院長ブログ

不整脈のお薬 アミオダロン

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『不整脈のお薬 アミオダロン』です。

アミオダロンという薬の効果

アミオダロン(商品名 アンカロン)は、強力な抗不整脈剤の一つです。対象となる病気は、命に関わる心室頻拍、心室細動、肥大型心筋症に伴う心房細動で、なおかつほかの薬剤が無効な場合のみ適応になります。

アミオダロンというお薬は、内服薬(錠剤)だけでなく、注射薬も存在します。救急病院などで治療抵抗性の不整脈が出現した際に、このアミオダロンの注射薬は非常に重宝されました。僕も、医療センター勤務時には何度もこの薬で患者さんの重篤な不整脈を救いました。

アミオダロンの急性効果として注射薬を用い、慢性的な持続効果を狙って内服薬を継続する。そんな使いかたが一般的です。

今では、循環器内科医を中心として、多くの患者さんに使用されており、心臓発作や再入院の軽減に多大な貢献をしているとても効果的なお薬です。この薬を使わないことには不整脈のコントロールが充分にできない患者さんも大勢いらっしゃいます。

アミオダロンの副作用

アミオダロンに限った話ではありませんが、すべての薬にはある一定の割合で副作用が存在します。

この、アミオダロンも例外ではありません。アミオダロン以外の薬では不整脈をコントロールできない人にはこの薬は欠かすことができないものです。しかし、この薬を漫然と服用するのではなく、どんな副作用があるのか、をしっかりと認識した上で定期的な副作用チェックを行わなければいけません。

では、アミオダロンの代表的な副作用をいくつかお示しします。

一つ目は、ほぼすべての抗不整脈剤に当てはまる、『催不整脈効果』です。催不整脈とは、抗不整脈剤を飲んで不整脈を抑えているつもりで、違う種類の不整脈を誘発してしまうというものです。催不整脈が起きる前には、安静時の心電図など異常が出ることが多いので、そちらの定期チェックをすることが必要です。

二つ目は、肝臓の機能異常。こちらも定期的な血液検査で肝臓機能をチェックすれば副作用を防げます。

三つ目は、肺の線維化です。アミオダロンの副作用に肺線維症というものがあります。これを予防するために、定期的なレントゲン写真や肺の線維化マーカーと呼ばれるKL-6という数値を血液検査で調べる必要があります。

四つ目は、甲状腺機能異常です。これはアミオダロンに『ゴイドロゲン』と呼ばれる甲状腺機能異常をきたす可能性のある物質が含まれているからです。ゴイドロゲンは、食物にも含まれており、ケールなどのアブラナ科の野菜に多く含まれていると言われています。アミオダロンの甲状腺機能異常をチェックするためには定期的な甲状腺機能を血液検査で調べる必要があります。

アミオダロンを続ける意味

すべての薬にはそのメリットとデメリットが存在します。アミオダロンの内服も、本当に内服を継続するメリットが内服しないことよりも高いのか?そのことをしっかり考える必要があります。

すぎおかクリニックでも、不整脈治療に苦しみ、治療法に難渋していた多くの患者さんがアミオダロンを内服し、効果を享受しています。

もし、あなたやあなたのご家族でアミオダロンを内服しているのなら、定期的にしっかりと副作用チェックをされているかを確認してみてくださいね。

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

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肥満は心臓病を悪くするのか?

こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科の『すぎおかクリニック』院長、杉岡です。

今日のテーマは『肥満は心臓病を悪くするのか?』です。

メタボリック症候群

メタボリック症候群、聞いたことありますよね?男性だと腹囲85cm以上、女性だと腹囲90cm以上で動脈硬化のリスクを持っている人のグループをこう呼びます。

肥満=害、と世間では思われがちですが、最近そうとも言えない研究発表が続々と出てきているのです。

今日はその中で、肥満の度合いと心臓血管病のリスクを比較した論文を紹介したいと思います。

心臓手術後の肥満の度合いと死亡率の関係

日本心臓病学会の学会誌 Journal of Cardiologyに2016年に発表された日本人グループの研究です。

『Overweight, but not obesity, paradox on mortality following coronary artery bypass grafting.』

