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心臓の健康状態を計る簡単なチェック法

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、あなたの心臓が健康なのか?を簡単にチェックできる方法についてご紹介します。

心臓のことを調べる検査

心臓の状態を調べるにはいくつかの検査方法がありますよね。

真っ先に思い浮かぶものといえば、健康診断などでも行われている心電図があります。

そして詳細な心臓の機能を調べる検査に心臓超音波検査(エコー検査)があります。

また、病院では度々運動負荷検査というものを行います。

これは、階段の上り下りやベルトコンベアー、または自転車などで一定時間(といっても大抵は数分です)運動をしていただきます。

すると、心臓に何かしらの異常が疑われる方だと検査結果に異常がでてきたり、または運動負荷中になにかしらの症状が出てくることもあります。そして、心臓の機能が落ちている人は、この運動に対する能力(コレを運動耐容能と呼びます)が低下していることが往々にして見られます。

つまり、運動をおこなうと、心臓に異常がないかをある程度把握できることになります。

階段を使った簡単な心臓チェック方法

スペインの、ア・コルーニャ大学病院の研究チームが、階段を4階まで1分以内に上ることができれば心臓の状態は良好である可能性が高いことを示した研究結果を欧州心臓病学会というヨーロッパでの学会で報告しました。

研究対象のかたは、冠動脈疾患の既往のあるかたや冠動脈疾患が疑われた165人です。

研究方法としては、トレッドミルというベルトコンベアーの上を歩く運動負荷試験を施行。疲れるまで負荷を続けます。その際に、METSといわれる代謝当量を計測。その後、15~20分間の休息を挟んで、階段を上る試験を行いました。1階から4階まで60段の階段を走らずに、かつ、立ち止まらず上るというものです。

トレッドミルによる運動負荷試験で得られたMETsと階段を上るのに要した時間を比べた結果、40~45秒以内に4階まで上れた人は、トレッドミル試験でのMETsが9~10以上であることが判明しました。

これが何を意味するのか?というと、運動負荷試験で10METs以上の運動耐容能が確認された人の死亡率は、1年で1%以下、言い換えると10年以内に10%以下であることが数々の研究から示されているのです。

そして、階段をのぼるのに1.5分以上かかった人は、トレッドミル検査から換算したMETsは8METs未満。このMETs量は、1年当たりの死亡率が2~4%、10年以内ではなんと30%の死亡率に相当してしまうのです。

この検査からいえること

この検査は、心臓の健康状態を階段をのぼる時間から簡単に推測でいるということで誰もが簡単にできる非常に簡便な計測法です。

簡便であるだけに、様々な限界(この検査では心臓の健康状態を詳細に把握できないという限界など)が考えれれます。

それだけに、自分が階段をどれくらいの時間で上れるか?これをスクリーニング検査として気軽に行っていただき、もし何かしらの異常が自覚できるようであれば、医師に相談するということも必要です。

そして、このチェック法は心臓以外の疾患をあまり考慮していないという点もあります。例えば慢性閉塞性肺疾患や喘息などの呼吸器疾患のあるかたや貧血のかた。または運動骨格系の疾患を抱えてる方など。

あらためて、普段運動されていない方、生活習慣病を抱えてる方、肥満気味の方など、自分の心臓は大丈夫かな?と思うようであれば是非一度チェックしてみて下さい

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。

医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。

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