こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心房細動検出にアップルウォッチが役立つ!?』です。
心房細動は、多くの方に見られる不整脈の一つです。この不整脈のために心臓内に血栓が出来上がり、脳塞栓(脳卒中)などがよく起こります。そのためにこの不整脈を自分自身が持っているのかを調べるのは非常に意義があることです。
特に、発作性心房細動といって発作的に短時間のみ心房細動をおこす人がいて、そういったかたの心房細動検出は特に困難です。
今回、スマートウォッチ(アップルウォッチ)が心房細動検出に役立つかどうか?という研究発表が世界の一流誌のNEJM(ニューイングランドジャーナル)の2019/11/14号に投稿されました。
『Large-Scale Assessment of a Smartwatch to Identify Atrial Fibrillation』
心房細動を検出するためのスマートウォッチの大規模評価
方法:
対象は心房細動の既往のない参加者(参加者自身の報告による)。スマートウォッチの不整脈通知アルゴリズムが心房細動の可能性を検出した場合,最長で 7 日間装着する心電図(ECG)パッチが参加者に郵送され、解析されました。
結果:
登録患者数は、8 ヵ月間で 419,297 人。そのうち2,161 人(0.52%)が不整脈の通知を受け取りました。
そのなかで、実際に心房細動が存在した割合は全体で 34%。
不整脈の通知を受け取った参加者において,不整脈の通知と ECG で心房細動が同時に観察される陽性適中率は 84%でした。
心房細動の検出は、その後の血栓塞栓に伴う心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病発生の予防に大切です。
こういった新しいデバイスが医療に役立つというのは素晴らしいことですね。
心房細動が見つかった場合、また脈の不整や動悸を感じるなどあれば是非循環器専門医在籍のすぎおかクリニックにご相談ください。
当院は循環器疾患や糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
心房細動のコントロール目的で来院されている患者さんも多数いらっしゃいます。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、「心電図で異常といわれたらどうする?」です。
健康診断をきっかけに、心電図異常で当院に来院される方が多くいらっしゃいます。
その多くは、「不整脈」です。
もちろん、不整脈以外の異常もありますが、今日は「不整脈」に関してお話します。
不整脈の種類は、大きく3つに別れます。
脈がおそすぎる場合、脈が速すぎる場合、脈のリズムが乱れている場合、です。
脈のスピード異常の場合、多くは自律神経のアンバランスによって起きることが多く、興奮や精神的緊張、運動後などによくあらわれます。脈のスピードの異常によって出てくる症状や背景に隠れている原因となる病気(動悸、胸苦しさ、めまい、失神など)がなければそれほど心配はいらないものです。
脈が遅くなりすぎると、脳に血液が回らなくなり、失神を起こしたりします。
脈が早くなりすぎると、強い動悸や息切れ、呼吸困難を起こします。
もちろん、そんな場合は循環器専門医への受診が必要です。
一方で、なんら症状がなければ慌てる事はなさそうです。
リズムの乱れによる場合も、そのほとんどは過度の心配は不要です。
ほとんどの不整脈は「期外収縮」と呼ばれるタイプです。
過剰な量の期外収縮の場合は、再検査することがありますが、概ね治療の必要なし、となります。
期外収縮があり、動悸や息切れもある場合は一度病院受診をおすすめします。
治療が必要な不整脈の代表が「心房細動」と呼ばれるものです。
このタイプの不整脈は、心臓内に血栓(血の塊)ができることがあるので要注意です。
血栓ができにくくなる薬などの内服が必要になることもあります。
治療が必要なのか、大丈夫なのか?いずれにしても一度循環器専門医の判断を仰いだほうが良いと思います。
その他にもいろいろな不整脈がありますので、順次ここでお伝えしていきますね
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今後、動画も使いながら、当クリニックで皆様のお役に立てそうなことをどんどん発信してまいりますね。
さて、今日のテーマは
「胸が痛い!苦しい!」ときの対策
についてです。
突然胸が痛くなったり、苦しくなると
ちょっと慌ててしまいますよね。
しかしながら、パニックになってしまいどうしようかと困り果ててしまうよりも、
まずは是非、当クリニックのような専門医に早めにお尋ねください。
早ければ早いほど、打ち手が広がります。
詳しくは動画をぜひご覧ください。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
先日、『抗凝固療法』に関する講演会の座長を務めてきました。
抗凝固療法とは、いわゆる血液をサラサラにする薬をどう正しく使っていくか?という治療法の一つです。
特に、心房細動などの不整脈では心臓の中に血栓(血の塊)が容易にできるため、それが原因で脳卒中を起こすことがあります。
運が悪いと命に関わることもあるため、この治療法はとても大切なのです。
薬を投与する場合も、やみくもにこの人は心房細動だから直ちに抗凝固療法だ!と考えるのは早計です。
全ての投薬治療には良い面と悪い面があります。
それらを天秤にかけて、薬を使うべきか、抗凝固療法を行うべきか、を決める必要があります。
最近、抗凝固療法に関わる薬もいくつか出てきており、我々専門家も常にアップデートな知識を身につけていかなければいけない、と改めて感じました。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは、『ペースメーカーの適応』についてです。
そもそも、ペースメーカーとは何でしょうか?
