こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、『大動脈解離』という病気についてお話します。
大動脈の病気に、大動脈解離という病気があります。これは高血圧などの動脈硬化にともない、大動脈のか壁に亀裂が突然入ってしまう病気です。
亀裂が入る場所により治療法は変わりますが、心臓の近くの大動脈や脳血管近くの大動脈に亀裂が入ると、心筋梗塞や脳卒中、意識障害など重症な合併症を引き起こし、ときによっては命に関わることもあります。
大動脈解離を起こして場合、超早期に診断することが必要です。激烈な胸の痛みや背中の痛み、血圧の急激な上昇を伴います。直ちに救急病院に入院し、適切な治療を受けなければいけません。
そして、何よりも血圧をしっかりコントロールすることが必須となります。
大動脈解離は、無事に退院したあとの経過に注意を向けることも非常に大事です。
病気を起こしてしばらく経過してから、すなわち病気の慢性期、遠隔期といわれる時期に向けて定期的なチェックが必要です。
例えば、血圧の厳格なコントロールはできているか?高血圧以外の動脈硬化の危険因子といわれる糖尿やコレステロールは大丈夫か?タバコは吸っていないか?
そして、大動脈解離の具合には変化がないか?
このあたり、しっかりと循環器の専門医の目が必要となります。
もちろん、当院では2名の循環器の専門医と循環器の救急病院で研鑽を積んだスタッフが揃っていますのでご安心ください。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
すぎおかクリニックは、おかげさまで船橋市にとどまらず、鎌ケ谷市、習志野市、市川市などからも多くの患者さんにご来院いただいております。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『腹部大動脈瘤の治療』です。
腹部大動脈瘤とは、腹部を流れる大動脈が瘤状化している状態で、簡単に言うと、腹部の血管に大きなこぶができたような感じです。
腹部大動脈瘤は、一般的に全く症状がなく、健康診断などでたまたま発見されるケースがほとんどです。
気づかないと、知らないうちにどんどん大きくなり、腹部大動脈瘤破裂という状態を引き起こし、運が悪いと突然死の原因にもなる怖い病気です。
腹部大動脈瘤の治療には大きく分けて二つあります。一つは開腹(お腹を切る)して、動脈瘤を切除し人工血管を新たにつなぐ方法。もう一つは、ステントグラフト術といって、ステントと呼ばれる土管を大動脈瘤の中に留置してくる方法です。
この方法は、開腹する必要がないので、体の侵襲(負担)も小さく手術の危険性が高い高齢者などによく行われる手術です。
今までは、開腹術のほうがステントグラフトにくらべ、長期的成績が良好でした。
しかし、最近、これら2つの治療群には長期成績に差がないことがニューイングランドジャーナル誌(NEJM)に報告されました。
Open versus Endovascular Repair of Abdominal Aortic Aneurysm
腹部大動脈瘤は、自覚症状がほとんどないので、検査で発見するしか方法がありません。
一番有効で、手軽な方法が腹部超音波検査(腹部エコー)検査です。
高齢の方、動脈硬化のリスクを持っている方、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満のある方。
心臓病や脳卒中の既往のある方、またはそういう方が家族の中にいる方。
是非腹部大動脈瘤の検査を受けられることをお勧めします。
気になるかたは、お近くの循環器専門医のいる病院でチェックしてもらってくださいね
今年、東京情報大学の非常勤講師に任命されました。
昨日、その一環として東京情報大学の看護学部の学生向けに講義を行ってきました。
講義のテーマは、循環器疾患の弁膜症と大動脈疾患です。
未来の看護師さん達の新鮮で、満ち溢れたパワーに逆にこちらが刺激を受けました。
みなさん、頑張ってくださいね