心臓病予防にバイアスピリンは皆飲むべき?
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日はバイアスピリンという血液サラサラのお薬についての最近の研究報告をお話します。
バイアスピリンの内服
アメリカでは、医師からの助言なしに自主的にバイアスピリンを購入、内服している人が大変多いそうです。そして、その中でも今までに心臓血管病の既往がないにもかかわらず、予防的に内服している人もたくさんいるようです。本当に大丈夫なのでしょうか?
バイアスピリンという薬は日本でも多く使われています。
特に心筋梗塞や狭心症、冠動脈ステント留置術を受けた人などは、心臓病の再発予防、(2次予防といいます)のために内服しています。これらの人に対してのバイアスピリン内服はとても有効です。
一方、バイアスピリンは、心臓病などの既往がない人や心臓血管病のリスクが高くない人など、いわゆる全員が病気の予防(1次予防といいます)のためにも必須なのでしょうか?
病気予防のためのバイアスピリン
バイアスピリンの1次予防に関する内服是非については様々な報告がなされています。
NEJM誌に掲載されている論文(ASPREE試験)があります。
『Effect of Aspirin on All-Cause Mortality in the Healthy Elderly』
これによると、心臓血管病の既往のない70歳以上のかたに、バイアスピリンを内服した場合、心臓血管病に伴う死亡率の改善などの有効な効果は得られず、むしろ全死亡率が上昇してしまったと報告しています。
現在、米国心臓協会および米国心臓病学会(AHA/ACC)は、70歳超および出血リスクが高い人においては、アスピリンをルーチン使用しないよう助言しています。
この研究から言えること
これをもって、心臓血管病の既往がない全てのひとにバイアスピリン内服が推奨されないと考えるのは正しくありません。
心筋梗塞や脳卒中などの発症はないものの、糖尿病などの強い動脈硬化因子を持っている人や、症状はないものの頸動脈エコーなどの検査で動脈硬化病変が実際に確認されている人、など人によってはバイアスピリンなどの血液サラサラのお薬(抗血小板薬といわれます)が有効と思われるケースも多数存在します。
本当に必要なことは、あなたが今バイアスピリンを内服する必要があるかどうか?です。
こういったことを循環器内科の専門医師に相談されることをおすすめします。
動脈硬化は症状なく進行しますので、自分の動脈硬化の状態を把握するのはとてもとても大事です。
動脈硬化の検査
当院では、心電図はもちろんのこと、運動負荷心電図(運動しないと動脈硬化の判定を見逃すケースが多々存在します)、頸動脈エコー検査、心臓エコー検査、ABI検査、自転車エルゴメーター検査、血液検査など様々です。
生活習慣病をもっているかたや親兄弟に心臓病などの動脈硬化疾患を患った方がいる方、
あなたの動脈硬化は大丈夫ですか?
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ全員が循環器専門医資格を有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
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