ペースメーカーとは何らかの原因によって、自分の脈が異常に遅くなってしまった人に対して、
自分の脈に代わって心臓の脈をペースメーカーという機械で補ってあげるというものです。
よく誤解されるのが
『不整脈=ペースメーカー』
のように考える方が多いのですが、不整脈の方がすべてペースメーカーの適応になるわけではありません。
では、どんな不整脈のかたにペースメーカーが適応になるのでしょうか?
先ほど、簡単にお話しした通り、ペースメーカーの適応は脈が遅い状態。
すなわち徐脈と言われる状態の時に初めて検討されます。
ですから、強い動悸を感じる、ドキドキドキっと速い脈を感じる、急に脈の乱れを感じる、
などの症状はすぐにペースメーカーの適応とはなりません。
また、健康診断で脈が遅い、と指摘されたからといって、こちらもすぐにペースメーカーの必要が出るわけではありません。
では、代表的なペースメーカーの病気をいくつかお伝えします。
1 完全房室ブロック
この病気は、心臓の電気の流れがうまく心臓全体に行き渡らない病気、電気の流れが途中で完全にブロックされてしまう病気です。
房室ブロックには1度から3度まであり、3度の状態を完全房室ブロックと呼びます。
しかも、ややこしいことに完全房室ブロックのかたの一部の方のみがペースメーカーの適応になります。
2 洞不全症候群
これは、心臓の中にそもそも備わっていた天然のペースメーカーの機能が落ちている状態です。
こちらも、機能が相当に落ち込んで、もはや自分の脈だけでは脈拍数を維持できない、となった場合に限り、ペースメーカーの適応になります。
3 その他
それ以外にもいくつか異常な徐脈を起こす病気に対してペースメーカーが適応になることがあります。
では、自分が不整脈と言われたらどうすればよいでしょうか?
これは、まず自分の不整脈の種類がどの程度のものか、重症度を専門家に診てもらう必要があります。
徐脈やペースメーカーは、自分の脈だけではなく、心臓の基本的な動きや弁膜症などの合併症の有無、
色々な条件をしっかり調べる必要があります。
不整脈といわれても、闇雲に慌てず、まずはお近くの信頼できる専門家、循環器専門医にご相談くださいね。
当院では、ペースメーカーを留置されているかた向けへ、ペースメーカー外来を行っています。
ペースメーカーを留置した後は、
ペースメーカーがしっかり働いているか?電池はあと何年もつのか?
など定期的にチェックをしなければいけません。
特殊な機械を使って、循環器専門医師のもとでチェックを行う必要がありますので、どこの病院でも施行できるわけではありません。
当院では、ペースメーカーのメーカーによって、随時ペースメーカーチェックできる場合(メドトロニック社)と、日時を決めてご来院頂く場合があります。
ペースメーカーチェックをご希望の方は、お気軽にお問い合わせくださいね。
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心臓肥大と肥大型心筋症』です。
心臓の病気はたくさんあります。心筋梗塞や狭心症、弁膜症や心不全。
その中でも、心筋症という病気の定義は
「心筋そのものの異常により、心臓の機能異常をきたす病気」です。
つまり勝手に心臓の筋肉が厚くなったり薄くなったりして変性し、機能低下を起こす病気です。
心筋症には2つのタイプがあります。
心臓の筋肉が厚くなりすぎているタイプで、「肥大型心筋症」と呼ばれ、
一方で、心臓の筋肉が薄くなり、風船のように拡張してしまう「拡張型心筋症」があります。
肥大型心筋症によってもいくつかのタイプがあります。
心臓の入り口が肥大しているタイプ、心臓の先端(心尖部)が肥大しているタイプ、
心臓の真ん中あたりが肥大しているタイプ、心臓の出口が肥大しているタイプ。
特に、心臓の出口が厚くなりすぎた心筋によって血液の流出に支障をきたしているタイプを
『閉塞性肥大型心筋症』と呼びます。
肥大型心筋症における左室肥大と、突然死のリスクを調べた研究があります。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM200006153422403
この研究では、肥大型心筋症の患者さん480人を6.5年追跡調査しました。
その結果、心臓の肥大がすすんでいる人ほど、死亡率が高かったというのです。
肥大型心筋症では、肥大の程度が突然死のリスクと結びつくことがわかりました。
肥大の程度が非常に高度な若年患者では,たとえ症状がほとんどあるいはまったく認められない場合でも,その長期リスクはかなり高いと考えられるため,突然死を予防するための介入を検討する価値がある.肥大の程度が軽度の患者の大多数は突然死のリスクが低いため,予後に関して安心してもらうことができる。
という内容でした。
