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安定冠動脈疾患に対する治療法

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は冠動脈疾患の話です。

冠動脈とは、心臓の筋肉に血液を送る血管のことで、この冠動脈が狭窄したり、閉塞したりすると

狭心症や心筋梗塞の原因になります。

冠動脈疾患は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を土台におこる動脈硬化が原因となることが多く、

これらの管理がとても大事になってきます。

冠動脈疾患には安定冠動脈疾患と、不安定冠動脈疾患があります。

もし、冠動脈にある程度の狭窄病変があったとしても、全身状態や症状などが安定していたらどんな治療をするべきなのか?に関して今までも多くの論文が出ています。

冠動脈疾患の治療は大きく3つ。薬物療法(保存的治療)、冠動脈ステント留置術、冠動脈バイパス手術です。前者は保存的治療、後者2つは侵襲的治療と言えます。

今回、安定冠動脈疾患に対して保存的治療と侵襲的治療の結果に大きな差がない、という論文がニューイングランドジャーナルオブメディスン誌(NEJM誌)に発表されました。

安定した冠動脈疾患に対する侵襲的または保存的な戦略

「Initial Invasive or Conservative Strategy for Stable Coronary Disease」(ISCHEMIA試験)

対象患者は安定冠動脈疾患患者 5179例、追跡期間は平均3.2年でした。

この人達を、ステント治療やバイパス手術の侵襲的治療群と、そのような治療をせず薬物療法のみを行う保存的治療群にわけ、調査しました。

結果としては、この期間の全死亡率や心筋梗塞の新たな発症率には違いがみられなかたっと言うのです。

この研究からいえること

狭心症や心筋梗塞は放置しておくと、命に関わる可能性のある病気です。

そのためには、自分の冠動脈の状態、動脈硬化の状態がどうなっているのか?を定期的にチェックする必要があります。

そのうえで、本当に必要な方に限り、侵襲的治療(ステント留置術や冠動脈バイパス術)を行う。

そのためには、専門医の目線、判断が欠かせません。

狭心症などの冠動脈疾患や糖尿病などの動脈硬化の危険因子を有している方など、是非循環器専門医の診察を受けることをお勧めします。

 

当院には、心臓血管病、弁膜症、心不全のかたはもちろん、糖尿病のかた、動脈硬化を予防したい方、狭心症・心筋梗塞または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など