というタイトルです。

冠動脈バイパス術(CABG)という、狭心症や心筋梗塞の方に行う手術を施行した人79140人を対象に術後の死亡率を比較した研究です。

これによると、オーバーウェイトの体重(過体重)の人は、正常体重の人と比べ、短期の死亡率が15%減少、中長期の死亡率が10%減少したというのです。一方、obesity(肥満)状態まで体重が上がった人には死亡率減少効果が認められなかったとか。

BMI(bodt mass index)と呼ばれる、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数があります。

体格指数(BMI)=体重÷身長÷身長で計算します。

WHO(世界保健機構)が定めた基準によると、BMIが18.5以上24.99以下が正常、25以上29.9以下がオーバーウェイト(過体重)、30以上が肥満となります。

この論文からいえること

狭心症や心筋梗塞などで手術を受けた後、いったいどういった生活習慣をおくればいいのか、知りたいところだと思います。

この論文は、心臓手術後の肥満は良くないけれども、過度に体重を落とすと逆効果になりえる、ということを示唆しています。

ただ、この論文はあくまでも肥満、オーバーウェイトの面からのみ検討しています。肥満に加えて糖尿病や脂質異常があったらどうなるか?心臓の動きによる違いは?不整脈の影響は?運動や食生活の影響は?などまだまだ詳細な検討が必要になってくると思います。

ただ、やみくもにやせを目指す必要はなさそうだと言えますね。

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ビタミンDと心不全

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『ビタミンDと心不全』です。

ビタミンDの役割

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、さまざまな役割を持っています。たとえば、カルシウム代謝への関与。腸からのカルシウムの吸収を高めたり、腎臓からのカルシウム排泄を調節したりという役目があります。最近では、免疫反応に関与する役割も持っているといわれています。これ以外にもビタミンDは非常にたくさんの働きがあるといわれていますが、最近こんな研究論文が発表されました。

それは、心臓の機能が落ちた心不全患者さんの運動能力とビタミンDの関係性について調べた論文です。

ビタミンDと心不全

American Journal of Medicine誌に掲載された論文で、

『Vitamin D Status and Exercise Capacity in Older Patients with Heart Failure with Preserved Ejection Fraction.』というタイトルです。

高齢で心不全を起こしてくると、体力の低下や運動能力の低下が著明にみられるようになってきます。

高齢の心不全患者さんの運動耐用能力が、ビタミンDとどんな関係があるかを調べています。

112名の心不全患者さんを対象にこの研究はおこなわれました。

まず、心不全患者さんのビタミンDの血中濃度は対照となる健常者の血中濃度と比較して明らかに低いという結果が出ました。そして、90%の心不全患者さんのビタミンD血中濃度は20ng/mlと低下しており、特に30%の心不全患者さんのビタミンD血中濃度はなんと10ng/ml以下だったのです。

また、6分間歩行テストを行い、運動能力を比較した結果、ビタミンD血中濃度が低い人ほど、6分間歩行テストで運動能力が低かったという結果が出たのです。

ビタミンDの血中濃度は高齢者の心不全患者さんの運動能力にかなり関係している可能性がある、とこの論文では結論付けています。

栄養素の補充を積極的に

今回の論文はビタミンDが心不全の患者さんに非常に有効だったという報告でした。このように、微量栄養素と呼ばれるビタミンやミネラルはカラダのバランスを保つために様々なところでさまざまな働きをしているとても大切な栄養分です。しかし、日常の食生活の偏り、コンビニやファーストフード中心の生活により、現代人のビタミンやミネラルは深刻な欠乏状態にあるとも言われています。

健康の基盤として、食事からだけではなく、ビタミンやミネラルなどのサプリメントを普段から使ってみるということを考えてみる必要があると思います。

当院でも院長をはじめ、ほぼ全てのスタッフが積極的にサプリメントを愛用しています。

サプリメントの場合、何を選んだらいいか判断できない場合が多いかもしれません。当院で扱っているサプリメントはドクターズサプリメントと呼ばれ、医療機関でしか扱えない高品質のサプリメントを提供しています。

サプリメントに関しても、何かご相談があればお気軽にご来院くださいね

 

<院長プロフィール>

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医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

 

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たんぱく質の正しい摂り方

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『タンパク質の正しい摂り方』についてです。

たんぱく質は何から摂るべきか?

