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高齢者の認知症リスクと趣味の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日は、『認知症と趣味の関係」についてお話します。

認知症と動脈硬化

認知症ときくと、アルツハイマーを一般的には思い浮かべがちです。しかし、実際には動脈硬化を基礎とする「脳血管性認知症」の方が、数多く存在します。

脳血管認知症は、脳梗塞や脳出血により血管が詰まったり破れたりすることで脳の組織の一部が破壊されたり、働きが低下していくことで進行します。手足の麻痺、しびれのような脳卒中様の症状を呈することもよくあります。

そして、これらの原因は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に伴う動脈硬化となります。

ですから、認知症を起こさないために、そして動脈硬化を進ませないために、普段からの生活習慣に留意することはとても大事です。

よく言われるのが、適切な食事バランス、有酸素運動、禁煙、節酒、肥満の回避、十分な睡眠、ストレス回避、などです。

でも、どうやらそれだけではないようです。

今回、認知症と趣味の関連性についての研究が報告されました。

認知症と趣味の数

千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査し、日本公衆衛生雑誌2020年号に報告しました。

65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人のうち、365日以上フォローアップできた4万9,705人について分析をしています。

フォローアップ期間中に発症した認知症は9.6%。

そして、ある趣味が認知症発症リスクの低下と関連していたことが判明しました。

男女ともに当てはまった認知症低下リスクとして、グラウンドゴルフと旅行が挙げられました。認知症リスクは約20%低下したそうです。

また、男性ではゴルフやパソコンでリスクが40%程度低下。釣りや写真で20%低下が見られました。

一方女性では、手芸やガーデニングで20%程度の認知症リスクの低下が見られています。

そして、趣味の内容に関わらず、趣味の数が増えることで男女ともに認知症のリスク低減が見られたのです。(男性16% 女性22%)

動脈硬化と血管のつまり

今回は、認知症と趣味の関係についてお話し、同時に認知症には脳血管性とよばれる血管のつまり等によっておきる認知症が多いこともお伝えしました。

生活習慣に伴う動脈硬化にはほとんど症状がでません。症状が出たときには完全に血管が詰まった時、またはつまりかけた時、そして驚くべきことに血管が詰まっても症状すらでないケースも存在します。

そして認知症自体が動脈硬化に関連しているという認識も周知されていません。

動脈硬化は、認知症などの脳血管障害だけではなく、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓障害や、閉塞性動脈硬化症と呼ばれる足の血管のつまりなどそれこそ全身に起こります。

血圧が高い方、糖尿の気があるかた、コレステロールや中性脂肪が気になるかた、肥満気味の方など、改めて生活習慣を振り返り、自分の動脈硬化がどんな状態なのかを定期的に調べてみて下さい。

そして、趣味をたくさん持ちましょうね

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。

医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。

どうぞ安心してご来院ください

 

 

 

 

 

心房細動の治療と認知症リスク低下

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

きょうは、『心房細動と認知症』に関する話です。

心房細動

心房細動とは不整脈の一つです。不整脈にもいろいろな種類がありますが、心房細動は、心房が電気的に細かく痙攣を続けているような状態で、その影響で十分な血液を全身に送りづらくなります。

日本人の1~2%(100~200万人)が心房細動だと推定されており、

また加齢に伴い、心房細動の頻度は増えていき、症状も様々です。

動悸や息切れを生じる人がいる一方で、全く無症状のままで健康診断などでたまたま見つかるケースも少なくありません。

そして心房細動において一番注意しなければいけないことが「血栓」です。

心房細動においては心房が不規則に収縮するために、心房内の血流が円滑に進まず、心房内に血栓ができることがあります。

血栓が心房内にとどまっていればなんのもんだいもありません。しかし、一度血栓が心房から剥がれ、飛んでいってしまうことがあります。これを「血栓塞栓」と呼びます。

もし血栓が脳に飛べば脳梗塞ということになるわけです。

つまり脳梗塞の原因の一つに『心房細動』があるというわけです。

また、心房細動は大きく2種類存在します。

一つは、心房細動が短時間にのみ発作的におこるタイプで『発作性心房細動』と呼ばれます。

もう一つは、心房細動が持続的に継続しているタイプで『持続性心房細動』と呼ばれます。

心房細動になりやすい人

では、どんな人が心房細動を起こしやすいのでしょうか?

1つ目は「加齢」です。高齢者には比較的多く見られる不整脈です。

また、心筋梗塞や弁膜症、心筋症、心不全、心機能低下などの心臓の基礎疾患がある方や、

糖尿病や高血圧などの生活習慣病のある方、

そしてメタボリックシンドロームなどに代表されるような肥満のある方、

なども心房細動を起こしやすいと言われています。

心房細動と血栓塞栓症

心房細動で一番怖いもの、それが血栓塞栓症です。

心房細動で生じた心房内の血栓が、心臓から剥がれ、どこかに飛んでいってしまうのです。

最も重篤なものが脳塞栓、いわゆる脳梗塞となります。

心房細動による血栓が原因となる脳梗塞は広範囲に及ぶこともあり、命の危険に関わる事態になることも珍しくありません。

では、心房細動の中でもどんな人が血栓を作りやすいのでしょうか?

脳梗塞の起こしやすさを推測する指標があり、CHADS2スコアと呼ばれています。

これは、医療現場でもつかわれているもので我々もこのスコアを参考に治療法を提案しています。

では、具体的に血栓塞栓を起こしやすい人はどんな人かというと、以下の人がそれに当てはまります。

・心不全の既往のある方

・高血圧のある方

・高齢者(75歳以上)のかた

・糖尿病の方

・脳梗塞を起こしたことがある方

これらに一つでも当てはまる場合、脳梗塞予防の治療が必要になる可能性が高くなります。

心房細動の治療法

1つ目は薬物療法。これは、心房細動そのものを抑え込む薬剤、脈拍をコントロールする薬剤、血栓ができにくくなるような血液サラサラの薬剤、などがそれに当たります。

2つ目は何もしない。若年者で、しかも心房細動の症状がまったくない、血栓塞栓の危険性も少ない、など条件が当てはまる場合は無投薬も可能です。

3つ目が根治療法と呼ばれるもので、カテーテルアブレーションといいます。

これは、カテーテルと呼ばれる細い管を使って、不整脈を高周波電流で焼く、冷凍凝固バルーンやホットバルーンを使う、などいくつかの方法で心房内の不整脈の回路を断ち切る方法です。

自分がどの治療法を選択するのが適切なのか?はぜひ一度循環器専門医に相談するのが良いと思います。

カテーテルアブレーションと認知症リスク低下

一つ、最近の研究論文をご紹介します。

心房細動の治療法に、薬物療法よりも、カテーテルアブレーションの方が、認知症の発症リスクが低下する可能性が高いという研究結果が「European Heart Journal」に発表されました。

『Less dementia after catheter ablation for atrial fibrillation: a nationwide cohort study』

『心房細動に対するカテーテルアブレーション後の認知症の減少:全国的なコホート研究』

韓国の研究グループからの報告です。

52ヶ月の追跡調査からの解析の結果、カテーテルアブレーション群では薬物療法群に比べて、認知症の発生リスクが27%低いことが明らかになりました。

今回の研究の結果、心房細動に対するカテーテルアブレーションによる治療法が本当に認知症リスクの低減につながるのか、今後はさらなる検証が必要だ、と研究チームは話しています。

 

 

当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。

動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。

在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を複数の医師が有しております。

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