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糖尿病に多い心血管自律神経障害

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『糖尿病における心臓血管自律神経障害』についてお話します。

糖尿病の3大合併症

糖尿病が本当に多くの合併症を起こすことは有名です。心筋梗塞や脳卒中などの大血管障害とは別に、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症が糖尿病の3大合併症と言われています。

腎症が悪くなると透析になることがおきたり、網膜症が悪くなると失明の危険性がでてきたりします。一方で神経症はしびれや感覚鈍化などを引き起こし、痛みを感じづらくなります。その影響で特に足先などに感染した場合にそこに気づかず、下肢の壊疽、切断に至るケースもでてきます。

そして糖尿病性神経障害には自律神経障害もあり、もちろん心臓血管系の自律神経障害もあります。

心臓血管系自律神経障害の症状としては最初全く症状がなく、ただ心拍変動の変化によってのみしか判定できません。

そしてこの障害が進むと様々な症状が出現してきます。

心血管系の症状としては、起立性低血圧、無症候性の心臓発作(心臓発作を起こしても症状がでないために気づきづらい)、安静時の頻脈、失神が含まれます。

心臓血管系以外の自律神経障害は、消化管系、泌尿器系などあり、たとえば胃不全麻痺がおこると嘔吐、大量の食事ができない、下痢といった症状が出やすくなります。

糖尿病と心血管自律神経障害

今回、糖尿病や血圧を厳格にコントロールすることで、心血管自律神経障害リスクを低減できる、とした研究が報告されました。この研究はACCOR試験とよばれる大規模臨床研究の事後解析で得られた結果です。追跡平均期間は約5年。糖尿病の数字を表すHBA1c値(ヘモグロビンA1c)が6%未満を目標とした厳格治療を受けた群は、7~7.9%を目標とした群と比較し心血管自律神経障害の発症率が17%も低かったということです。

また、血圧に関しては120mmHg未満を目標とした群では140mmHg未満を目標とした群と比べ心血管自律神経障害の発症率は22%低いと言う結果でした。

この研究から言えること

もともとのACCORD試験では、厳格な血糖コントロールが患者さんの予後を改善させるのか?ということに対して調査された研究でした。しかしながらこの研究では厳格な血糖コントロールが死亡率をあげてしまったという衝撃的な結果を導くことになりました。

したがって、心血管系自律神経障害を良くする目的で闇雲に全糖尿病患者さんに対して厳格な血糖コントロールを目指すことは間違いです。今後、どの様な患者さんに対して厳格な血糖コントロールをすることが一番効果的で安全なのか、が今後の研究課題と言えると思います。

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。

医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。

どうぞ安心してご来院ください

 

糖尿病に伴う下肢合併症

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は糖尿病と下肢疾患の話です。

糖尿病の合併症

糖尿病は本当にたくさんの合併症を持っています。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患はもとより、脳卒中、アルツハイマー、がんのリスクも高めてしまいます。神経障害や網膜症、腎症も3大合併症として有名です。

糖尿病に伴う下肢疾患としてみてみると、どんな合併症が考えられるでしょうか?

一番多いのが、糖尿病性の神経障害です。足のしびれ感や、逆に神経が鈍感になってしまったりする状態です。

また、下肢の虚血、閉塞性動脈硬化症も糖尿病の合併症としてよく知られています。

糖尿病の神経障害と血行障害(閉塞性動脈硬化症)は両方を一緒に合併することも多いです。

普通は、閉塞性動脈硬化症で足への血流障害が出ると、足が痛くなる(間欠性跛行)のですが、糖尿病性神経障害を合併していると、虚血に伴う足の痛みが感じにくくなります。

結果的に、虚血が進行し、足の潰瘍や最悪の場合壊死に陥ることもあるのです。

糖尿病性の下肢合併症の有病率

先日、糖尿病に伴う下肢の合併症が世界でどれくらいの割合、いるのだろうか?という報告がなされました。

「Global Disability Burdens of Diabetes-Related Lower-Extremity Complications in 1990 and 2016」

というタイトルで、「Diabetes Care」3月5日オンライン版に掲載されました。

糖尿病性神経障害、足潰瘍、下肢切断の割合を調べたところ、なんと世界の1.8%の方がこの合併症をかかえていたというのです。驚きです。世界の2%弱、世界で55人に一人がこの合併症を持っているという計算です。

改めて、糖尿病という病気が世界中で起きている現代病ということがわかりますね。

糖尿病は日頃の生活、向き合い方が本当に本当に大事です。

とんでもないことが起きてから後悔しないよう、定期的な糖尿病チェックは欠かさないでくださいね。

 

当院には、糖尿病の方、動脈硬化を予防したい方、狭心症・心筋梗塞または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなど、船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

糖尿病の微小血管合併症が歯周病治療で減少する

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『糖尿病の微小血管の合併症が歯周病治療で減少する』というレポートをシェアします。

糖尿病の合併症

糖尿病の3大合併症があります。糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症です。

これらはいずれも糖尿病に伴う微小血管障害が原因の一つとなっています。

これらの合併症を抑えることは、糖尿病患者さんのADLを大きく左右します。

これらの合併症が歯周病をコントロールすることで低下させられるという論文が米ハーバード大学歯学部のSung Eun Choi氏らから「Diabetes Care」誌に報告されました。

『Impact of Treating Oral Disease on Preventing Vascular Diseases: A Model-Based Cost-effectiveness Analysis of Periodontal Treatment Among Patients With Type 2 Diabetes』

この報告によると、歯周病治療の効果としての糖尿病性微小血管症は、糖尿病性腎症が20.5%、糖尿病性神経障害が17.7%、糖尿病性網膜症が19.2%抑制されるという結果でした。

もし、糖尿病を患っているのならぜひ歯周病のケアに目を向ける必要がありますね。

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など