こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニックの杉岡です。
今日のテーマは、『部屋を明るくして寝ると、肥満を招くのか?』です。
皆さんは、夜眠るときに部屋の明るさをどうしていますか?
真っ暗にしていますか?薄明り?それとも明るくしていないと眠れない派でしょうか?
今回、女性を対象にして、部屋の明るさが肥満と関連しているというなんとも衝撃的な研究報告が出されました。
『Association of Exposure to Artificial Light at Night While Sleeping With Risk of Obesity in Women.』
目的:睡眠中の人口光が肥満のリスクに関連しているかどうか
対象者は2003年7月から2009年3月までに登録した35〜74歳の女性。人数はなんと合計43,722人の女性が登録されました。追跡期間は約5.7年でした。
結果:睡眠中に人口の光による暴露を受けた人では肥満率の上昇が約19%と関係性が見られました。そして5kg以上の体重増加のリスクは17%増加。そして全体的な肥満リスクは33%も増加していたことがわかりました。
これらの結果は、睡眠中の人工光への曝露が体重増加や肥満の発症の危険因子となり得ることを示唆しています。
しかし、明るい光が直接肥満をもたらす原因となっているのか、明るい光がないと眠れない肥満のかたには何かホルモンバランスの乱れが隠れてるのか?そのあたりは不明だと思われます。
また、明るい光を睡眠の質を低下させます。
私たちの睡眠の質は以前と比べ、かなり低下しているとも言われています。しかし、睡眠の質の低下は偏った食事や運動不足などの生活習慣の乱れが深く関わっています。
やはり日頃からの塩分制限や、甘いものを控える、バランスのとれた食事を摂るなどのごく当たり前のことを意識することから始めるということになりそうですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは「食事のくみあわせと心臓病の関連」についてです。
今までの多くの研究では、野菜の摂取と心臓病の関連、魚の摂取と心臓病の関連、といったように単一因子での研究報告は数多く出ていましたが、食事因子と心臓病の関連に関しての報告はなかなか見当たりませんでした。
このたび、滋賀医科大学のグル―プが「NIPPON DATA」に基づいた食事因子と循環器疾患の死亡リスクに関する評価表を作成し、日本循環器学会誌に報告しました。
研究グループは日本人の男女9115人を対象に、29年間の追跡データから分析。
野菜、果物、魚、食塩の1日摂取量を評価し、それぞれの推奨量に対する不足を比較し、複数のカテゴリーに分類。
野菜は1日350グラム以上食べているか?魚は80グラム以上食べているか?
果物は200グラム以上か?塩分は8グラム以下か?
以上の目安で、追跡期間中の循環器疾患(脳卒中および心臓病)による死亡リスクとの関連を分析しています。
そして、その関連を一つの表にまとめたのです。
この表によると、塩分摂りすぎと制限のグル―プで心臓病死亡リスクに差があり、野菜は野菜で多くとっていることが心臓病死亡リスクを減らしています。同様に魚を多く食べたり、果物を多く食べることもリスクを軽減しています。
そして、野菜、果物と魚の摂取量が少なく、塩分摂取量が多いという4つ全てのリスクを持っているグループは、そうでない標準グループと比べて循環器疾患死亡リスクは2.87倍にも上昇していました。
この表はとても優れものです。野菜や果物、魚をしっかり摂り、塩分を控えめにするという当たり前のことを当たり前に継続することが、何よりも健康維持に大切だということですね。
心臓病を予防するために、様々な薬が開発されています。
でも、一番大切なことはやはり食事ですよね。
血管の動脈硬化は症状が非常に出づらいものです。血管はある日突然詰まるものではありません。
動脈硬化はある日突然始まるわけではありません。
正しい食事による日々の積み重ねこそが、心臓病つまり心不全や狭心症、心筋梗塞、そして脳梗塞などを防いでくれます。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『腹部大動脈瘤の治療』です。
腹部大動脈瘤とは、腹部を流れる大動脈が瘤状化している状態で、簡単に言うと、腹部の血管に大きなこぶができたような感じです。
腹部大動脈瘤は、一般的に全く症状がなく、健康診断などでたまたま発見されるケースがほとんどです。
気づかないと、知らないうちにどんどん大きくなり、腹部大動脈瘤破裂という状態を引き起こし、運が悪いと突然死の原因にもなる怖い病気です。
腹部大動脈瘤の治療には大きく分けて二つあります。一つは開腹(お腹を切る)して、動脈瘤を切除し人工血管を新たにつなぐ方法。もう一つは、ステントグラフト術といって、ステントと呼ばれる土管を大動脈瘤の中に留置してくる方法です。
この方法は、開腹する必要がないので、体の侵襲(負担)も小さく手術の危険性が高い高齢者などによく行われる手術です。
今までは、開腹術のほうがステントグラフトにくらべ、長期的成績が良好でした。
しかし、最近、これら2つの治療群には長期成績に差がないことがニューイングランドジャーナル誌(NEJM)に報告されました。
Open versus Endovascular Repair of Abdominal Aortic Aneurysm