私たちがタンパク質から栄養を摂る場合、大きくその栄養源は2つに分かれます。

一つは動物由来のたんぱく質、もうひとつが植物由来のタンパク質です。

今日は、2016年にJAMAという医学雑誌に掲載された論文の内容をもとに話をしていきますね。

動物性たんぱく質 vs 植物性たんぱく質

『Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality』

というタイトルで、2種類のたんぱく質の摂取と死亡率について比較検討した研究で、131342人を対象に行ったものです。

この研究からの結論の一つは、肉食中心の食生活を送っていても、植物性蛋白質中心の食生活をおくっていても、いずれのグループにおいても死亡率には影響を与えませんでした。

しかし、不健康な生活習慣をおくっているグル―プに限っては死亡率を上げるというデータがでました。

肉食生活と不健康な生活習慣の結果として・・・

この研究での不健康な生活習慣とは、タバコ、多量の飲酒、肥満、運動不足を指しています。

そういうアンヘルシーライフを送っている方に限っては、動物性たんぱく質由来の食生活を続けていると心臓血管病を原因とする死亡率の増加が認められたのです。一方植物性たんぱく質由来の食生活のグループにはそういう傾向はみられませんでした。

この研究からいえること

動物性たんぱく質が悪い、と声を上げるのは早計です。なぜなら生活習慣が乱れている人の場合、動物性たんぱく質の摂取源を、たとえば揚げ物などの酸化した油を使ったものや製品の加工過程が不明な加工肉を口にしたりなどしていることも予想され、動物性たんぱく質以外の不健康なものを多く食べていることが容易に想像がつくからです。

そして、もう一つ大事なことは、普段の生活習慣をきちんと行っていればどちらを食べても影響はないということ。ですから、私たちはまず日々の生活習慣に問題がないか、生活習慣病をもっていないか、そんなことを見直すということが何よりも大切なのかもしれません。

 

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頸動脈狭窄と脳梗塞の関係

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『頸動脈狭窄と脳梗塞の関係』についてです。

脳梗塞の原因

脳梗塞の原因は大きく分けて2つ。一つは脳の血管の動脈硬化によって血管が詰まってしまう場合。もう一つは、不整脈などが原因で、心臓などでつくられてしまった血栓やプラークが、心臓から剥離して脳の血管に飛んで行ってしまう場合。これを脳塞栓症と呼びます。

今日は、脳梗塞の中でも、塞栓症ではなく、脳の動脈硬化による脳卒中の話、その中でも頸動脈が原因として脳卒中を起こすケースについてお話ししますね。

頸動脈

頸動脈は、左右の頸(首)にそれぞれ1本ずつ走行している血管です。我々の頸部には左右の頸動脈と、左右後方を流れる左右の椎骨動脈と、計4本の血管で脳に栄養を送っています。そのなかで、頸動脈が脳に血液を送る領域は非常に広く、めっちゃ簡単に言うと、脳の約半分に栄養を送っています。

ですから、頸動脈が動脈硬化をおこし、狭窄や閉塞を起こすと、とても大きな脳梗塞をおこし、時には命に係わるケースも少なくありません。

ですから、自分の頸動脈がどうなっているかを知っておくのはとても大切なこととなってきます。

頸動脈狭窄症の検査

頸動脈狭窄症の検査のなかで、最も簡便で第一に行うべき検査、それは頸動脈エコー検査です。

頸動脈エコー検査は、体への負担、侵襲が全くなく、何度行っても人体に影響はありません。

ですから動脈硬化のリスクをもっているかた、具体的には高血圧症、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞や狭心症の既往のある方、肥満、喫煙者、など当てはまる方は積極的な検査が必要となります。

