血圧の薬と循環器疾患による死亡リスク
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は『降圧剤と循環器疾患の死亡リスク』についてお話します。
血圧と循環器疾患の関係
日本人を対象に、血圧の値と循環器疾患による死亡リスクを検討した研究発表(JACC研究)がなされました。
『Blood pressure levels and risk of cardiovascular disease mortality among Japanese men and women
the Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk (JACC Study)』
追跡期間は20年で、血圧の数値で5群に分類し、血圧と循環器疾患の死亡率を比較しています。
この5群は、「至適血圧群120/80未満」、「正常血圧群120~129/80~84」、「正常高値群130~139/85~89」、「Ⅰ度高血圧群140~159/90~99」、「Ⅱ~Ⅲ度高血圧群160/100以上」に分類されました。
その結果、血圧が高いほど循環器疾患の死亡リスクはあがっていました。つまり『Lower is better』だったわけです。
降圧剤と循環器疾患死亡リスクの関係
一方、高血圧があり降圧剤を使用している人と、降圧剤を使用していない人で解析をしてみたところ、降圧剤を使用していないグループでは血圧が低いほど循環器疾患の死亡率は少なかったです。
一方、降圧剤を使用しているグループに限って解析をしたところ、循環器疾患の死亡率は「正常高値群130~139/85~89」が一番低かったという結果だったのです。
この研究から言えること
この研究結果から、闇雲薬で血圧を下げすぎては行けない、と判断するのは間違いです。
なぜなら、降圧剤で血圧が下がっている人の病気の背景や合併症がはっきりしていないからです。
その人にとってどれくらいの血圧が丁度いいのか?
これは明らかにケースバイケースとなってきます。
もし、漫然と降圧剤を服用しているとしたら、ぜひ一度循環器専門医にご相談されることをおすすめします。
当院では、循環器専門医2名体制で診療をしていますのでお気軽にご相談ください。
<院長プロフィール>
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
当院は循環器疾患と高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病に力を入れています。
動脈硬化や心臓病が気になる方、または心臓病を発症したあとの再発予防のかた、糖尿病の合併症を抱えた方など、船橋市、鎌ケ谷市、習志野市,、市川市、千葉市を始め多くの地域から来院頂いています。
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