閉塞性動脈硬化症に対する運動療法の効果
こんにちは。船橋市の内科、循環器科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は『閉塞性動脈硬化症と運動療法の効果』についてお話します。
閉塞性動脈硬化症とは?
閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気はご存知ですか?この病気の多くは下肢の血管の狭窄、閉塞で様々な症状がでる病気です。
例えば、心臓の血管が詰まって心筋梗塞、脳の血管が詰まって脳梗塞という病気はご存知のかたも多いと思います。一方で下肢の血管が詰まって閉塞性動脈硬化症という病気になるということは知らない方も多数いらっしゃるようです。
糖尿病などで、下肢が壊疽を起こしていしまい、下肢切断というケースがありますが、これなどは糖尿病を原因として下肢閉塞性動脈硬化症を起こした結果、招いた病状です。
このように、下肢血管の狭窄や閉塞はしっかりと予防、治療、そして日頃の健康管理が欠かせません。
日頃の健康管理で最も重要なのが下肢を使うこと、すなわち運動です。
では、実際にどの程度の運動をするとよいのでしょうか?
特に一度閉塞性動脈硬化症を発症した場合、そして下肢血管に狭窄が残っている場合など、その後の運動、いわゆる運動療法はとても重要です。
今回、閉塞性動脈硬化症を起こしたかたがどの程度運動すると効果的なのか?についての論文が発表されたのでその点についてお話します。
閉塞性動脈硬化症と運動療法の程度
305例を対象に行われました。
グループは3つに分けられ解析されました。
(1)在宅で行う低強度(虚血性下肢症状を誘発しないペース)の歩行運動群
(2)在宅で行う高強度(中等症~重症の虚血性下肢症状を誘発するペース)の歩行運動群
(3)運動なし(対照群、65例)をそれぞれ12ヵ月間実施
簡単にいうと、グループ1は、対して下肢に負荷がかからない運動、グループ2は下肢が痛くなるほど負荷がかかるグループと考えてください。
6分間歩行距離を計測して、運動の評価を行いました。
そして、12ヶ月経過を観察したところ、高強度の運動負荷であるグループ2の人たちのみが、歩行距離が伸びたのです。
この研究から考えられることは、運動をする場合、やはりある程度の負荷をかけないと、十分効果が得られないどころか全く効果がないということになりかねない。つまり頑張りが報われないということです。
例えば、普段ウォーキングをしている人も、のーんびりとゆっくり歩くのか?それとも速いスピードで頑張って歩くのか?これだけでも効果が変わってくる可能性がるということですね。
運動、頑張りましょう
当院は心臓血管病などの循環器疾患や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化を予防したい方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかたなどが船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの方に来院頂いています。
在籍医師は、院長はじめ循環器専門医資格を多くの医師が有しております。
医師、専門スキルを持った看護師(糖尿病療養指導士、抗加齢学会指導士、心臓リハビリテーション指導士)、専門エコー技師、管理栄養士、経験豊富な医療事務の全員で、チームで患者さんを診療させていただいております。
どうぞ安心してご来院ください
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