甲状腺機能低下と心臓発作
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日のテーマは『甲状腺機能低下症と心臓発作』です。
また、以前ブログで書かせて頂いた、「甲状腺と心臓病」も参考にしてくださいね。
甲状腺の機能が低下するとどうなるか
甲状腺は、喉仏あたりにある小さな臓器です。そこから全身の代謝をつかさどる甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンの出が悪くなるとどんな症状が出るのでしょうか?
脈が遅くなり、心臓の機能が低下し、徐脈や心不全といった病気になりやすくなります。
ここで、American Journal of Cardiologyという、アメリカの一流雑誌に載ったある論文をご紹介します
甲状腺機能が低下すると、心臓発作が起こりやすくなる?
この論文は、
『Relation of Subclinical Hypothyroidism is Associated With Cardiovascular Events and All-Cause Mortality in Adults With High Cardiovascular Risk』というタイトルで、これは心臓リスクの高い方を対象にした研究論文で、潜在的な甲状腺機能低下によって心臓発作が起こりやすくなり、長期的にみて死亡率も高くなってしまうという内容でした。
40歳以上の3021人がこの研究に参加。これによると、潜在的に甲状腺の機能が低下していると、心臓発作を起こすリスクやそれがもとで命を落とすリスクが約2倍にもなっていたというのです。
心臓の機能が低下している人、以前心不全や心筋梗塞を起こしたことがある方、などは定期的に甲状腺の機能をチェックする必要がありうそうですね。
心臓の経過をチェックする検査
心不全、心臓機能低下、心筋梗塞、狭心症など心臓病を抱えている方は定期的に心臓エコー検査や運動負荷心電図、不整脈チェックのホルター心電図、血液検査などが必要です。それに加えて、甲状腺機能の検査を受けてみるのもよいと思います。
タグ:心不全 | 心筋梗塞 | 心臓 | 狭心症 | 甲状腺 | 論文