こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、「心電図で異常といわれたらどうする?」です。
健康診断をきっかけに、心電図異常で当院に来院される方が多くいらっしゃいます。
その多くは、「不整脈」です。
もちろん、不整脈以外の異常もありますが、今日は「不整脈」に関してお話します。
不整脈の種類は、大きく3つに別れます。
脈がおそすぎる場合、脈が速すぎる場合、脈のリズムが乱れている場合、です。
脈のスピード異常の場合、多くは自律神経のアンバランスによって起きることが多く、興奮や精神的緊張、運動後などによくあらわれます。脈のスピードの異常によって出てくる症状や背景に隠れている原因となる病気(動悸、胸苦しさ、めまい、失神など)がなければそれほど心配はいらないものです。
脈が遅くなりすぎると、脳に血液が回らなくなり、失神を起こしたりします。
脈が早くなりすぎると、強い動悸や息切れ、呼吸困難を起こします。
もちろん、そんな場合は循環器専門医への受診が必要です。
一方で、なんら症状がなければ慌てる事はなさそうです。
リズムの乱れによる場合も、そのほとんどは過度の心配は不要です。
ほとんどの不整脈は「期外収縮」と呼ばれるタイプです。
過剰な量の期外収縮の場合は、再検査することがありますが、概ね治療の必要なし、となります。
期外収縮があり、動悸や息切れもある場合は一度病院受診をおすすめします。
治療が必要な不整脈の代表が「心房細動」と呼ばれるものです。
このタイプの不整脈は、心臓内に血栓(血の塊)ができることがあるので要注意です。
血栓ができにくくなる薬などの内服が必要になることもあります。
治療が必要なのか、大丈夫なのか?いずれにしても一度循環器専門医の判断を仰いだほうが良いと思います。
その他にもいろいろな不整脈がありますので、順次ここでお伝えしていきますね
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『ペースメーカーの適応』についてです。
そもそも、ペースメーカーとは何でしょうか?
ペースメーカーとは何らかの原因によって、自分の脈が異常に遅くなってしまった人に対して、
自分の脈に代わって心臓の脈をペースメーカーという機械で補ってあげるというものです。
よく誤解されるのが
『不整脈=ペースメーカー』
のように考える方が多いのですが、不整脈の方がすべてペースメーカーの適応になるわけではありません。
では、どんな不整脈のかたにペースメーカーが適応になるのでしょうか?
先ほど、簡単にお話しした通り、ペースメーカーの適応は脈が遅い状態。
すなわち徐脈と言われる状態の時に初めて検討されます。
ですから、強い動悸を感じる、ドキドキドキっと速い脈を感じる、急に脈の乱れを感じる、
などの症状はすぐにペースメーカーの適応とはなりません。
また、健康診断で脈が遅い、と指摘されたからといって、こちらもすぐにペースメーカーの必要が出るわけではありません。
では、代表的なペースメーカーの病気をいくつかお伝えします。
1 完全房室ブロック
この病気は、心臓の電気の流れがうまく心臓全体に行き渡らない病気、電気の流れが途中で完全にブロックされてしまう病気です。
房室ブロックには1度から3度まであり、3度の状態を完全房室ブロックと呼びます。
しかも、ややこしいことに完全房室ブロックのかたの一部の方のみがペースメーカーの適応になります。
2 洞不全症候群
これは、心臓の中にそもそも備わっていた天然のペースメーカーの機能が落ちている状態です。
こちらも、機能が相当に落ち込んで、もはや自分の脈だけでは脈拍数を維持できない、となった場合に限り、ペースメーカーの適応になります。
3 その他
それ以外にもいくつか異常な徐脈を起こす病気に対してペースメーカーが適応になることがあります。
では、自分が不整脈と言われたらどうすればよいでしょうか?
これは、まず自分の不整脈の種類がどの程度のものか、重症度を専門家に診てもらう必要があります。
徐脈やペースメーカーは、自分の脈だけではなく、心臓の基本的な動きや弁膜症などの合併症の有無、
色々な条件をしっかり調べる必要があります。
不整脈といわれても、闇雲に慌てず、まずはお近くの信頼できる専門家、循環器専門医にご相談くださいね。