脳を刺激する活動と認知症予防
こんにちは。船橋市の内科、循環器内科、心臓内科、糖尿病内科のすぎおかクリニック院長の杉岡です。
今日のテーマは、『脳を刺激する活動と認知症予防』について、です。
加齢に伴う記憶力低下
加齢に伴って、記憶力が低下する、というなやみは多くの中高年の方が抱えている問題だと思います。
これが、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の兆候の一つであることもあります。
今回ご紹介する研究は、脳を刺激する活動を続けることで、MCIを予防できるかもしれない、というものです。
脳を刺激する活動と軽度認知障害のリスク
この研究は、米メイヨー・クリニックの精神科医であるYonas Geda氏らにより示されました。
『Quantity and quality of mental activities and the risk of incident mild cognitive impairment』
対象:研究開始時にMCIがなかった平均年齢78歳の約2,000人を対象に、5年間追跡調査を施行。5年間にわたって定期的に思考力と記憶力の検査を受けました。
また、脳を刺激する活動度は、読書、パソコン操作、社会活動、ゲーム、などとしています。
結果:この期間に532人がMCIを発症。
友人と楽しんだり、映画を見たり、パソコンを使ったりすることで、総合的にMCIリスクは20%減少することが判明しています。
また、コンピューターを日常的に使用していると、MCIのリスクが63%にまで低下しました。
クラフト活動は、晩年期に実施された場合にのみ、MCIの発生リスクが58%にまで低下。
さらに、晩年に多くの活動に従事すると、MCIの発生リスクが57%にまで大幅に低下しました
結論:より多くの精神的刺激活動に従事することは、高齢者のMCIのリスク低下と関連していることが予想されました。
この研究から言えること
何歳になっても、脳を刺激する活動を続けることは、軽度認知障害(MCI)や認知症を予防するためにはとても有用だと言えるでしょう。
また、今自分がすでにMCIになってしまっているのかを計測することが可能になっています。
MCIを予防すること、そして自分の脳の状態を定期的に調べておくこと、が必要ですね。
当院でも、MCIスクリーニング検査を行っています(保険適応外)。気になる方は、お気軽にご相談くださいね。
<院長プロフィール>
地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です
大穴中学校、県立千葉高校卒業
平成3年千葉大学医学部卒業
平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務
平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング
平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務
平成26年5月すぎおかクリニック開院
<取得資格>
医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など
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