速い歩行は寿命を延ばす
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、「歩行速度と寿命の関係」についてです。
心肺機能と平均寿命
多くの研究で、心臓機能が低下している人、呼吸機能が低下している人は平均寿命が健康な人に比べると短いといわれています。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、肥満や痩せすぎも平均寿命に影響を及ぼしています。
このたび、アメリカのメイヨークリニックからこんな研究報告がでました。
それは、ウォーキング(散歩)の時の歩くスピードが平均寿命に関連しているか?という研究です。
歩行速度と平均寿命
この研究は以下の通りです。
目的
歩行ペース が体脂肪の異なるレベルにわたる平均余命とどの程度関連しているか?
患者と方法
参加人数は驚異の474000人以上が参加した研究で、通常の歩行ペース(ゆっくり、安定した/平均、活発として定義)、ボディマスインデックス(BMI)を測定。約7年にわたって追跡調査されました。
結果
活発なウォーキングペースを報告した参加者は、女性で86.7歳から87.8歳まで、男性で85.2歳から86.8歳までの範囲で、すべてのレベルのBMIにわたって寿命が長くなっていました。逆に、遅い歩行ペースを報告した被験者は平均寿命が短く、BMIが20 kg / m 2未満の遅い歩行者で最も低かったという結果でした(女性:72.4歳、男性:64.8歳)。
つまり、活発な歩行者はより長い平均余命を持っていることがわかり、そしてそれは異なるレベルの肥満指数(BMI)にわたって一定であったというのです。
この研究からいえること
より速く歩いているということは、非常に低強度の形態の心臓と呼吸のトレーニングを行っていると言えるかもしれません。そしてそれを定期的に行うということで、心臓を強化することにつながるのでしょう。
心臓の病気を防ぐために、日頃から生活習慣に気をつけましょう、体によい食事、定期的な運動がよい、と言われています。
しかし、普段の歩行速度をちょっとだけ早めるだけで長生きできるなら、やらない手はないですよね。