こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『寒いところでの運動と脂質改善効果』の話です。
脂質異常症は、動脈硬化や心臓血管病の危険因子の一つです。脂質の中のLDL コレステロールが極めて高値になると、心筋梗塞のリスクが高くなるのはもはや多くの人が知っていることと思います。
特に、酸化した脂質は非常に毒性が高く、容易に動脈硬化を形成していきます。そのためには脂質を酸化させない、そしてそのためには酸化している食材を控える、抗酸化食材を摂る、などが大切です。
しかし、血液中の脂質の数字をみても、どれくらい酸化しているのか判断できませんし、体内に蓄積している脂肪組織のどれくらいの割合が悪さをしているのか?もわかりません。そう考えると、そもそも私達は体内の脂肪組織をへらすことは必要なの?という疑問も湧いてしまいます。
しかし、体内の脂肪組織量をへらすことには別の面から違った意義があります。
それは、脂肪組織から分泌される生理活性物質です。脂肪組織には本当にたくさんの役割があり、体温維持や栄養の貯蔵庫だけではありません。脂肪組織はアディポネクチンと呼ばれる、動脈硬化の抑制に非常に効果を示す物質を分泌します。しかしながらややこしいことに、アディポネクチンは小型化した脂肪細胞から分泌されます。つまり、肥満体型のような方の脂肪細胞からはアディポネクチンは分泌されづらいのです。
そういったことからも、体内の脂肪組織は増やしすぎない、燃焼させることが極めて大事になります。
では、どうしたら脂肪組織は燃焼しやすくなるのでしょうか?そしてどうやったらより効率的に燃焼できるのでしょうか?
今回、そんな研究が報告されました。
それは、寒いところで短時間の高強度のインターバルトレーニングを行うと、脂肪燃焼の効率が高かったというのです。
これは、ローレンシャン大学(カナダ)のStephanie Munten氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Applied Physiology」に掲載されています。
今まで、数々の研究で、中等度のトレーニングを長時間行ったときと、高強度のトレーニングを短時間行った場合、高強度短時間トレーニングの方が脂肪燃焼効率が高かったという報告が見られています。
しかし、運動をしているときの周辺温度の違いが脂質の燃焼効率をどの程度変化させるのか?に関しては不明でした。
そこで今回の研究では、11人(男性7人)の方を対象に(平均年齢23±3歳)、こんな環境下で運動をしてもらいました。
それは、参加者全員に対して21℃の通常室温の条件と、0℃に設定した寒冷条件で、同一の高強度インターバル運動を、それぞれ別の日に行ってもらうというものでした。
高強度インターバル運動の内容は、高負荷設定された自転車エルゴメーターを60秒間できるだけ速くこぎ、続く90秒間はインターバルとして低負荷でゆっくりこぐ。これを10回行うというもの。
内容見ると結構な高負荷ですけどね(汗)
その結果、同じ運動でも、寒い環境で運動を行った方が温かい環境で行うよりも脂肪燃焼量が多いことがH示され、その差は約4倍に上ったのです。
今回の研究から、有酸素運動などの中強度負荷の運動も、寒冷環境で行ったほうが効果的なのか?まではわかりません。これを闇雲に信じて、朝一番の寒い朝などにいきなり外に出て運動を始めると逆に心臓発作を起こしかねません。心臓発作は朝の寒いときに一番起こりやすいのです。また、寒冷環境はどの程度の寒冷下で硬化がでてくるのかも不明で、今後の研究が待たれるところです。
でも、温かい環境下でのんびりと運動に甘んじるのではなく、ある程度温度を低い環境での運動を意識することも必要なのかもしれません。
脂肪を燃焼させ、肥満を改善し、運動で心肺機能を高めることは、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの予防に極めて高い効果を示すわけですからね。
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、飲料の種類と胃食道逆流のリスクについての論文を紹介します。
胸焼けや逆流などの胃食道逆流(GER)の症状があると、コーヒー、紅茶、または炭酸水を飲むのを控えたほうがいいようによく言われます。でも、これらが果たして正しいのか、今まで前向き研究のデータはありませんでした。
そこで、42〜62歳の女性4万8,308人のデータから飲料の種類と胃食道逆流の発生率に違いがないかを検討した研究発表がなされました。
『Association Between Beverage Intake and Incidence of Gastroesophageal Reflux Symptoms』
各飲料の摂取量が最も多い女性(1日あたり6杯以上)は、コーヒーの摂取量が最も少ない女性(1日あたり0杯)と比較して34%増加、紅茶で26%増加、そして炭酸水では29%増加が見られました。牛乳、水、またはジュースの消費と胃食道逆流症状のリスクとの間に関連は認められませんでした
逆に、1日2杯のコーヒー、紅茶、または炭酸水を2杯の水に置き換えると、GER症状のリスクが若干低下しました。具体的にはコーヒーと紅茶で4%低下し、炭酸水では8%の低下が見られました。
普段から、胃食道逆流症状があるかたは、普段の飲料にどんなものを飲んでいるかチェックし、もしコーヒーや紅茶、炭酸水が多いようであれば、それらを減らし、水に変えてみるだけで症状が軽快するかもしれませんね。
当院は循環器疾患と高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病に力を入れています。
もちろん、消化器症状などの一般内科も診察させていただいています。
動脈硬化や心臓病が気になる方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかた、糖尿病の合併症を抱えた方など、船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの地域から来院頂いています。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など