頸動脈エコー検査で、強度の狭窄が見つかった場合は、カテーテル検査などで血管造影を行い、手術などの治療が必要か判断します。

頸動脈狭窄症の治療

狭窄が軽度(具体的には狭窄50%以下)の場合、薬物療法がメインとなります。血液をサラサラにする抗血小板剤、コレステロール値を下げるスタチン製剤、降圧剤、糖尿があれば糖尿病薬、などです。

狭窄が高度の場合、治療は大きく分けて2つ。一つはCEA(血管内膜剥離術)、もう一つはCAS(頸動脈ステント留置術)。どちらの治療法が適応されるかは、その方の狭窄の形態などで変わってきます。

頸動脈狭窄を見逃さないために

頸動脈狭窄症は、往々にして症状がありません。症状が出た時には頸動脈が完全に閉塞していて脳卒中を発症して初めて狭窄に気付くケースもたくさんあります。

頸動脈狭窄をはじめとする動脈硬化の狭窄はなかなか症状が出づらいという現実があります。脳卒中を起こさないように頸動脈エコー検査を定期的に受けてくださいね。

同様に、心筋梗塞や狭心症を起こさないように、定期的な心臓エコー検査や運動負荷心電図、足の血管が狭窄してないか調べるためのCAVI検査。動脈硬化は症状が出る前の早め早めの検査が必要です。

 

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健康は、健康な朝から始まる

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『健康な朝』です。

健康的な生活をはじめたいなら・・

健康になりたい、普段の生活に健康習慣を取り入れたい、でも何から始めたらいいかわからない。

その結果、毎日のちょっとしたどたばたに追われ、いつもと変わらない生活を余儀なくされているかたは多いと思います。

どんな食事法をとったらいいんだろう?

運動は一日どれくらいするべきなのだろう?

そんなかたにまず、健康意識を高めるために始めて頂きたいこと。

それは、「朝を変える」ということです。

健康な朝とは・・・

今日は、健康な朝を過ごすためのとても簡単なお勧めの方法をいくつかご紹介しますね。

1 いつもよりほんの少しだけ早起きする

朝は黄金の時間、力の時間、と言われています。10分だけでもいつもより早くおきてみる、10分余裕のある朝を過ごす。それだけで朝の過剰な交感神経の緊張を緩めてくれます。

2 朝起きてすぐにSNSやテレビなどを見ない

多くの人がスマホやテレビなどに日常を奪われています。朝起きたとたんに枕元のスマホをいじりだす。すぐにテレビのスイッチを入れる。フェイスブックなどに夢中になり、気が付いたら平気で何十分も経っていた。皆さんもそんな経験があるはずです。あえて目の届かない場所にスマホを置き、テレビの電源をオフにし、ゆっくり過ごすことを心がけるのは脳を落ち着かせることにもつながります。

3 朝の太陽を浴びる

人間は、太古のころより太陽とともに生きてきました。太陽が上がるとコルチゾールというホルモンが分泌され、朝を感じる。夜になるとメラトニンというホルモンが分泌され、眠りの準備をする。

そんなホルモンバランスを整えるための最も大事なこと、最初に行っていただきたいこと、それが朝の太陽を浴び、体に朝を感じさせるということです。

4 深呼吸をしてみる

朝起きた時に、十分な酸素を全身に巡らせるのはとても大切なことです。そしてとても簡単なことです。朝のボーっとした頭に酸素を送り込んで充実した一日の始まりとしましょう

5 自分を勇気づける言葉、ほめる言葉、前向きにする言葉(マントラ)を口にする

人間の脳は、油断すると大半がネガティブな事柄を考えてしまっているといわれています。一日の始まりをネガティブな考えで始めるか、ポジティブな脳で始めるか。そしてポジティブな脳をつくるには、自らを前に進めてくれる言葉を自分に投げかけることがとても良いといわれています。

病気を予防するということ

病気を予防するのは単に薬を飲んで血圧を下げたり、糖尿をよくしたりということではありません。薬はあくまでもあなたの体をよくする手伝いをしているにすぎません。

病気にならない体をつくるために、小さな日常を変えることからはじめましょう。

それが結局は生活習慣病の予防になり、心筋梗塞の予防になり、脳卒中の予防になると思います。

 

 

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野菜の王様 ケール

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、食べ物。その中でも野菜の王様、『ケール』についてです。

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ケールって何?

