糖尿病と心筋梗塞
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は、糖尿病と心筋梗塞の関係についてのお話です。
糖尿病で血管が詰まる?
心筋梗塞や脳卒中、狭心症、閉塞性動脈硬化症など血管が詰まってしまう病気の原因のほとんどは動脈硬化と言われています。
動脈硬化、とは血管にプラークと呼ばれる塊がこびりついて血管が硬くなり、もろくなる現象です。
そして、動脈硬化が進み、プラークが酸化しやすい状態になると、ますますプラークは増加していき、そのうち血管の壁に傷がつきやすくなります。その傷を修復しようと血小板と呼ばれる細胞類が血栓という蓋をつくって傷を修復、その血栓が血管内にあふれると血管自体が詰まってしまう。これが動脈硬化に由来する心筋梗塞や脳梗塞、血栓症のメカニズムです。(めっちゃ簡単に話しています・・・)
そしてこの過程と糖尿病には深いかかわりがあるのです。
糖尿病になるだけで、心筋梗塞や脳卒中のリスクは2倍から4倍にまで跳ね上がるといわれています。
その理由は、動脈硬化のプラーク(正確にはリポ蛋白と呼びます)の酸化が糖尿病で進みやすいからなのです。
また、糖尿病のかたは、他の動脈硬化危険因子を合併していることも多いです。たとえば、肥満や脂質異常症、高コレステロール、高中性脂肪などがそうです。
そういった生活習慣の乱れがますます動脈硬化を加速させ、心筋梗塞の発症率を高めてしまいます。
心筋梗塞の予防に必要なことは?
お分かりのことと思いますが、やはり糖尿病や生活習慣病の原因となる、乱れた生活習慣を正すこと、がなによりも大切になってきます。
まだ私の糖尿は軽いから、と漫然に過ごさずに、早期からの血糖管理に気を付けることです。そして、血圧や脂質のコントロールにも目を配り、食事療法、運動療法も必要です。療法というといかにも難しそうですが、単に体に悪そうなものを食べすぎない、面倒だからと言って体を動かさないことを避ける。
これだけで糖尿病や生活習慣病を避け、心筋梗塞や脳卒中のリスクを激減できるのです。
血管のつまりが突然やってくる
心筋梗塞や脳卒中は突然やってきます。それは何の前触れもなしに。
そのためには普段からの動脈硬化管理、血管管理もとても大切です。
糖尿病の数字だけに一喜一憂するのではなく、自分の動脈硬化の状態、血管の硬さの状態、プラーク量の状況、心臓機能の状況、これらのきめ細かい管理を忘れてはいけません。
糖尿病のかたの動脈硬化管理
やるべきことは、糖尿病の数字管理(ヘモグロビンエーワンシー HBA1c)、合併症管理(腎臓の数字や目の状態)、心臓の状態(運動負荷心電図や心臓エコー)、動脈硬化の状態(頸動脈エコーやCAVI検査)。
そして、食事指導と運動指導。
当院では循環器専門医や糖尿病療養指導ナースの指導のもと、糖尿病の動脈硬化合併症に関して徹底的な管理を行っています。船橋市をはじめとして習志野市、鎌ヶ谷市、市川市、千葉市、また県外からも多くの方に御来院頂いています。
自分の動脈硬化の状況を把握したい、心配だ、などあれば、是非一度ご相談くださいね。
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