院長ブログ

わずかなカロリー制限でも心臓病リスクが減る

こんにちは。すぎおかクリニック院長、杉岡です。

今日のテーマは、「わずかなカロリー制限でも心臓病リスクが減る」です。

生活習慣と心臓病の関連

偏った食事、過多な糖質依存、それに伴う生活習慣病、肥満などが心臓病のリスクになっていることは、周知のことと思います。肥満があれば、体重を落とすことで心臓病や動脈硬化が抑制されることも予想できます。

では、非肥満のひとにおいての食事制限と心臓病の関係はどうなのでしょうか?

今年の7月にこれらの関係性につき、ある研究発表が「The Lancet Diabetes & Endocrinology」誌になされました。

非肥満者のカロリー制限の意義

論文タイトルは、

2 years of calorie restriction and cardiometabolic risk (CALERIE): exploratory outcomes of a multicentre, phase 2, randomised controlled trial

方法:若年および中年(21〜50歳)の健康な非肥満(BMI 22・0-27・9 kg / m2)が対象で、参加者は、カロリー制限ダイエット群とそうでない群にランダムに割り当てられ、カロリー制限食に対する2年間の心血管代謝危険因子を2年後に評価しました。

結果:カロリー制限のグループは約300kcal のカロリー制限に成功し、、LDLコレステロールの変化スコア(p 総コレステロール/ HDLコレステロール比(p <0・0001)、収縮期血圧(p <0・0011)および拡張期血圧(p <0・0001)が改善。さらに、カロリー制限により、2年後に炎症性マーカーであるCRP(p = 0.012)、インスリン感受性指数(p <0・0001)、およびメタボリックシンドロームスコア(p <0・0001)が大幅に改善されました。

この研究から言えること

この研究から、中高年の方で、肥満がまだ起きてない、または軽度だからといって油断せず、ちょっとしたカロリー制限を意識することが大事だと言えます。例えこれくらい食べてもいいかと軽い気持ちで食べてしまうスナックフードや間食、つまみ食いなどを控えるだけで、生活習慣病を予防し、更には心臓病も予防できうるわけです。

心臓病は自分だけは大丈夫、という油断から始まります。狭心症や心筋梗塞などの血管のつまりは前触れ無く突然にやってきます。それを予防するための1日300kclの超軽度のカロリー制限、ぜひ始めてみてくださいね。

そして、定期的な血管チェック、動脈硬化チェックも忘れずに行いましょうね

 

<院長プロフィール>

地元船橋の大穴北小学校第一回卒業生です

大穴中学校、県立千葉高校卒業

平成3年千葉大学医学部卒業

平成6年より2年間船橋市立医療センター勤務

平成8年 倉敷中央病院で循環器の専門トレーニング

平成9年より平成26年3月まで船橋市立医療センター心血管センター循環器内科副部長として勤務

平成26年5月すぎおかクリニック開院

<取得資格>

医学博士、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医など

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