ケールは、アブラナ科の野菜で、いわゆるブロッコリーやカリフラワーの仲間です。

ケールにはとてもたくさんの栄養素がふくまれています。青汁の原材料としてもよく使われています。

では、どんな栄養素が含まれているのでしょうか?

まず第一はβカロテン。βカロテンの含有量はトマトの約5倍あるとも言われています。

ケールはビタミンC,ビタミンEも多く含み、これらのビタミンは非常に抗酸化作用の高いビタミンです。

カラダの酸化は動脈硬化などの病気の原因の一つと考えられています。

また、ルテインも多く含んでいます。ルテインと言えば、目の健康に良いといわれているものですよね。

ルテインによって加齢黄班変性症などのリスクが低下するという話もありますからね。

また、ケールはビタミンだけでなく、カルシウムなどのミネラルや食物繊維もとても豊富で、まさに野菜の王様と言われるゆえんです。

ケールは完璧なのか?

このように、ケールの効果は素晴らしいものがあります。しかし、何事もそうですが、同じものを毎日毎日食べ続けること、そして食べすぎは良くないですよね。

ケールにもやはり問題点があります。それは『ゴイドロゲン』と呼ばれるものです。

ゴイドロゲンとは、ヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺の機能を低下させる物質のことを指します。

このゴイドロゲン、ケールなどのアブラナ科の野菜や大豆などに多く含まれています。

食べ過ぎにはぜひ注意してくださいね。

ケールのゴイドロゲンは、熱を加え調理など行うと劇的に低下するといわれています。

食べ方にも工夫が必要かもしれませんね。

ゴイドロゲンを含むものは食べ物だけじゃない

甲状腺機能を低下させるゴイドロゲン、実はこれはある薬にも含まれています。

次回はこの薬のついての話をさせてくださいね。

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期外収縮という不整脈だと言われたら・・

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『不整脈といわれたら』です。

 

そもそも不整脈とは?

不整脈とは、読んで字の如し、まさに脈が不整になることです。

自覚症状としては、「脈が抜けた」「脈がずれた」「胸がドキドキする」「胸が違和感を感じる」「胸苦しい」、時々「胸が痛い」「動悸がする」という表現をされる方もいらっしゃいます。

また、自覚症状が全くなく、健康診断でいわれた、とか、血圧計を測ったら不整脈と表示された、というかたもいらっしゃいます。

不整脈といっても、実はとても多くの種類があります。そして不整脈のすべてに治療が必要というわけでもなく、逆に治療を必要としない不整脈のほうが多いという印象を持っています。

不整脈の種類 期外収縮

一番見かけることが多い不整脈は、期外収縮と呼ばれるものです。「上室性不整脈」と「心室性期外収縮」がありますが、どちらも規則正しく脈を打っている中で、一瞬脈のリズムがずれ、「一瞬脈が飛んだ」「脈が抜けた」「ドキン!とした」など感じます。

でも、安心してください。この不整脈の場合はほとんどが問題ありません。そもそもこういうタイプの不整脈はカラダの緊張、普段のストレスや疲れ、いわゆる自律神経の一つである交感神経の緊張から引き起こされるパターンが多いです。従って、その緊張の原因、ストレスのもとがとれると自然と消失される方も大勢いらっしゃいます。

ただ、基本的な心臓の動き、つまり収縮力や拡張力が落ちている場合、たとえば狭心症や心筋梗塞、心臓手術などの心臓病の治療後や高血圧や糖尿病などの基礎疾患を抱えている場合は、この期外収縮が心臓発作の予兆であることもあり得ます。

また、期外収縮がどんなタイミングで起きるのかも重要です。一般的に期外収縮は運動でその数が減少したり消失したりしますが、逆に運動によって期外収縮が増える方がいます。また、検査してみる期外収縮以外の不整脈が見つかることもあります。