腹部大動脈瘤は、自覚症状がほとんどないので、検査で発見するしか方法がありません。
一番有効で、手軽な方法が腹部超音波検査(腹部エコー)検査です。
高齢の方、動脈硬化のリスクを持っている方、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満のある方。
心臓病や脳卒中の既往のある方、またはそういう方が家族の中にいる方。
是非腹部大動脈瘤の検査を受けられることをお勧めします。
気になるかたは、お近くの循環器専門医のいる病院でチェックしてもらってくださいね
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『糖尿病で動脈硬化が進む』です。
ご存知ですか?全心筋梗塞の患者さんの約1/3は糖尿病です。
ご存知ですか?全脳梗塞の約半分は糖尿病です。
糖尿病の人は、糖尿病でない人の約2倍から3倍これらの病気にかかりやすい、と言われています。
糖尿病の人がこれらの病気にかかりやすい理由、それは糖尿病の人が動脈硬化が進みやすいから、です。
動脈硬化では、血管の壁にコレステロールがもぐりこみ、血管を硬くさせ、詰まらせます。
そして、コレステロールは酸化すると血管の壁に潜り込みやすくなるのですが、
糖尿病の人は、この酸化が非常に起こりやすいのです。
そして血管の壁に蓄積された酸化されたコレステロールの塊はプラークと呼ばれます。
そして、知らないうちにプラークがどんどん巨大化し、最後には血管を詰まらせます。
これが、心臓に来ると心筋梗塞、脳に来ると脳梗塞になります。
糖尿病では、ただ血糖を管理すればよいというものではありません。
大事なことは、これら動脈硬化の進行度をしっかりと観察することが大切です。
そのための検査が、頸動脈エコーで頸の動脈硬化を見る。ABI検査で足の動脈硬化を見ある。
心臓エコー検査や心電図で心臓の動脈硬化を見る。
糖尿が気になる方や、ご家族に糖尿の方がいる場合、是非お近くの循環器専門医のいる病院でチェックしてもらってくださいね
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
血圧が上がってきた、血糖が高いと言われてしまった、体重が増えてきた、などそろそろ食べ物や栄養を意識し始めている方も多いと思います。
では、正しい栄養の摂り方ってわかりますか?
わからないことはプロに聞く、それが一番です。
当院には栄養のプロ、管理栄養士が在籍しており、定期的に栄養指導を行っています。
これは、あらゆる生活習慣病が役に立ちます。
高血圧や糖尿病、コレステロールや中性脂肪、痛風、肥満はもちろんのこと、すでに生活習慣病が原因で病気を起こしてしまった人。たとえば、心筋梗塞や脳卒中などの心臓病、脳梗塞や閉塞性動脈硬化症、脂肪肝などなど。
日頃の食生活、食の選び方こそが健康の基本です。
あなたのその食事、栄養バランスは大丈夫ですか?
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『狭心症になったら?』です。
狭心症は、動脈硬化などが原因で、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が細くなってしまう状態です。
一般的には心臓の血管が90%以上狭くなって、初めて胸の不快感などの胸痛が起こります。
また、症状は典型的な胸痛以外に、背部痛、肩の痛み、心窩部痛など多彩です。
しかも症状が出た時には心臓の血管は完全に詰まってしまう一歩手前なので、素早い対処が必要になります。
この対処が遅れると、急性心筋梗塞をおこし、命取りになりかねません。
狭心症が疑われた場合、まずは心電図の検査を行います。しかし、安静時の心電図では異常をきたさないことも多く、その場合は運動負荷心電図を行う必要があります。
ただ、やみくもに運動負荷心電図を行うと、心筋梗塞を誘発する可能性もありますので、循環器専門医のいる施設での検査が望ましいところです。
そして、狭心症の可能性が高い場合はCT検査やRI検査なども行われます。
診断率が一番高いのは、冠動脈造影検査といって、カテーテルという管を心臓に通して、血管の状態をくまなく検査するものです。時間は30分程度で終わります。
一番スタンダードなのが、ステント留置術です。
狭心症としてみつかった心臓の血管の細い部位にステントとよばれる金属の土管を留置するものです。
他には、狭窄が重篤な場合は冠動脈バイパス手術、逆に軽い場合は薬物療法を行います。
ステント治療などで、心臓の血管が広がっても、大事なことはその原因をよくすることです。
狭心症の原因は、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病、喫煙、ストレスなどです。
また、狭心症をきたした人は、再発や心臓以外の血管が詰まってくることもありますので、定期検査がとても重要になって来ます。
皆さんも、ご自分の心臓の血管、動脈硬化の状態は意識しておいてくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心臓肥大』です。
健康診断などで、心臓肥大または心肥大があるといわれたかたもいらっしゃるかもしれません。
健康診断でいわれる心臓肥大は、たいてい心電図か胸のレントゲン写真で指摘されたものです。
ところで心臓肥大とは何でしょうか?
