったり破れたりすることで脳の組織の一部が破壊されたり、働きが低下していくことで進行します。手足の麻痺、しびれのような脳卒中様の症状を呈することもよくあります。

そして、これらの原因は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に伴う動脈硬化となります。

ですから、認知症を起こさないために、そして動脈硬化を進ませないために、普段からの生活習慣に留意することはとても大事です。

よく言われるのが、適切な食事バランス、有酸素運動、禁煙、節酒、肥満の回避、十分な睡眠、ストレス回避、などです。

でも、どうやらそれだけではないようです。

今回、認知症と趣味の関連性についての研究が報告されました。

認知症と趣味の数

千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査し、日本公衆衛生雑誌2020年号に報告しました。

65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人のうち、365日以上フォローアップできた4万9,705人について分析をしています。

フォローアップ期間中に発症した認知症は9.6%。

そして、ある趣味が認知症発症リスクの低下と関連していたことが判明しました。

男女ともに当てはまった認知症低下リスクとして、グラウンドゴルフと旅行が挙げられました。認知症リスクは約20%低下したそうです。

また、男性ではゴルフやパソコンでリスクが40%程度低下。釣りや写真で20%低下が見られました。

一方女性では、手芸やガーデニングで20%程度の認知症リスクの低下が見られています。

そして、趣味の内容に関わらず、趣味の数が増えることで男女ともに認知症のリスク低減が見られたのです。(男性16% 女性22%)

動脈硬化と血管のつまり

今回は、認知症と趣味の関係についてお話し、同時に認知症には脳血管性とよばれる血管のつまり等によっておきる認知症が多いこともお伝えしました。

生活習慣に伴う動脈硬化にはほとんど症状がでません。症状が出たときには完全に血管が詰まった時、またはつまりかけた時、そして驚くべきことに血管が詰まっても症状すらでないケースも存在します。

そして認知症自体が動脈硬化に関連しているという認識も周知されていません。

動脈硬化は、認知症などの脳血管障害だけではなく、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓障害や、閉塞性動脈硬化症と呼ばれる足の血管のつまりなどそれこそ全身に起こります。

血圧が高い方、糖尿の気があるかた、コレステロールや中性脂肪が気になるかた、肥満気味の方など、改めて生活習慣を振り返り、自分の動脈硬化がどんな状態なのかを定期的に調べてみて下さい。

そして、趣味をたくさん持ちましょうね

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

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血管の機能と座りすぎの関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、「座り過ぎは血管の機能にどんな影響を及ぼすのか?」についてお話します。

血管の老化

血管はもちろん年齢を重ねるに連れ、機能が落ちていきます。いわゆる老化です。

血管の老化、機能低下といえばまずは動脈硬化が思いつきます。

動脈硬化とは、血管の壁にプラークと呼ばれる塊が増えている状態で血管は硬化し、狭窄し、プラークが増大するとやがて閉塞に至ります。

血管が閉塞すると、心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など様々な疾患を合併していきます。

それぞれの疾患に関するお話は別のブログでもかいていますので、参考にして下さい。

動脈硬化による血管壁プラークは、頸動脈エコーという検査を行うと、一目瞭然でわかりますし、血管の硬さはABIという検査で簡単にわかります。

高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙などのかたは動脈硬化を起こしやすいので、こういった検査を定期的に行う必要があります。

このように、動脈硬化を起こしているとある程度の検査で血管の状態を把握できますが、実は血管は動脈硬化で実際に血管が固くなる前からじわじわと血管の機能が低下していきます。

血管の機能とは、血管が正しく収縮し正しく拡張する能力のことです。

そして、正しく血管が収縮拡張を繰り返すために、血管の壁の内側にある血管内皮細胞が重要な役割を果たしています。詳しく言うと、この細胞からNOという物質が分泌されて血管が拡張しています。

ですから、私達は普段から血管の機能を落とさないためにNOを出しやすくする生活に心がける必要があるわけです。

そんな中、血管機能に関するある論文が報告されました。

座り過ぎと血管機能に関する研究論文です。

座り過ぎと血管機能の関係

これは、オーストラリアン・カトリック大学のFrances Taylor氏らが、糖尿病患者を対象に行った研究で、詳細は「American Journal of Physiology. Heart and Circulatory Physiology」に掲載されています。

対象は、35~70歳の肥満2型糖尿病患者24人。対象者全員に、7時間にわたって座位を維持する試験を行いました。

3つのグループにわけ、1グループ目では7時間中断なく座位を保つ。2グループでは30分ごとに3分間の簡単な筋力運動を行い、3グループでは1時間ごとに6分間という2グループよりも長めのの筋力運動を行いました。

血管機能は、血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilation;FMD)とよばれる血管内皮細胞の機能を評価する検査を行っています。

その結果、30分ごとに座位を中断し、簡単な筋力運動を行うと、座位持続グループと比較して、血管機能が改善されることが判明しました。そして、1時間毎に座位を中断し筋力運動を行っっても、座位持続グループと比較しても血管機能の改善は見られなかったのです。

