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ペースメーカーの適応

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、『ペースメーカーの適応』についてです。

ペースメーカーの役割

そもそも、ペースメーカーとは何でしょうか?

ペースメーカーとは何らかの原因によって、自分の脈が異常に遅くなってしまった人に対して、

自分の脈に代わって心臓の脈をペースメーカーという機械で補ってあげるというものです。

よく誤解されるのが

『不整脈=ペースメーカー』

のように考える方が多いのですが、不整脈の方がすべてペースメーカーの適応になるわけではありません。

では、どんな不整脈のかたにペースメーカーが適応になるのでしょうか?

ペースメーカーの適応になる病気

先ほど、簡単にお話しした通り、ペースメーカーの適応は脈が遅い状態。

すなわち徐脈と言われる状態の時に初めて検討されます。

ですから、強い動悸を感じる、ドキドキドキっと速い脈を感じる、急に脈の乱れを感じる、

などの症状はすぐにペースメーカーの適応とはなりません。

また、健康診断で脈が遅い、と指摘されたからといって、こちらもすぐにペースメーカーの必要が出るわけではありません。

では、代表的なペースメーカーの病気をいくつかお伝えします。

1 完全房室ブロック

この病気は、心臓の電気の流れがうまく心臓全体に行き渡らない病気、電気の流れが途中で完全にブロックされてしまう病気です。

房室ブロックには1度から3度まであり、3度の状態を完全房室ブロックと呼びます。

しかも、ややこしいことに完全房室ブロックのかたの一部の方のみがペースメーカーの適応になります。

2 洞不全症候群

これは、心臓の中にそもそも備わっていた天然のペースメーカーの機能が落ちている状態です。

こちらも、機能が相当に落ち込んで、もはや自分の脈だけでは脈拍数を維持できない、となった場合に限り、ペースメーカーの適応になります。

3 その他

それ以外にもいくつか異常な徐脈を起こす病気に対してペースメーカーが適応になることがあります。

不整脈といわれたら?

では、自分が不整脈と言われたらどうすればよいでしょうか?

これは、まず自分の不整脈の種類がどの程度のものか、重症度を専門家に診てもらう必要があります。

徐脈やペースメーカーは、自分の脈だけではなく、心臓の基本的な動きや弁膜症などの合併症の有無、

色々な条件をしっかり調べる必要があります。

不整脈といわれても、闇雲に慌てず、まずはお近くの信頼できる専門家、循環器専門医にご相談くださいね。