弁膜症
こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。
今日は弁膜症についてのお話です。
弁膜症って何?
弁膜症は、最近コマーシャルでもよく言われている言葉ですが、その意味がよくわからない人もいるかもしれません。
そもそも、心臓には4つの弁が付いています。弁とは、開いたり閉じたり、心臓の動きに応じて開閉を繰り返す門のような働きです。
心臓には右心系、左心系と主に2つの循環に分かれており、それぞれの入り口と出口に弁が付いています。
左心系の入り口が僧房弁、出口が大動脈弁。右心系の入り口が三尖弁、出口が肺動脈弁と呼ばれています。
そして、それぞれの弁の開きが悪くなることを○○弁狭窄症、弁の閉じが悪くなるのを○○弁逆流症と呼んでいます。
弁膜症はどうやって見つかるの?
困ったことに、実は弁膜症のほとんどは全く症状がありません。健康診断で心雑音(心臓聴診で聞こえる異常音のことです)として引っ掛かり、心臓エコー検査でたまたま見つかる、のケースがほとんどです。
ですから、自分に弁膜症があるかどうかは、専門施設で心臓エコーの検査を行わないと、確定診断がつかないのです。
ただ、残念ながら心臓エコーはどこの施設でも手軽に行っているものではなく、非専門家が検査すると見逃されたり、逆に過大に重症と判断されることもあります。
当院では心臓エコーの資格を備えた専門技師が、見逃すことなくしっかりとチェックさせていただいています。
弁膜症の治療
弁膜症は軽度であれば、何も治療する必要はありません。ただ、将来重症化することがありますので、決して放置することなく継続的な経過を診る必要があります。
中等度であれば、心臓の負担を取り除くような薬の治療が行われます。そして、薬でコントロールできない、症状が取り切れない、日常生活やその方の生活範囲(ADL)に影響が出る場合や手術が必要になります。
弁膜症の治療後
弁膜症は、重症だった場合手術する必要がありますが、大事なのはその後の経過をしっかり見れるかどうかということです。
弁を手術し、弁を人工弁などで置換すると、その後に弁に不具合が出ることがあります。それが起こらないか、同様にプロの目で見た心臓エコーの検査でのフォローが必要になるのです。
弁膜症ほど、循環器専門医の目線が必要な病気はないとも言えます。
すぎおかクリニックでは、2名の循環器専門医をそなえ、2名の心臓エコーの検査技師、循環器内科の豊富な経験をもった看護師という体制で皆様の心臓、循環器疾患、そして健康をお守りしています。
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