この研究から言えること

ということは、座位による血管機能の低下を防ぐためには、座位を中断する頻度のほうが、中断中に行う運動の時間の長さよりも重要だといえるのかもしれないのです。

長い時間をとってまとめて運動しなくても、短時間の運動をちょこちょこ行うと、逆に血管には良いのかもしれませんね。

普段、運動に多くの時間を割けないという理由で全く運動をしない人もいます。今回の論文では、短い運動の効果を示してくれました。時間がなくてもこまめに身体を動かして行きましょう。

そういったことが動脈硬化を防ぎ、心臓病・脳卒中を防ぐことにつながっていくと思います。

 

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糖尿病は地中海式食事法で良くなる

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『糖尿病と地中海食』についてです。

地中海式食事法

地集会式食事法とは、地中海地方に住む人たちの代表的な食事法で、健康長寿につながる、心臓病予防に良い、など非常に効果が高いと言われています。

その内訳は、オリーブオイル、果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツなどが豊富なことが特徴です。

具体的には以下のとおりです。

  • パンやパスタなどの穀類を多く取る。
  • 野菜や果物を毎日食べる。
  • ナチュラルチーズとヨーグルトも毎日。
  • 毎週、豆やナッツとイモを取る。
  • 油はオリーブオイルを使用する。
  • 食事と一緒に適量の赤ワインを飲む。
  • 赤身の肉(牛と豚)は月に数回まで。
  • 鶏肉、卵、魚介類は週に数回まで

ただ、パンやパスタが多いのは、西洋の特徴であり、ここらへんは日本人には当てはまらないかもしれません。

大切なことは、これら炭水化物を摂るときに精製度の低いもの、全粒穀物をとる工夫が必要と言われています。

全粒穀物とは、精白などの処理を行わず、糠となる種皮や胚といった部位を除去していない穀物で、その製品としては、具体的には玄米、全麦パン、オートミールなどが挙げられます。

そして脂質としてオリーブオイルをたくさん摂っているのがこの食事法の中心的存在とも言えます。

オリーブオイルには、動脈硬化の抑制効果、心臓病予防効果等があると言われています。

また、摂取量ですが、ギリシャの人々は1年間に17.9キロものオリーブオイルも消費するそうで、これは毎食ごとに15mlのオリーブオイルを摂っている計算になります。

地中海式食事法と糖尿病

今回、地中海式食事法をとることで、糖尿病の発症を抑えることが期待できる、という報告がなされました。

『Association of the Mediterranean Diet with Onset of Diabetes in the Women’s Health Study』

対象者は薬2万人、追跡期間は約20年。その結果、地中海式食事法を続けることで糖尿病の発症が3割低減したとのことでした。ただし、これはBMI25以上の肥満気味の方にのみ当てはまるものでした。

また、インスリン抵抗性が低いことがこの結果に寄与していることも判明した。

インスリン抵抗性は糖尿病に関わらず、心血管病の原因とも深い関わりがあり、長期間にわたる健康的な食事法の重要性が改めて認識できたのではないかとおもいます。

 

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肥満のリスクを高める食習慣

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『肥満と食習慣』についての話をします。

肥満と食事

そもそも、偏った食事をしたり、甘いものを食べ過ぎたり、食べる量が多かったりすると肥満を招いてしまうのは当然ですよね。

そのために私達は、普段から食事には意識を向けていく必要があります。

肥満は、生活習慣病を高率に合併します。それは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などがそれに当たります。

生活習慣病が動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病を引きおこしてしまうのもご存知ですよね。

偏った食習慣とは、いわば不健康な食習慣。糖分過多やカロリー過多、油もののとりすぎはその典型です。

このようにどういった身体のよくないものを食べているるか?ということ以外に、普段どんな食べ方をしているか?その食べ方自体が肥満を招くことがないのか?そんな研究が日本の久山町研究から報告されています。

肥満と間違った食習慣

この研究の対象者は、2014年に住民健診を受診した40~74歳の福岡県久山町の地域住民1,906人。インタビューにより、「間食をするか」、「他人よりも食べるのが速いか」、「就寝前2時間以内に食事をするか」という3つの食習慣を把握し、その食習慣の有無と、肥満(BMI25kg/m2以上)および腹部肥満との関連を検討しています。

得られた結果は、3つの不健康な食習慣すべてにおいて、それぞれ有する群は有さない群よりも、肥満・腹部肥満の頻度が有意に高いことが判明しました。

そして、肥満に関しては、該当する食習慣が1つもない場合に比べ、1つ該当する場合は肥満リスクが1.53倍、2つでは2.62倍、3つでは3.65倍でした。腹部肥満の検討でも1つでは1.53倍、2つでは2.28倍、3つでは2.87倍とリスクが上がっていました。

また、肥満に関しては運動習慣のない人、男性、59歳以下の人、に多くみられたとのことです。

この研究からの考察

健康を維持するために、どんなものを食べないようにするか?ということには意識が向いても自分のライフスタイルの中でどんな食習慣をしていたか?にまで意識が向いていない人も多いのではないかと思います。

何気ない間食、時間がないからといってついつい早食いをしてしまう、仕事の帰りが遅く、夕食をたべたらすぐに寝てしまう。

今年は、こんな食習慣の中で、一つでも減らせるもの、ゼロにはできなくても頻度を減らせるもの、きっと何かあるはずです。

みなさん、健康な1年を是非お過ごしください。

 

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