ですから期外収縮を感じた場合、全面的に無視して良いということではないのです。

心臓超音波(エコー)検査や24時間心電図(ホルター心電図)検査、運動負荷心電図などを循環器専門医のいる施設のもと、一度うけて問題ないことを確認する必要があります。

期外収縮以外にも様々な不整脈がありますので、順次ご説明していきたいと思います。

当院には循環器専門医が2名在籍していますので、こんな症状がありましたらお気軽にご相談ください。

 

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お酒の飲みすぎと認知症

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『お酒の飲みすぎと認知症』です。

アルコールの飲みすぎは認知症を招くのか?

一流の医学誌、Lancetにフランスの研究チームがなんと約3000万人!!を対象に行った調査があります。

『Contribution of alcohol use disorders to the burden of dementia in France 2008–13: a nationwide retrospective cohort study』

この論文によると、アルコールを過度にとりすぎると認知症の発症リスクが高くなったとのこと。そして早期発症型認知症の発症リスクにアルコール過量摂取が強く関わっていたというのです!

アルコールで認知症リスクが3倍以上に跳ね上がる

この研究結果では、アルコール使用で認知症発症リスクが男性で3.4倍、女性で3.3倍に上昇しているのがみられました。

また、65才以前に発症した早期認知症の発生は認知症全体の5.2%いたのですが、早期認知症の半数以上がお酒の飲みすぎと関連していたというのです。

飲みすぎとはどの程度を指すのでしょうか?

この研究では、アルコールの飲みすぎが認知症発症に強く関わっているのがはっきりしました。

では、どの程度が飲みすぎ、大量飲酒と言えるのでしょうか?

WHO(世界保健機関)は1日当たりのアルコール量を男性で60g、女性で40g以上を大量飲酒としています。

ワインでグラス一杯でアルコール10g以上です。つまり、女性だとグラス4杯のワインを飲み続けることは好ましくない、ということです。

高血圧や喫煙など、生活習慣の乱れも動脈硬化をおこし、認知症の原因になるとも言われています。

認知症予防のために、アルコール制限だけでなく、生活習慣の乱れを防ぐこともとても大事なことですね。

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

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甲状腺機能低下と心臓発作

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは『甲状腺機能低下症と心臓発作』です。

また、以前ブログで書かせて頂いた、「甲状腺と心臓病」も参考にしてくださいね。

甲状腺の機能が低下するとどうなるか

甲状腺は、喉仏あたりにある小さな臓器です。そこから全身の代謝をつかさどる甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンの出が悪くなるとどんな症状が出るのでしょうか?

脈が遅くなり、心臓の機能が低下し、徐脈や心不全といった病気になりやすくなります。

ここで、American Journal of Cardiologyという、アメリカの一流雑誌に載ったある論文をご紹介します

甲状腺機能が低下すると、心臓発作が起こりやすくなる?

この論文は、

『Relation of Subclinical Hypothyroidism is Associated With Cardiovascular Events and All-Cause Mortality in Adults With High Cardiovascular Risk』というタイトルで、これは心臓リスクの高い方を対象にした研究論文で、潜在的な甲状腺機能低下によって心臓発作が起こりやすくなり、長期的にみて死亡率も高くなってしまうという内容でした。

40歳以上の3021人がこの研究に参加。これによると、潜在的に甲状腺の機能が低下していると、心臓発作を起こすリスクやそれがもとで命を落とすリスクが約2倍にもなっていたというのです。

心臓の機能が低下している人、以前心不全や心筋梗塞を起こしたことがある方、などは定期的に甲状腺の機能をチェックする必要がありうそうですね。

心臓の経過をチェックする検査

心不全、心臓機能低下、心筋梗塞、狭心症など心臓病を抱えている方は定期的に心臓エコー検査や運動負荷心電図、不整脈チェックのホルター心電図、血液検査などが必要です。それに加えて、甲状腺機能の検査を受けてみるのもよいと思います。

 

 

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