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抗凝固療法の講演会の座長をしてきました

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

先日、『抗凝固療法』に関する講演会の座長を務めてきました。

抗凝固療法とは、いわゆる血液をサラサラにする薬をどう正しく使っていくか?という治療法の一つです。

特に、心房細動などの不整脈では心臓の中に血栓(血の塊)が容易にできるため、それが原因で脳卒中を起こすことがあります。

運が悪いと命に関わることもあるため、この治療法はとても大切なのです。

薬を投与する場合も、やみくもにこの人は心房細動だから直ちに抗凝固療法だ!と考えるのは早計です。

全ての投薬治療には良い面と悪い面があります。

それらを天秤にかけて、薬を使うべきか、抗凝固療法を行うべきか、を決める必要があります。

最近、抗凝固療法に関わる薬もいくつか出てきており、我々専門家も常にアップデートな知識を身につけていかなければいけない、と改めて感じました。

不整脈のお薬 アミオダロン

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『不整脈のお薬 アミオダロン』です。

アミオダロンという薬の効果

アミオダロン(商品名 アンカロン)は、強力な抗不整脈剤の一つです。対象となる病気は、命に関わる心室頻拍、心室細動、肥大型心筋症に伴う心房細動で、なおかつほかの薬剤が無効な場合のみ適応になります。

アミオダロンというお薬は、内服薬(錠剤)だけでなく、注射薬も存在します。救急病院などで治療抵抗性の不整脈が出現した際に、このアミオダロンの注射薬は非常に重宝されました。僕も、医療センター勤務時には何度もこの薬で患者さんの重篤な不整脈を救いました。

アミオダロンの急性効果として注射薬を用い、慢性的な持続効果を狙って内服薬を継続する。そんな使いかたが一般的です。

今では、循環器内科医を中心として、多くの患者さんに使用されており、心臓発作や再入院の軽減に多大な貢献をしているとても効果的なお薬です。この薬を使わないことには不整脈のコントロールが充分にできない患者さんも大勢いらっしゃいます。

アミオダロンの副作用

アミオダロンに限った話ではありませんが、すべての薬にはある一定の割合で副作用が存在します。

この、アミオダロンも例外ではありません。アミオダロン以外の薬では不整脈をコントロールできない人にはこの薬は欠かすことができないものです。しかし、この薬を漫然と服用するのではなく、どんな副作用があるのか、をしっかりと認識した上で定期的な副作用チェックを行わなければいけません。

では、アミオダロンの代表的な副作用をいくつかお示しします。

一つ目は、ほぼすべての抗不整脈剤に当てはまる、『催不整脈効果』です。催不整脈とは、抗不整脈剤を飲んで不整脈を抑えているつもりで、違う種類の不整脈を誘発してしまうというものです。催不整脈が起きる前には、安静時の心電図など異常が出ることが多いので、そちらの定期チェックをすることが必要です。

二つ目は、肝臓の機能異常。こちらも定期的な血液検査で肝臓機能をチェックすれば副作用を防げます。

三つ目は、肺の線維化です。アミオダロンの副作用に肺線維症というものがあります。これを予防するために、定期的なレントゲン写真や肺の線維化マーカーと呼ばれるKL-6という数値を血液検査で調べる必要があります。

四つ目は、甲状腺機能異常です。これはアミオダロンに『ゴイドロゲン』と呼ばれる甲状腺機能異常をきたす可能性のある物質が含まれているからです。ゴイドロゲンは、食物にも含まれており、ケールなどのアブラナ科の野菜に多く含まれていると言われています。アミオダロンの甲状腺機能異常をチェックするためには定期的な甲状腺機能を血液検査で調べる必要があります。

アミオダロンを続ける意味

すべての薬にはそのメリットとデメリットが存在します。アミオダロンの内服も、本当に内服を継続するメリットが内服しないことよりも高いのか?そのことをしっかり考える必要があります。

すぎおかクリニックでも、不整脈治療に苦しみ、治療法に難渋していた多くの患者さんがアミオダロンを内服し、効果を享受しています。

もし、あなたやあなたのご家族でアミオダロンを内服しているのなら、定期的にしっかりと副作用チェックをされているかを確認してみてくださいね。

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など