こんにちは! 船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは糖尿病です。その中でも、『糖尿病予備軍』についてお話させていただきます。
糖尿の程度は大きく3つに分かれています。一つは完全に正常で、全く糖尿の気がない状態。一つはまさに糖尿病と言われる状態。そしてもう一つが血糖が正常ではないけど、まだ糖尿病と言うほどでもない状態。
この状態を糖尿病予備軍、または境界型糖尿病を呼びます。
そしてこの3つのグループは正確に血糖値などで分類分けされています。
まず空腹時の血糖値で分類する方法があります。空腹時の血糖値が110~125mg/dlだったら・・・、あなたは境界型糖尿病の可能性があります。
同様にヘモグロビンエーワンシー(HBA1c)という指標があります。これは過去1~2か月の血糖の平均を表しています。この数字が6.0%~6.4%だと糖尿病の疑いが否定できない、ということになります。
75gOGTT検査という検査が推奨されます。これは、医療用のサイダーを飲んでいただき、その前後で血糖を計測することで、隠れた糖尿病を見つけ出すというものです。
血糖値が境界型の方は、正常な人に比べ、なんと6~20倍も多く糖尿病を発症すると言われており、将来糖尿病を発症する確率が高い状態なのです。
もし、健診などで糖尿病予備軍と言われていたら、是非75gOGTT検査を受けることをお勧めします。
当院でも、この75gOGTTは検査可能ですので御心配な方は是非一度ご来院くださいね。
こんにちは! 船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは糖尿病、その合併症についてお話ししますね。
糖尿病にかかるといったいどんなことが起きるのでしょうか?そのうちの命に関わるほとんどは動脈硬化、血管のつまりなどが原因の病気です。たとえば、心筋梗塞や狭心症、脳卒中や網膜症などがありますが、今日はその中でも糖尿病性壊疽についてお話ししますね。
糖尿病のかたは往々にして強い動脈硬化を合併します。それが下肢にくるとどうなるでしょうか?だんだんと下肢の動脈は狭くなっていき、やがて閉塞していきます。
すると、下肢への栄養が足りなくなるために数分あるくと、血流不足による下肢の痛みが出てきます。これを間欠性跛行と呼びます。本来であれば、血液が足りない虚血症状により、足の痛みが出ます。
しかし、糖尿病の合併症で怖いものの一つに神経障害があります。これは神経が鈍くなること、簡単に言うと痛みに鈍くなる、傷ができても痛くないのです。
下肢の虚血症状により、血流が不足している状態で下肢にばい菌が感染するとどうなると思いますか?
赤くなり、腫れあがり、容易に潰瘍を起こします。普通ならとんでもない痛みを伴う状態です。
しかし、神経障害と血行障害を伴っている糖尿病の人はそこに気付かない。
そして、ある日自分の足を見てみるとひどい潰瘍ができていた、場合によっては壊死している状態まで気づかない。そこまですすむと、もはや下肢の切断も考えなければいけない、のです。
大事なことは、早期の診断、治療です。つまり、何の症状も無くても下肢に血流障害がないか?を定期的に調べなければいけません。それを発見するとても有用な検査がCAVIと言われる検査です。
これは、閉塞性動脈硬化症と言われる病気を探し出すとても簡単な検査で、容易に糖尿病の血行障害を検出します。
あなたやご家族の方がもし糖尿などの動脈硬化を合併しているなら、このCAVI検査を必ず定期的に受けることを強くお勧めします。
当院でも、多くの来院患者さんにこのCAVI検査を定期的に行っています。
病気は出てくる前に、早期に見つけ、早期に治療する。それが大事ですよね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは「血糖値スパイク」です。
最近、テレビなどでよく聞くこの言葉、いったいどういう意味なのでしょうか?
血糖値スパイクとは、文字通り血糖がスパイク状に急上昇する現象です。なぜ、血糖値スパイクがこんなに騒がれているのか?それは、血糖の急激な上昇が病気の原因になることが多いからです。
特に、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの心臓血管病のおおきなリスクになるといわれています。
ですから、普段からこのスパイクを起こさないための生活習慣を身につける必要があります。
血糖値は食事に大きく影響されます。糖分や炭水化物ばかりの食事をしていると、食後の血糖値は急上昇し、まさに血糖値スパイクが起こります。
ですから、糖分や炭水化物ばかりの食生活を避ける、空腹時に糖分だけをとる事を避ける。そして、食べるスピードを遅くする、などの工夫をし、同時にタンパク質や野菜、脂質、食物繊維をしっかりとって、バランスのとれた食生活を送る必要があります。
みなさんも、糖分、炭水化物に頼った食生活に偏っていませんか?今一度自分の食習慣を見直してみてくださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今回のテーマは、「糖が高い」です。
実は、現代の多くのかたがこの「血糖が高い」状態に陥っていると言われています。外食中心の生活、簡単に食事を済ませられるコンビニやファミレスの台頭などで我々は知らず知らずうちに糖質(糖分と炭水化物)過剰の食生活に傾きがちです。その結果として高血糖の人、糖尿病と呼ばれる人たちが急激に増えてきているのです。
そして健康診断などで、あなたは糖が高い、病院で診てもらうように、と言われてしまう・・・。まさか自分が糖尿病になっているなんて、そもそも糖尿病になるとなにが問題なんでしょう?
それすら多くの人は知らないので、糖尿、糖が高いと言われてもこのあと起こる恐ろしい合併症を起こしてしまうのです。
糖尿病になったらすぐに倒れてしまう、仕事ができなくなってしまう、死んでしまう、などどいうことはありません。逆に糖尿になったとしてもなんの不自由もなく今まで通りの生活ができてしまいます。
しかし、ここが糖尿病の一番怖いところです。糖尿、高血糖という状態は常に血液中をたくさんの糖分が流れている状況です。糖が沢山血液中を流れると、全身の血管には微小な傷がついていきます。(正確には糖とタンパク質が結合したAGEという物質が悪さをするのですが・・・)この傷が動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化ができても、あなたはやはり痛くもかゆくもありません。しかし、動脈硬化は数年という単位で進行していきます。そしてあなたの全身の血管は詰まっていきます。
そして最後には・・・・
突然の半身不随の脳梗塞、突然の心筋梗塞、突然の失明、突然の腎不全、突然の足の壊疽・・・
では、糖が高いと言われたあなたはどんな行動をとるべきでしょうか?
それはいうまでもありません。糖尿病の専門家、循環器の専門家の外来を受診することです。
多くの人は、まだ大丈夫だろう、体調悪くないし、今仕事忙しいし、など、自分が行かなくてもいい理由をつけ、病院へ行かない自分を正当化しようとします。
しかし、糖尿病による動脈硬化は早く治療を開始しなければ、早く生活習慣を改めなければ取り返しのつかないことになるのです。
どうか、糖が高い、という状況を甘く見ずにおはやめにお近くのかかりつけ医、信頼できる内科、循環器、糖尿病の専門医師に相談ください。