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電子タバコも肺に悪いのか?

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の杉岡です。

今日のテーマは『電子タバコも肺に悪いのか?』です。

喫煙と病気

タバコを吸うと、肺に良くない。肺気腫だったり肺がんになったり、心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病になりやすかったり。紙タバコはそういったリスクをたくさん抱えています。

では、最近話題の電子タバコは果たしてどうなのでしょうか?

今回、電子タバコが肺を損傷させる因子を上昇させ、肺気腫をおこしやすくする、という研究発表が「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」オンライン版になされました。

電子タバコの肺気腫への影響

論文タイトルは『Chronic E-Cigarette Use Increases Neutrophil Elastase and Matrix Metalloprotease Levels in the Lung』

日本語では、

『慢性的な電子タバコの使用が、肺の好中球エラスターゼおよびマトリックスメタロプロテアーゼレベルを増加させる』 です。

肺の細胞で、慢性的にエラスターゼという物質が増えていくと、肺に損傷がおき、肺気腫になりやすく成ると言われています。

肺気腫は、COPDと呼ばれる慢性閉塞性肺疾患の一つで、適切な治療を行わないと、徐々に息切れが出現、増悪し、在宅酸素療法を受けざるを得ない人も出てきます。

そんなリスクが、紙タバコだけではなく、電子タバコにもあったということなのです。

この研究からいえること

従来、電子タバコは紙タバコより安全である、という説も出ていましたが、今回の研究発表で、電子タバコは安全だという考えが否定されたと言えます。

電子タバコだから大丈夫だろうという安易な考えは捨て、やはりしっかりと禁煙に取り組む姿勢が大事と言えます。

当院では、船橋と近隣の鎌ケ谷市、習志野市、市川市など、多くの患者さんに禁煙外来を行っています。

禁煙でお困りの場合は是非ご相談くださいね

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など