こう考えると、健康診断などで、心臓肥大を指摘されたことがある方は、一度肥大型心筋症の有無をチェックすることが必要だと思います。
当院では、心臓肥大のチェックに心臓エコーを行い、確実に心臓肥大があるかないか調べることが可能です。御心配な方は、ご相談くださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『心筋梗塞と冬の寒さ』です。
今日は、関東地方でも積雪と言われていますね。
そこで今日は寒さと心臓発作の関係、特に心筋梗塞との関連についてお話しします。
国立循環器病センターの研究グループによる発表によると、冬場には心筋梗塞による心臓停止の例が多くなっていることがわかりました。
冬場の寒さに伴い、心筋梗塞が起こりやすい理由としていくつかあげられています。
寒冷期の血圧上昇
暖かい屋内から寒い屋外に出た時などに伴う急激な寒暖差に伴う血圧変動
寒さによる心臓の血管(冠動脈)の過剰収縮
屋内での寒暖差を防ぐ。特に脱衣所と浴槽の寒暖差が心臓発作を起こしやすいといわれています。
風呂の温度は若干ぬるめに。熱いお風呂の温度が血圧を上げすぎる可能性があります。
入浴前にはアルコールを控える。
タバコを控える、禁煙。
戸外へ出るときは、マフラー、帽子、手袋など、もう一つプラスの防寒対策を心がける
もし、寒暖差などで、ちょっとした胸の不快感などでるようであれば、心筋梗塞の前触れ、狭心症の可能性も出てきます。
そんな時は、躊躇せず、病院を受診してくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『不整脈のお薬 アミオダロン』です。
アミオダロン(商品名 アンカロン)は、強力な抗不整脈剤の一つです。対象となる病気は、命に関わる心室頻拍、心室細動、肥大型心筋症に伴う心房細動で、なおかつほかの薬剤が無効な場合のみ適応になります。
アミオダロンというお薬は、内服薬(錠剤)だけでなく、注射薬も存在します。救急病院などで治療抵抗性の不整脈が出現した際に、このアミオダロンの注射薬は非常に重宝されました。僕も、医療センター勤務時には何度もこの薬で患者さんの重篤な不整脈を救いました。
アミオダロンの急性効果として注射薬を用い、慢性的な持続効果を狙って内服薬を継続する。そんな使いかたが一般的です。
今では、循環器内科医を中心として、多くの患者さんに使用されており、心臓発作や再入院の軽減に多大な貢献をしているとても効果的なお薬です。この薬を使わないことには不整脈のコントロールが充分にできない患者さんも大勢いらっしゃいます。
アミオダロンに限った話ではありませんが、すべての薬にはある一定の割合で副作用が存在します。
この、アミオダロンも例外ではありません。アミオダロン以外の薬では不整脈をコントロールできない人にはこの薬は欠かすことができないものです。しかし、この薬を漫然と服用するのではなく、どんな副作用があるのか、をしっかりと認識した上で定期的な副作用チェックを行わなければいけません。
では、アミオダロンの代表的な副作用をいくつかお示しします。
一つ目は、ほぼすべての抗不整脈剤に当てはまる、『催不整脈効果』です。催不整脈とは、抗不整脈剤を飲んで不整脈を抑えているつもりで、違う種類の不整脈を誘発してしまうというものです。催不整脈が起きる前には、安静時の心電図など異常が出ることが多いので、そちらの定期チェックをすることが必要です。
二つ目は、肝臓の機能異常。こちらも定期的な血液検査で肝臓機能をチェックすれば副作用を防げます。
三つ目は、肺の線維化です。アミオダロンの副作用に肺線維症というものがあります。これを予防するために、定期的なレントゲン写真や肺の線維化マーカーと呼ばれるKL-6という数値を血液検査で調べる必要があります。
四つ目は、甲状腺機能異常です。これはアミオダロンに『ゴイドロゲン』と呼ばれる甲状腺機能異常をきたす可能性のある物質が含まれているからです。ゴイドロゲンは、食物にも含まれており、ケールなどのアブラナ科の野菜に多く含まれていると言われています。アミオダロンの甲状腺機能異常をチェックするためには定期的な甲状腺機能を血液検査で調べる必要があります。
すべての薬にはそのメリットとデメリットが存在します。アミオダロンの内服も、本当に内服を継続するメリットが内服しないことよりも高いのか?そのことをしっかり考える必要があります。
すぎおかクリニックでも、不整脈治療に苦しみ、治療法に難渋していた多くの患者さんがアミオダロンを内服し、効果を享受しています。
もし、あなたやあなたのご家族でアミオダロンを内服しているのなら、定期的にしっかりと副作用チェックをされているかを確認してみてくださいね。
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など