心臓が大きいこと?
これは、ある意味正解でもありますが、不正解でもあります。
心臓肥大とは、心臓の筋肉が人よりも分厚くなっている状態を示します。
高血圧などで、心臓の働きがたくさん必要とされる場合など、心臓が力強く血液を送り出すために、
心臓が筋肉質になるような状態です。
つまり、心臓が大きくても大きくなくても、心臓の筋肉が厚くなっていれば、「心臓肥大」なのです。
例えば、体の大きな人でも筋肉質の人と、そうでない人がいます。
身体の小さな人でも筋肉質の人もいます。
ですから心臓もその大きさだけでは心臓肥大は判断できません。
特に、胸のレントゲン写真は、心臓全体をぼんやりと映すだけですので、心臓の筋肉の状態まではわかりかねるのです。
では、心臓の筋肉の厚みを知る一番知る良い検査方法は何でしょうか?
それは、『心臓エコー(心臓超音波)検査』です。
心臓エコー(心エコー)検査では、そのひとの心臓の厚みが正確にわかります。
心臓肥大は、ただ厚いことが問題なのではありません。
大切なことは、なぜ心臓の筋肉が厚くなっているのか? それに伴って心臓の機能はどうなのか?
不整脈は出ていないのか?などなど考えなければいけないことがたくさん出てきます。
心臓肥大を起こす病気はたくさんあります。代表的なものは、『高血圧』や『肥大型心筋症』です。
特に、肥大型心筋症という病気は突然死を起こすこともあります。
健康診断などで、心臓肥大を指摘された場合、是非一度、循環器専門医のもと、心臓エコー検査を受けることが必要です。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『お酒の飲みすぎと認知症』です。
一流の医学誌、Lancetにフランスの研究チームがなんと約3000万人!!を対象に行った調査があります。
この論文によると、アルコールを過度にとりすぎると認知症の発症リスクが高くなったとのこと。そして早期発症型認知症の発症リスクにアルコール過量摂取が強く関わっていたというのです!
この研究結果では、アルコール使用で認知症発症リスクが男性で3.4倍、女性で3.3倍に上昇しているのがみられました。
また、65才以前に発症した早期認知症の発生は認知症全体の5.2%いたのですが、早期認知症の半数以上がお酒の飲みすぎと関連していたというのです。
この研究では、アルコールの飲みすぎが認知症発症に強く関わっているのがはっきりしました。
では、どの程度が飲みすぎ、大量飲酒と言えるのでしょうか?
WHO(世界保健機関)は1日当たりのアルコール量を男性で60g、女性で40g以上を大量飲酒としています。
ワインでグラス一杯でアルコール10g以上です。つまり、女性だとグラス4杯のワインを飲み続けることは好ましくない、ということです。
高血圧や喫煙など、生活習慣の乱れも動脈硬化をおこし、認知症の原因になるとも言われています。
認知症予防のために、アルコール制限だけでなく、生活習慣の乱れを防ぐこともとても大事なことですね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『メタボと心筋梗塞』です。
メタボとは、メタボリック症候群の略です。メタボリック症候群とは、内臓脂肪が多く肥満気味、それに加えて高血圧や脂質異常症などを合併している人たちのことを指します。
メタボリック症候群には診断基準というものがあります。
まずは必須項目として、腹部の肥満があり、男性腹囲85cm以上、女性腹囲90cm以上が対照になります。
続いて血圧が130/80mmHg以上、空腹時血糖110mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満の2項目以上があてはまることが条件となります。
メタボリック症候群になると、動脈硬化が大幅に進行するといわれています。その理由は内臓肥満のもと、脂肪細胞にあります。内臓肥満をひきおこすと、肥満細胞からTNF-αと呼ばれる悪玉因子が分泌されます。これがインスリン抵抗性を引き上げ、糖尿病リスクを格段に引き上げます。これが糖尿病や動脈硬化のもとになるのです。
そのために狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなります。そのほか、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病のリスクも上がります。
それらを回避するために何よりも生活習慣のコントロールが大切になります。適切な体重管理、適度な運動や正しい食習慣、タバコやアルコールの制限、十分な睡眠、ストレス回避などが非常に大事になってきます。
メタボを放置し続けることによって、動脈硬化のリスク、糖尿病のリスク、心筋梗塞のリスクがどんどん上がっていきます。大きな発作、心筋梗塞などをおこしてからもっとやせておけば良かったと思っても時すでに遅し。早め早めの予防に心掛けましょうね。
メタボの人が動脈硬化を起こしているかどうかは、頸動脈エコーという首の血管を検査したり、CAVIという両手両足の血圧を同時に測る検査などで推測できます。気になる方は、是非一度すぎおかクリニックへご相談くださいね。